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冥王星に4つ目の衛星を発見

2011-07-26 23:38:19 | 最新ニュース
ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測によって、冥王星に新たな衛星が発見されました。4番目に発見されたため、冥王星(Pluto)の頭文字と合わせて、P4と呼ばれています。今後、正式な名称が決められるでしょう。

冥王星に関する歴史を振り返ってみます。
冥王星は1930年にアメリカの天文学者トンボーによって発見された天体で、太陽系第9惑星とされました。1978年には最初の衛星カロンcharonが発見されました。この頃には、冥王星は他の衛星に比べて非常に小さいことが分かってきました。
一方、彗星のもとになる氷でできた小天体の集団エッジワース・カイパー・ベルトの存在が長年予言されていましたが、1992年以降続々と発見されるようになってきました。そして冥王星軌道の近くに小天体の集団があることが分かり、冥王星もその一員と考えられるようになりました。2003年には、エッジワース・カイパー・ベルトよりもさらに外側で、冥王星よりも大きな天体エリスErisが発見され、第10惑星の発見と騒がれました。
そんな中、2005年にハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で、2つの衛星ニクスnixとヒドラhydraが発見されました。
2006年1月、初の冥王星探査機ニュー・ホライズンズが打ち上げられました。
2006年8月、国際天文学連合(IAU)によって惑星の新しい定義が採択され、冥王星は惑星ではなく、矮惑星と呼ばれることになりました。(詳しくは過去の記事を参照

冥王星は今や惑星ではなく、矮惑星として扱われています。天体の起源から見れば、小天体の仲間と言えます。しかし、そんな中でも衛星を4つも持っているのは冥王星だけであり、特別な天体であることは間違いありません。

冥王星の衛星カロンは、冥王星の大きさに比べても不釣り合いに大きく、冥王星とカロンはともに系の重心を中心に公転しており、「二重惑星」と呼ばれていたこともありました。カロンやその他の小さな衛星は、ジャイアント・インパクトと呼ばれる天体の大衝突で誕生したというのが有力な仮説となっています。2006年にその説について詳しく解説したので、そちらを参照して下さい。
冥王星-カロン-ニクス-ヒドラ系誕生のヒミツ☆
天体衝突で弾き出された破片の多くが集まって、最も内側のカロンを形成しました。残りの小さな破片や粒子は、外側に大きな円盤を形成し、ここから多数の小さな衛星が形成されたと考えられます。ニクスやヒドラ、今回発見されたP4はそのようにして誕生したと思われます。もしかすると、まだ発見されていない小さな衛星がまだまだ存在するかもしれません。もしくは小さな粒子でできた円盤がまだ残っている可能性もあります。2015年、ニューホライズンズ探査機が明らかにしてくれるはずです。気長に待ちましょう!


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1 コメント

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Unknown (霧島)
2011-08-01 16:32:25
宇宙の話はワクワクしますね。
2015年が楽しみです。
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