大分遅れましたが、今更ながら4月の、しかも前半のニュースです。
まずは、3大ニュースから…
第1位は
★オメガ球状星団の中心に中間質量ブラックホール
Black hole found in Omega Centauri
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/14/full/
Spitzer Sees Shining Stellar Sphere
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/releases/ssc2008-07/release.shtml

オメガ球状星団は地球から1万7千光年の距離にあり、銀河系最大の球状星団です。
上の図の背景はオメガ球状星団の中心部を、NASAとESAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像で、数多くの恒星が密集しているのが分かります。
このハッブルの画像と、ジェミニ南天文台のGMOS分光計を使った観測から、星団中心部に分布する恒星の運動が詳しく測定されました。
その結果を示したのが上のグラフです。
今回の研究から、恒星の運動は直接観測できないものの強い重力の影響を受けていることが分かりました。
観測結果は、太陽質量の4万倍の質量が星団の中心部にあると仮定したときのグラフによく一致しており、オメガ球状星団の中心部に中間質量ブラックホールが存在する可能性が高いと考えられます。
中間質量ブラックホールは、恒星が重力崩壊してできる小質量ブラックホールよりははるかに大きいものの、銀河の中心にあるような大質量ブラックホールよりも小さく、銀河の形成過程で大質量ブラックホールの種となったのではないかと考えられています。

この画像は、スピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した赤外線画像と、ブランコ4m望遠鏡が撮影した可視光線画像を合成したものです。
赤外線で明るく捉えられる赤や黄色の星は赤色巨星で、年老いた塵に富む恒星です。
このような赤色巨星が放出した重い元素が、それを材料にして誕生した若い恒星の成分の一部となります。
スピッツァーでの観測の結果、オメガ星団内のこのような赤色巨星はこれまで考えられていたよりも少ないことが分かりました。
第2位は
★低速太陽風の吹き出し口での風速が判明
http://hinode.nao.ac.jp/news/080402EIS_SolWin/

上のグラフは、太陽から噴出す荷電粒子の流れである太陽風の速度が緯度によってどのように違うのかを表しています。
ESAの探査機ユリシーズが直接観測して得られたデータです。
このグラフから、赤道近くの低緯度地域の太陽風は比較的低速で、逆に中~高緯度地域の太陽風は高速であることが分かります。
太陽風の発生源や、加速の仕組み、緯度により速度が異なる理由などは謎でした。

日本の太陽観測衛星「ひので」は、こうした太陽風の発生源が、コロナホールに隣接する活動領域の端にあることを発見しました。
X線望遠鏡(XRT)が撮影した吹き出し口の画像では、高速のガス流によるとみられる模様の変化が捉えられました。
さらに今回、極端紫外線分光撮像装置(EIS)を使ってガスの視線速度を直接測定することに成功しました(上図)。
これらの観測結果を総合することにより、ガス流の速度は秒速約100kmに達することが分かり、低緯度地域の低速太陽風の解明にまた一歩近づきました。
第3位
★最小のブラックホールを発見
NASA Scientists Identify Smallest Known Black Hole
http://www.nasa.gov/topics/universe/features/smallest_blackhole.html
これまで発見されていた最小のブラックホールは、太陽質量の6.3倍程度でした。
今回、XTE J1650-500と呼ばれる連星系をロッシX線可変時間探査衛星RXTEが観測し、連星系の一方を構成するブラックホールの質量が太陽質量の約3.8倍しかないことが分かりました。
これまで発見されたブラックホールの中で最小で、直径は約24kmしかないと推定されます。
このようなタイプのブラックホールは恒星が収縮して形成されると考えられていますが、理論的に考えられるブラックホールの質量の下限は太陽質量の3倍程度と予想されており、XTE J1650ブラックホールはそれに迫る大きさだと言えます。
その他のニュースはこちら
http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/c4ca84419125d49965984bf3498e6e7c
まずは、3大ニュースから…
第1位は
★オメガ球状星団の中心に中間質量ブラックホール
Black hole found in Omega Centauri
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/14/full/
Spitzer Sees Shining Stellar Sphere
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/releases/ssc2008-07/release.shtml

オメガ球状星団は地球から1万7千光年の距離にあり、銀河系最大の球状星団です。
上の図の背景はオメガ球状星団の中心部を、NASAとESAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像で、数多くの恒星が密集しているのが分かります。
このハッブルの画像と、ジェミニ南天文台のGMOS分光計を使った観測から、星団中心部に分布する恒星の運動が詳しく測定されました。
その結果を示したのが上のグラフです。
今回の研究から、恒星の運動は直接観測できないものの強い重力の影響を受けていることが分かりました。
観測結果は、太陽質量の4万倍の質量が星団の中心部にあると仮定したときのグラフによく一致しており、オメガ球状星団の中心部に中間質量ブラックホールが存在する可能性が高いと考えられます。
中間質量ブラックホールは、恒星が重力崩壊してできる小質量ブラックホールよりははるかに大きいものの、銀河の中心にあるような大質量ブラックホールよりも小さく、銀河の形成過程で大質量ブラックホールの種となったのではないかと考えられています。

この画像は、スピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した赤外線画像と、ブランコ4m望遠鏡が撮影した可視光線画像を合成したものです。
赤外線で明るく捉えられる赤や黄色の星は赤色巨星で、年老いた塵に富む恒星です。
このような赤色巨星が放出した重い元素が、それを材料にして誕生した若い恒星の成分の一部となります。
スピッツァーでの観測の結果、オメガ星団内のこのような赤色巨星はこれまで考えられていたよりも少ないことが分かりました。
第2位は
★低速太陽風の吹き出し口での風速が判明
http://hinode.nao.ac.jp/news/080402EIS_SolWin/

上のグラフは、太陽から噴出す荷電粒子の流れである太陽風の速度が緯度によってどのように違うのかを表しています。
ESAの探査機ユリシーズが直接観測して得られたデータです。
このグラフから、赤道近くの低緯度地域の太陽風は比較的低速で、逆に中~高緯度地域の太陽風は高速であることが分かります。
太陽風の発生源や、加速の仕組み、緯度により速度が異なる理由などは謎でした。

日本の太陽観測衛星「ひので」は、こうした太陽風の発生源が、コロナホールに隣接する活動領域の端にあることを発見しました。
X線望遠鏡(XRT)が撮影した吹き出し口の画像では、高速のガス流によるとみられる模様の変化が捉えられました。
さらに今回、極端紫外線分光撮像装置(EIS)を使ってガスの視線速度を直接測定することに成功しました(上図)。
これらの観測結果を総合することにより、ガス流の速度は秒速約100kmに達することが分かり、低緯度地域の低速太陽風の解明にまた一歩近づきました。
第3位
★最小のブラックホールを発見
NASA Scientists Identify Smallest Known Black Hole
http://www.nasa.gov/topics/universe/features/smallest_blackhole.html
これまで発見されていた最小のブラックホールは、太陽質量の6.3倍程度でした。
今回、XTE J1650-500と呼ばれる連星系をロッシX線可変時間探査衛星RXTEが観測し、連星系の一方を構成するブラックホールの質量が太陽質量の約3.8倍しかないことが分かりました。
これまで発見されたブラックホールの中で最小で、直径は約24kmしかないと推定されます。
このようなタイプのブラックホールは恒星が収縮して形成されると考えられていますが、理論的に考えられるブラックホールの質量の下限は太陽質量の3倍程度と予想されており、XTE J1650ブラックホールはそれに迫る大きさだと言えます。
その他のニュースはこちら
http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/c4ca84419125d49965984bf3498e6e7c
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます