新・南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2023年

2023年、11年振りに南大東島を再訪しました。その間、島の社会・生活がどのように変わっていったかを観察しました。

ゴミ焼却場

2023-08-09 11:55:28 | 旅行

 

  島内は一種の消費社会であり、本島から運ばれてくる多種多様の消費財を購入し、使い終わったなら廃棄する。小さな島なので、廃棄したゴミをそのままにしたら島中がゴミだらけになってしまう。かっては衣類、パッケージなどの紙類、プラスチック類などは野焼きしていたらしい。燃えない金属類は穴を掘って埋めていたようだ。また、大きな家具などは海岸付近のゴミ捨て場に放置していた。大型のゴミは台風の時に強風で太平洋に吹き飛ばされ、自然の力でゴミが清掃されていた。しかし、島での生活が近代化して日常生活用品の消費量が多くなると、穴埋めでは間に合わなくなると共に、野焼きが法律で禁止されるようになった。このため、島では近代的なゴミ処理を実施する必要となり、1983年に村営墓地の奥にゴミ焼却場が竣工した。その後、ゴミ焼却設備にはダイオキシンを排出しない対策を講ずる法律が施行され、2000年には新しいゴミ焼却場を完成した。一段目の写真で手前にあるのは旧のゴミ焼却場であり、奥にあるのが新しいゴミ焼却場である。
 二段目の写真は焼却場をゴミ投入口から撮影したもので、ここでは3台のパッカー車が運用されていた(もう1台は写真の背面に駐車してあった)。三段目の写真は焼却炉の制御室で、設備は小さいが一日に3トンの処理能力がある。また、瓶類、アルミ缶類などの不燃ゴミは仕分けされ、定期便で沖縄本島に搬送してリサイクルされていた。
 この焼却場で焼却されたゴミの残滓は、2009年に完成したエコセンターという廃棄物処分場で保管される。内地の廃棄物処理場と同じように、掘った穴に防水シートを敷き、その防水シート上に残滓を投入して管理していた。ただ、この方法による保管が何時まで続くのか問題となりそうです。東京都であれば、残滓を東京湾の沿岸に埋め立てることができるが、南大東島の海岸は断崖絶壁のため埋め立てすることができない。ゴミの残滓は毎年増え続けているのですから、何時かは満杯となるでしょう。計画では今後20年間は残滓の受け入れが可能ですが、ここが満杯になったら沖縄本島に移送して、本島での埋め立てに利用されるかもしれません。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿