新・南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2023年

2023年、11年振りに南大東島を再訪しました。その間、島の社会・生活がどのように変わっていったかを観察しました。

神輿の休憩所と観客

2023-05-09 13:58:03 | 旅行

  神輿の渡御では、神輿を担いだ氏子のために道中に休憩所が開設してあった。練り歩いてお疲れの氏子連を接待するため、軽食と飲料水を用意してあった。休憩所を設置しているのは地元の商店、事業所であり、これも日頃ご贔屓にしてもらっている恩返しのようなものである。神輿の休憩所は、元々は御旅所(おたびじょ)或いは御仮屋(おかりや)と呼ばれ、神輿に乗り移った神様が途中で休憩していただくという意味であった。東京の三王祭、神田祭で開設される御仮屋は、神輿を一時安置できる仮小屋であった。南大東島の豊年祭では規模が違うため、御仮屋は無く、店頭に設置されたテーブルが接待所であった。
 私が確認できた休憩所は次の通りとなる。もしかしたら、もう少し数が多いかもしれない。
 1、有限会社大進鉱業
 2、大東電気商会
 3、株式会社大智
 4、ケンちゃんストア
 5、野村ミート
 6、ボロジノ整骨院
 7、株式会社金城重機土木
 写真の休憩所は在所集落で見かけたもので、串に刺した練り物や焼き鳥が皿に盛られていた。休憩所によっては子供向けの駄菓子を並べている所もあった。
 三段目の写真は、神輿や山車の行列を見ようと、自宅の前で待機している人達である。一家揃って法被を着用されてみえたが、氏子の法被とは図柄が異なっていた。祭を盛り上げようとして、自腹で製作されたものではないかと推測した。豊年祭では、行列に参加する住民に比べ、その行列を眺めて楽しむ観客が極端に少ないのが特徴である。島の人口が1千2百であることから、住民の大部分(もしかしたら半分くらいかもしれない)が行列に参加しているのではなかろうか。祭の最中であっても、何らかの用事(公務、事務所の留守番など)があって、行列にも見物にも参加できず、仕事をしている人達も多いと推測される。このため、行列の道中で観客を見かけることは少なかった。これが島の祭の特徴である。



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