今、国内で問題となっているのは地方の衰退である。地場の産業が減少し、地方での仕事が無くなると若者たちは都会に転出してしまう。地方の在住者が都会に移転すると、その地域の人口が減少して活気が無くなる。すると、居住していた家屋は空家となり、地方は空家だらけとなってしまう。家屋に人が住まなくなると痛みが早くなり、廃墟化していく。こうして、建物が倒壊したり、火災になるなどの事故の原因となる。これが今、国内で社会問題となっている空家問題である。
全国の地方と同じように、南大東島でも人口は減少している。島の人口は1989年には1491人であったが、2022年3月末には1190人に減少している。33年間で約20%の減少である。南大東島の人口は減少しているが、他県のような限界集落とか消滅集落というような大きな減少率ではない。それは、地元に砂糖きび栽培という固有の産業があり、雇用が確保されているからだ。
また、世帯数からすると、1989年には538世帯であったが、2022年3月末は662世帯と増加している。人口が減少しているのに世帯数が増加しているのは、単身の世帯が増加したためである。
島の人口が減少すると、当然のように住んでいた家屋は空家となる。全てを把握した訳ではないが、島のあちこちには無人となった廃屋が見かけられた。しかし、廃屋はそれほど目立つほどの数はなく、よく注意して観察しないと居住住宅と区別できないものであった。それだけ島の廃屋の戸数は少なく、ほとんどの住宅は実際に居住されているからである。
上段の写真はブロック積みの住宅で、下段の写真は簡素な木造の住宅である。何れも在所集落のはずれでみかけた。在所集落の中心部にも空家らしき住居を見かけたが、家主は那覇などに居住していて、時々戻ってくる時に宿泊しているのかどうかは不明。
いずれの廃屋でも、庭や建物回りは雑草が刈り取られてきれいに整備されていた。熱帯地域なので、ほっておくと蔦や雑草が生い茂る。近所の人達が自発的に雑草を刈り取っているのか、家主が時々掃除しているのであろう。
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