新・南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2023年

2023年、11年振りに南大東島を再訪しました。その間、島の社会・生活がどのように変わっていったかを観察しました。

デジタル社会化

2023-08-17 15:59:28 | 旅行

  今回の旅行で、島の貨幣経済が大きく変わったと感じられたのは、電子マネーが使用できるようになったことである。一段目の写真はスーパーミナミ、二段目の写真はJA南大東のレジであり、カウンターには使用できるカードの種類が表示されていた。nanaco、waon、Edyなどのほぼ全ての電子マネーに対応していた。一部のクレジットカードにも対応できるようである。
 私は東日本旅客のSUICAを使用したが、これが何と使えてしまった。沖縄県には鉄道が無いため、鉄道系のカードは対応できないのでは、と考えていた。ただ、那覇にはモノレールが運行していて、モノレールではSUICAが使用できる。このため南大東島でも利用することができるようになったのかもしれない。
 前回の旅行では、島内のどこの店に行っても現金払いであった。電子マネーが利用できるようになったのは、島に高速光ファイバー通信回線が敷設されたからであった。本島と南大東島の間に海底ケーブルが施設されたの2011年であり、私が最初に島を訪問した前年のことであった。この海底ケーブルにより本島との間で高速で大容量のデータ通信が可能となった。それまでの島の通信手段は衛星通信に頼っていたので、データの通信速度は64Kbps程度であったらしい。それが光ファイバーによる通信網が完成したので、高速通信が可能になった。
 私が2012年9月にホテルよしざとのWifiに接続して計測した記録では、下り速度は1.02Mbpsであった。この計測値はデジタル機器の性能により変わるため、高性能のWifi端末を使用したならもっと高速になっていたかもしれない。しかし、この速度では電子マネーを決裁するには遅い。それから11年が経過した今回の旅行では、プチホテル・サザンクロスのWifiを利用して通信速度を測定すると、下り速度は113Mbps、上りは56.8Mbpsとなり、格段に向上した。これは2022年より、超高速光ブローバンドサービスが開始されたからである。これだけの通信速度が確保できたので、スーパーなどでは電子マネーの決裁が可能となった。
 現在、島では、下り速度が1Gbit以上になる高速光ファイバー回線の契約(いわゆる1ギガプラン)が実施されていて、既にこの超高速回線を使用している人もいるらしい。全国各地の通信速度を公開している「みんなのネット回線速度」というホームページには、南大東島在住のネット回線利用者からの測定速度の投稿がある。この投稿によれば、2024年6月25日にOCNのプロバイダーの光回線で速度計測したところ、下り速度は842Mbps、上り速度は560Mbpsを記録している。こうなると、通信環境は内地とほぼ変わらなくなっている。
 なお、島内で電子マネーが利用できる店舗は数店に止まっているらしい。島内の飲食店はどこに行っても現金での支払いを要求された。電子マネーを処理する装置の導入費用がかかることと、電子マネーを利用する顧客がこれから増えていくことが想定できないからであろう。



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