時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

舞鶴日帰りミニ旅-08~京都丹後鉄道の旅 ②

2018-07-08 12:24:34 | 京都
 天橋立から更に西へ、京都丹後鉄道のローカル列車の旅を続けます。

 <<舞鶴日帰りミニ旅-07>

 天橋立を過ぎると、列車は海岸から離れて、内陸へと分け入ります。
 車窓風景も、風光明媚な海や広々とした川の眺めから、どこか心安らぐ日本の里山風景へと、変わっていきます。

 やがて、府県境を越え、京都府から兵庫県へ。
 西に傾きだした眩しい陽射しの中、終着駅の豊岡へ到着しました。

 <京都丹後鉄道>


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


 宮津、天橋立を過ぎ、始発駅の西舞鶴を出発しておよそ1時間20分程…京都丹後鉄道の豊岡行普通列車は、峰山に停車しています。

 京都丹後鉄道宮津線(宮津~豊岡の区間は、宮豊線の通称が付けられています)は、天橋立から西の区間では、日本海の沿岸から離れて、丹後半島の付け根を走行。
 車窓は、海の青色から野山の緑色へと、その色彩を変化させます。

 峰山でも、対向列車と行き違い。
 地方のローカル第三セクター鉄道のご多分に漏れず、厳しい経営環境の京都丹後鉄道ですが、日中でも1時間に1本程度の運行頻度を確保して、丹後地域の公共交通機関として気を吐いています。



 内陸部に開けた平地に田畑が開けた風景の中を、列車は西へと走り続けます。

 畦道を少し広くした程度の細い道と線路とが交わる、警報機もない小さな踏切…どこかノスタルジックな気持ちを誘う、明るい午後の、穏やかな車窓風景です。



 着席していた、車両で一番後方の座席から、後ろの運転台越しに、どんどん流れ去っていくレールの様子を、眺めます。

 車外が陽射しでとても明るく、車内と流れ去るレールの眺めとのコントラストが、それぞれハッキリと強調された、印象的な動く景色でした。



 丹後半島の付け根にある、幾つかの小さな鞍部を越えて走る列車。
 ささやかながらも、ちょっとした山越え気分も、味わうことができます♪

 山肌を覆う鮮やかな新緑も、明るい日差しを浴びて、清々しい爽快さを感じさせてくれます。




 車窓から眺める眺めは、明るい晴天の下で微睡んでいるかのような田園風景へ。
 人の営みと自然とが隣り合う穏やかな景色に、心和みます。

 走行中に撮影しているため、手前の真正面に電柱が写ってしまいましたが、よく見ると、そのてっぺんには、電柱とは異質な何かが。
 トリミングしてみたら、1羽の鳥(多分w)が、羽を休めているようでした^^




 西舞鶴からの所要時間が1時間半を超えた頃、夕日ヶ浦木津温泉へ到着。
 日本海に沈む夕陽の眺めも美しく、日本の夕日百選にも選ばれた砂浜の海岸に湧く温泉への最寄駅ですが、その夕日ヶ浦温泉郷までは約2㎞と離れているためか、ホームで列車を待つ人の姿も、列車から下車する人も疎らでした。

 それでも、ホームにはかなりゆったりとしていそうな、大きな足湯の湯船が2つ!
 温泉郷へは、車で赴くのが便利で快適でしょうが、こうした鄙びた駅で列車を待つ間、ノンビリ足湯に浸かるというのも、乙な気分になれそうですね。



 田植えに向けて、水の張り終えた田んぼも、明るい午後の陽射しに水面を煌めかせていました。

 この、陽光に照らされて眩しく反射する水面や、田んぼの明るく映えた透明感のある眺めが、個人的にとても好きです。



 心地良い陽気の午後…車内でもついウトウトしそうになりますが、うたた寝してしまうには惜しい、陽光の下での素敵な景色が、車窓に流れ続けます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 共に眩い煌きを見せる、手前の小川に水田、そして山々の遠景でわずかに顔を覗かせている、久美浜湾の水面。
 それぞれ異なる3つの水面の輝きを、同時に眺めることのできる、素敵な風景に魅せられました!
 インパクトのある風景ではありませんが、眺めている程に、感動の気持ちがジワジワと溢れてくるような、そんな眺めでした。

 快晴の青空の美しさも、素晴らしかったです。



 キラキラと煌めく川の流れが、久美浜湾へと注いでいきます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 穏やかそうな海面を見せる久美浜湾、水際で佇んだならば、背景の山々との、素晴らしい景色を楽しむことができそうですね。



 田んぼに加えて、畑でも、様々な作物が栽培されている様子。

 ビニールハウスも、沿線のそこここで目にしました。
 多角的な農業が、営まれているようですね。

 変化に富む、京都丹後鉄道沿線の田園風景です。



 久美浜湾へと注ぐ、別の川の流れを跨ぎます。
 緑のベールに覆われた様な川岸の描く、優美な弧の風情に、惹き付けられます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 この日の朝方に舞鶴へ到着した時のような曇天が、嘘のように晴れ渡った、雲一つない感動的な青空となっていました。



 天橋立を過ぎてからは、基本的に田園風景となった車窓風景ですが、瞬間的に、自然の只中に身を置いているかのような、風光明媚な眺めに遭遇します。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 あと数分もするかしないかのうちに、豊岡へ向けて、京都府内最後の駅である久美浜へ到着するとは思えない、自然豊かな眺めを堪能。
 久美浜湾の眺めを間近に楽しめるのも、この辺りで見納めです。

 遠くに見える、青み掛かった水面の辺りからが久美浜湾で、手前の茶色掛かった水面は、久美浜湾へと注ぐ川の河口の部分です。



 久美浜へ到着しました。
 この駅で、豊岡までの行程で、対抗列車との最後の交換。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 架線が張られていない、空の広さが印象的な、久美浜駅構内の眺め。
 画像左端に見えている、駅舎の屋根瓦から察することができるとおり、正面から眺めると立派な構えの久美浜駅です。

 これまで経てきた、天橋立方面へと走り去ってゆく、西舞鶴行の列車を見送りながら、久美浜を出発しました。
 この駅は、京都府最西端の駅とのことです。



 久美浜を出発すると、列車はまた山間へと分け入っていきます。
 小さな谷間に、棚田が垣間見えました。

 一瞬で通り過ぎてしまった、束の間の眺めでしたが、田植えも終えて苗の整然と植えられた美しい棚田の緑が、周囲の山林の緑と一体化した、素敵な風景でした。



 久美浜を出発後、列車は、京都府から兵庫県へと入りました。
 兵庫県に入って最初にして豊岡への道中最後の途中駅、コウノトリの郷へ到着。

 この駅は、昭和4年(1929年)に但馬三江(たじまみえ)駅として開業しました。
 平成21年(2009年)に「コウノトリの郷」の愛称が制定され、平成27年(2015年)にこの路線の運行主体が北近畿タンゴ鉄道からWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)へと移管された時に、この愛称が駅名となりました。

 老朽化が進んだ駅舎は、愛称制定と同年に、駅が所在している豊岡市の予算で改修されました。
 高い位置にあるホームから眺めた駅舎のレトロな佇まいに、ふらりと途中下車したくなります。

 この駅に限らず、思わず列車から降りてみたくなる気にさせる駅の多い、京都丹後鉄道でした。




 コウノトリの郷を出発すると、終着駅・豊岡へのラストスパート。
 豊岡盆地を流れてこの後日本海へと注ぐ円山川を渡ると、兵庫県北部の但馬地方の中心都市である、豊岡の市街地へと入っていきます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 広々と開けた雄大な景色…旅のラストまで、素敵な車窓風景を楽しむことができます。

 時刻は既に、17時に近付きつつあり、刻々と西へと傾く陽射しは、いよいよ眩しさを増していきます。
 列車の渡河中、眩い水面の輝きをずっと見つめていました。



 定刻の16時37分、列車は豊岡へと終着。
 西舞鶴から2時間10分を掛けた、83.6kmの行程でした。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 2時間を超す道中、素敵な車窓風景を楽しませてくれた1両のディーゼルカーとも、これでお別れです。

 初めて乗り通した、京都丹後鉄道の宮津線でしたが、変化に富んだ沿線の眺めに魅せられた列車旅に、大いに満足しました!
 美しい自然の展望はもちろん、通り過ぎる一瞬だけ見せてくれる、ささやかな、隠れた絶景にも魅了された、沿線の素敵な風景でした。

 次に訪れる機会には、ノンビリ途中下車しながら、沿線巡りを楽しんでみたいですね。



 豊岡駅の一番端のホームを柵で半分に区切った端に、簡素な駅舎を構えただけの、京都丹後鉄道の豊岡駅。
 柵の向こう側は、JRの豊岡駅構内です。

 この後乗り継ぐ、予約してあった大阪行の特急のチケットをまだ発券していなかったので、JR線のりかえ口ではなく、一旦出口から出てJR豊岡駅のみどりの窓口へ向かいました。
 素敵な眺めであった、道中の余韻に浸りながら、京都丹後鉄道の豊岡駅を後にします。

 <舞鶴日帰りミニ旅-09>>



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タヌ子)
2018-07-14 07:53:13
日本に到着し、成田エクスプレスの車窓から、電柱の写真の一枚前の写真のような田園の奥に広がる濃い緑のこんもりした森を見ると、ああ、日本に帰ってきたんだなと実感します。
日本独特の風景ですよね。
電柱の上の生き物、猿かと思いました(笑)
川と田んぼと湾、3種類の水面が見えるチャンスを逃さないtaろうさんの観察眼に脱帽です。
私だったらぼんやり見過ごしてしまうこと確実。
日本にもコウノトリっているのかな?と思って調べて見たら、佐渡の朱鷺と同じような状況なのですね。
返信する
タヌ子さん。 (taろう)
2018-07-14 23:30:10
日頃、見慣れていると思い込んでいた風景が、実は決してそうではなかったという事を、こうした田園風景を眺めた時には、改めて気付かされることも、しばしばです。
それでも、目にした時に感じる懐かしさや心和む情感は、子供の頃から馴染んできた眺めであるからこそなのだなぁ、と思います。
電柱上の生き物、ブレてハッキリとは分からず、もしかしたらタヌ子さんのご想像どおりの、猿かもしれませんw
自然豊かでノスタルジックな田園が広がる京都丹後鉄道沿線の風景は、ちょっとした所に、見つければ趣深い眺めを、其処此処に隠しているような、面白さを感じました。
但馬のコウノトリ、一旦野生種としては絶滅したのを復活させたようですね。
こうした保護活動を通じて、ヒトの住環境も見直されて、改善が進むといいですよね。
返信する

コメントを投稿