時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

桂川源流探訪 佐々里峠越え-05~佐々里峠 ②

2017-10-11 00:51:56 | 京都
 京都から美山へと歩いて向かう道中は、佐々里峠を越えて京都市から南丹市へと入り、峠の西側の麓にある佐々里の集落を目指して、下り坂を進みます。

 <<桂川源流探訪 佐々里峠越え-04>

 鞍部から西のルートは、広河原から鞍部までの上り坂の区間よりも距離が長く、急な勾配も多く感じられたので、広河原から佐々里峠を西へ越えて正解でした。
 深い山々の緑に覆われた長い下り坂の、気持ちの良い道中で、約5km強の距離のうちに300m超の高低差を下った、1時間20分程の行程でした。

 <佐々里峠>



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 佐々里峠を、西へ向けて出発します。
 この峠から、京都市から南丹市へと入りました。

 広河原から続いてきた上り坂は、この佐々里峠を境に下り坂へと転じ、標高を下げに掛かります。



 峠を越えた直後は緩やかそうに見えた下り坂は、みるみる勾配がキツくなっていきます;

 一歩一歩、歩を進める度に、爪先に掛かる己の体重の負荷をズッシリと感じながら、急な下り坂を下りました。



 道幅は相変わらず、広くなったり狭くなったり。
 道幅が広がっても、勾配は急なままです;
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 上方が開けた場所へと、出てきました。
 秋の透き通った気配を纏った、気持ちの良い青空を仰ぎます♪



 歩いている最中でも、どんどん標高が下がっているのを実感することができる位の急勾配を、下っていきます。
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 ちょうど正面に立ちはだかって見えているのが、佐々里峠へと連なる尾根筋です。
 この後は、しばらくの間、頭上が開けた広い空の景色と、木々の茂みのトンネルをくぐる景色とが、交互に入れ替わる眺めが続きました。




 道路際の斜面を見上げた先の高みに、10分程前に歩いていた、佐々里峠を越えてすぐの場所を通っている道路の、ガードレールが見えています。
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 この辺りは、佐々里峠の直下にあたる場所のようですね。
 もう、こんなにも高度を下げていたことが分かって、驚きました。



 綿毛が、爽やかな秋のそよ風に乗って、空高く舞っていました。
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 着実に季節が進んでいる証を、道端の其処此処で、見つけることができます^^
 勾配が緩やかになると、周りの風景も心なしか、のどかさを増しているような気がしますねw

 広々と開けた青空の景色が、心まで晴れ晴れとした気持ちにさせてくれました!



 沿道の風景は、のどかな眺めから、険しく、緊迫感を含んだものへと、目まぐるしく変化します。

 ヘアピンカーブも、まだまだ健在;
 緩急の、「急」の部分で、一気に標高が下がっていきます。



 清々しい「緑のトンネル」の中を、京都府道38号線は、黙々と進んでいきます。
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 佐々里峠の沿道には、桜の木々も多く植えられていて、春の時期には、桜吹雪の峠道となるようです。
 その頃の、桜花の花びら舞う山の景色も、さぞ美しいことでしょうね、



 峠道を下る行程中、最も印象的であった、沿道の風景。
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 屏風のような山肌を、びっしりと隙なく緑に覆い尽くした、美しい杉の木立の眺め。
 整然とした、杉1本1本の三角形の姿が無数に集まって披露している、精緻な緑のグラデーションは、感動的な美しさでした!

 青空とのコントラスト、手前の松の木との質感の違い等、明るい日差しの下での、素晴らしい眺めの贈り物ですね^^



 立ち枯れでもしているのでしょうか…正面の山肌に、4本ばかり茶色くなった木が、周囲の圧倒的な緑の中で、浮き上がるように異彩を放って見えていました。
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 目にも優しい緑の絨毯…微妙な濃淡や、木の種類の違いによる立体感のある景色の妙に、先を急ぐ足取りもついつい止めて見入ってしまうことも、一度や二度ではありませんでした(^^;)




 いつしか、深い谷の中へと、高度を下げてきていた、京都府道38号線。
 空との距離も、グングン離れてきているように、感じられました。

 この佐々里峠を越えるルートは、多くの人が、バイクや自転車で通り過ぎていました。
 道中、何度となく追い越されたり、すれ違いました。

 ここで撮影している時も、前方から佐々里峠目指して、私がこれまで進んできた道中を逆に上っていく自転車と、すれ違います。
 私が下ってきたルートを、峠まで断続的に続く急勾配を延々と上り続けなければならないことに思いを致し、心の中で「お疲れ様です」と念じながら、見送りました。



 峠からは、かなり標高は下がっているはずなのですが、一向に人家等の姿は、見えてきません;

 山深いという実感は、ほとんど変化することがありません。
 鬱蒼と茂る木々に囲まれた中を、黙々と歩きます。



 広々と空が開けた眺めもいいものですが、頭上を木々の緑に覆われた中の景色というものには、「癒し」を感じることができますね。
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 木立の下を、小さく曲がりくねりながらも、先へと進んでゆく道路の風情が、素敵です♪



 尾根近くから、谷へと流れ下った幾つもの沢が集まって、せせらぎとなった流れが、道路に寄り添ってきました。
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 緑の中に水が加わり、一層の潤いに満ちた風景となりましたね。

 この流れは、更に幾つもの小川と合流し、やがて由良川となって、日本海へと注ぎます。
 佐々里峠の直前にあった、桂川の源流から流れ出す流れは、最終的に淀川へと合流して大阪湾(太平洋側)へ注ぐことから、佐々里峠が分水界にもなっていることが分かります。



 沿道が、良く手入れされている杉林へと、変貌を遂げていました。
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 整然と植樹された杉の木々が、一斉に真直ぐ天を仰ぎ立っている眺めは、壮観でした!
 この辺りの山々の、地形の険しさが良く理解できる、急斜面ですね。



 せせらぎには、石の河床となっている場所もあり、ちょっとした急流の様を見せてくれます^^
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 清らかで透明な流れが、飛沫を立てて流れ下る様子は、正に一服の清涼剤的な効果を、私の心に与えてくれます。

 所々、青みが掛かるのも、太陽光の塩梅なのでしょうね。
 ささやかながら、惹き込まれるような美しさを秘めた、清流の眺めでした。



 並木然とした、杉の木立の下を、ゆったりとした気分で進みます。

 整然と手入れされた杉林の出現は、人里の近いことも窺がわせてくれます。



 せせらぎも森を抜けて、少しばかり開けた場所へと流れ出て、ゆったりとした流れとなっていました。

 川底の砂利等が、道路から眺めてもはっきりと判別することができる程の、素晴らしい透明度を誇る、川の水です!



 なおも歩を進めていくと、遂に行く手に、人家が見えてきました!
 南丹市美山町佐々里の集落の端へ、到達した模様。
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 漸く人の生活する里へと「戻って来た」感覚を覚えて、何故かホッとした気分に包まれますw
 約2時間半ぶりに見た、人家でした。



 佐々里の集落の終端部で、京都府道38号線の佐々里峠区間は、終了。
 冬季の閉鎖用に、通行止めのポールが設置されていました。
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 佐々里峠は、はるか後方の、既にここからでは見ることもできなくなった山上にあります。
 ここから先への行く手に待つ、険しい勾配の続く道中は、穏やかなこの風景からは想像するのも中々困難です;

 この後、もう少し先にある、小さな八幡宮まで歩き、峠越えは終了。
 両端を静かな山里に挟まれた、緑豊かな佐々里峠。
 鞍部からは5㎞強を1時間20分程、広河原からは約9㎞を2時間半程で、歩き通した道中でした。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-06>>



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2017-10-14 06:45:33
杉と渓流、心が洗われる素晴らしい画像ありがとうございます。
画像を見るだけでストレス解消になりますね。
こうして見ると改めて『日本の美』を感じます。
お行儀よく並んだ杉の潔さを感じさせる姿が素晴らしいですね。
フランスには『杉』はありません。
ヒマラヤ杉に似たものはありますが、日本の杉はひのき科なのに、フランスの杉はマツ科なのです。
セップは落葉樹林を好むので、画像を見て今ここを歩いたらセップの仲間が見つかるかな?と思ってしまいました(笑)
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タヌ子さん。 (taろう)
2017-10-14 23:46:16
日中の気温はまだ30℃を超える夏の暑さでしたが、そんな空気も、秋を感じさせる透明感や爽やかさを纏い始めた中で眺めた山林の風景は、夏バテ気味の体調や気分をリフレッシュさせてくれた、素晴らしいものでした!
天気にも恵まれて、明るい日差しの下での、木々の緑や透明な川の水が、これ程美しく、感動的なものであることを思い出させてくれた気がして、この峠越えに出掛けてみて、本当によかったです。
日本のように、海と山の美しさを同時に、しかも季節毎に堪能することができるというのは、とても贅沢で幸せなことなのかもしれません。
整然と広がる杉林は、精緻なものを好む、日本らしい風景の1つでもあるような気がしますね…花粉症の元凶にもなってしまっていますが(^^;)
日本の杉とフランスの杉とは、別物ですか…景観が異なるのも、頷けます。
こんなに豊かな森が広がっているのですから、これからの季節には、色々なキノコが穫れそうですね。
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