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だれか、ふつうを教えてくれ!

2009-09-20 16:12:00 | 障害
なんだかインパクトのあるタイトルですが…{%ビックリ(チカチカ)hdeco%}



倉本智明さんの『だれか、ふつうを教えてくれ!』(理論社)という本を紹介したいと思います。 税別{%有料docomo%}1,200円

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本の帯には…このように書いてある {%下降webry%}

ふつうっぽく見られたい。でも、なにがふつうか、わからない。
目で見る。自分の足で歩く。
それってあたりまえ、と言われる社会で、ぼくたちが気づかないでいることはなんだろう。
いつか出会う誰かを思いうかべながら、「障害」をとおして、常識やなりたちをゆっくり、とことん考えるための手引き。


紹介パンフには…こう {%下降webry%}

両手が使えなければ口をお皿に近づけて食べる。
行儀が悪い! と「ふつう」の人なら思うけど、その「ふつう」とは一体、誰にとっての「ふつう」なんだろう。
「ふつう/障害」について、気になってたけどなかなか訊けなかったことを真正面から考察する、子ども向けの障害学の1冊。



そんな本の紹介文に魅かれて買った本。



「中学生以上すべての人の寄り道パン!セ 寄り道は、キミがハッピーに生きるための近道」シリーズの中の1冊で、「障害」をもう一度捉えなおそうという「障害学」について書かれた本。





普段から、私も「ふつう」って言葉を使うけど、「ふつう」って何なんだろう{%!?webry%}って思うことが多くて。



著者の倉本さんは視覚障害者。倉本さんからすると、目が見える私は一般的に「ふつう」と言われる方に入るのかな{%はてなwebry%}
私からすれば、車イスを使わずに外出できる倉本さんの方が「ふつう」なのかな…{%はてなwebry%}



でも、障害者が経験する困難の原因は、目とか手足とかの不自由さからくるというより、彼らを取りまく環境からくるという考え方があることは以前にも紹介しました。

     {%右矢印webry%} ここをクリック



「今信じられている『ふつう』は必ずしも絶対的なものではなく、それとはまったく異なった『ふつう』があり得るということ」(引用)などがわかりやすく解説されています。



具体的には、駅のホームから転落した視覚障害者の話、ご自身の転落事故の体験の話から、バリアフリーの浸透には「ふつう」とは一体何なのかを考える必要があるのでは…?と、問いかける。



ある調査によると、目がまったく見えない、ほとんど見えない人のうち、4人に1人が転落事故を経験しているといいます。



その事実を私はここで初めて知ったわけですが{%汗(チカチカ)hdeco%}



見えるのが「ふつう」の世の中だから、少数派の見えない人達の転落事故防止の対策をとってこなかったと…。



最後に、倉本さんはこのように書かれています。


「『ふつう』と見なされている事柄について、もう一度じっくり吟味し、それがさまざまな人びとの存在を可能な限り考慮したものになっているかどうかを検討したい。もし偏りが発見されたなら、その解消方法について考えていきたいというのが、この本でぼくが主張してきたことです。」

「共生が単なるお題目に終わるのか、現実的なものとなるのか。それは、困っているさまをいま目の当たりにしているわけでもない状況で、なおかつ、友だちや家族といった自分にとって大切な人のためだけにではなく、会ったことのない誰かのためにも、想像力をはたらかせて積極的に負担を行える人たちがどのくらいいるのか、そのことに大きく左右されるのではないかとぼくは考えます。」




なかなか一筋縄ではいかない所がある「障害」やバリアフリーの問題、やはり人間がもつ相手を思いやる心、”想像力”が一つのカギになるのだと改めて思いました。



とても読みやすい本です。ぜひご一読を~{%グットハートhdeco%}