リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

長良川には借りがある。

2005-07-15 10:34:20 | 全長良川流下行 2005
 新たに川を下るにあたって、書いておきたいことがある。
 長良川には借りがある、ということだ。
 
 この新聞記事は、朝日新聞の1988年7月20日社会面の記事だ。内容は、起工式に合わせての動きを紹介したものだが、ここには無い、切り取ってしまった部分にボクの長良川に対する借財が隠れている。

 同じ紙面、すぐ左にところに、小さな記事が載っていた。それは、遭難した船が引き上げられたことと、その事故による犠牲者の名前だった。
へりおす慰霊塔

海洋調査船「へりおす」
 ボクが乗っていたかもしれない船の名前だった。

 調査員を募集している。
 ちょうど、勤めていた生物調査の会社を辞めたところだったボクには、出身地から近い清水にあるこのヘリオスを所有する会社の募集は魅力的だった。

 仕事先で一緒だったTは既に採用が決まっていて、応募を勧めてくれていた。
 実家からも近いし、専門も生かせる。両親も安心するだろう。その時、その会社への応募を真剣に考えていた。

 しかし、会社を辞めた後、これといって、目的もなかった訳だが、どういうことか、フルーランスの路をえらんでいた。

 そして、長良川と出会った。

 この紙面には、生きて川を下っているボクの名前と、遭難して確認された彼の名前が並んでいた。

 どうも、安寧な路は駄目らしい。
 そして、長良川はささやくのだ、そろそろ下りの時が来た。

 ニイムラ
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