リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

三峡ダム完成で水質悪化

2007-04-17 14:36:59 | ダムの穴
三峡ダム完成で水質悪化 長江環境、初の報告書(共同通信) - goo ニュース
水中パンダと現地では言うらしい?2004年のチャイナネットでは保護策について述べている。
 しかし、レスターブラウンのワールドウオッチが紹介するレポートによるとヨウスコウカワイルカは絶滅と伝えられている。



☆テキスト版
三峡ダム完成で水質悪化 長江環境、初の報告書
2007年4月16日(月)18:07

* 共同通信

ダム堤前に浮かぶごみ 三峡ダム完成で水質悪化
(共同通信)

 【北京16日共同】中国・長江の環境に関する初の包括的な報告書が発表され、専門家は長江の10分の1の流域で深刻な環境悪化を指摘すると同時に、世界最大の三峡ダムの完成後、水質汚染がさらに進んでいると警告した。報告書は、中国政府、世界自然保護基金などが合同で作成した。三峡ダムの完成でダム付近は水流が停止、自浄機能が失われ、窒素やリンなどによる汚染が悪化した。

☆テキスト版
China Watch 2007-1
【中国】ヨウスコウカワイルカが実質的に絶滅

中国環境情報



レスター・ブラウン


中国 生態系中国、日本、アメリカなどの科学者が参加した国際的な調査団は、ヨウスコウカワイルカが事実上絶滅したと2006年12月半ばに発表した。ヨウスコウカワイルカは2000万年以上前から長江(揚子江)の中・下流域において、この水域の食物連鎖の最上位の動物として、生息してきたとみられる。しかし、いまや長江流域には中国の人口のほぼ3分の1に相当する4億もの人々が暮らしており、中国科学院の水生生物研究所によれば、人間の諸活動により野生動物の生息環境は破壊されてきている。

調査団は11月から12月にかけて38日を費やして 3400kmにわたり、光学と超音波のハイテク装置によりこのイルカを探したが1頭も見つからなかった。2004年のある報告書では、この頭数は1970 年代から激減の一途をたどってきた。1980年代半ばには約300頭が生存していたが、97年には個体数はすでに13頭になっていた。

この激減の大きな原因の1つは、ここ数十年にわたり長江へ排出された膨大な量の汚水である。長江水資源管理委員会によればその汚水の推定量は都市排水と産業排水とを合わせて、1980年代の終わり頃の150億トンから、2005年の290億トンヘと激増している。そのほとんどが未処理の生放流であり、処理されているのは15%にすぎないとみられている。そのため流域にある湖沼の半分以上が富栄養化し、500を上回る都市の飲用水が危機的状況にある。

もう1つの大きな原因は不法漁獲と水上交通量の増加である。ただ、大規模ダムの建設こそが元凶とする科学者も複数いる。この数十年、中国政府は治水、そして経済発展を支える電力源としての水力発電という面から、ダムを重要な手段と位置づけてきた。ダムは農業や発電のために貯水や放水が繰り返され、それ以前の季節的な流量の変化は崩され、概して流水量が減る。ヨウスコウカワイルカはその索餌のためには周年的に豊富な流水量を必要としていたのである。

WWF (世界野生生物基金)とWRI(世界資源研究所)の共同で行われた2004年の研究では、長江は世界的にみても最たるダム密集流域とされた。既設の多数のダムに加え、計画中及び建設中の大規模ダムが46基にも及んでいるのである。また、この研究では同流域では増大した人口によって生態系は危機的状況を迎える可能性があり、鳥類やこのカワイルカの生息地は破壊されたとの結論に至っている。現在、この流域は陸生及び淡水魚の多様性はまだ高い水準にあり、淡水魚は322種が、両生類は169種が生息するとみられている。

中国農業部は2001年にヨウスコウカワイルカの保護策を作成しながら、資金不足で実施しなかった。しかし、最近、長江上流域における自然保護区における淡水魚の希少種の調査に取り組むことを発表した。これには長江の水文学的、環境的な調査も含まれている。

さらに、中国環境保護総局(SEPA)はアメリカのNGOであるネイチャー・コンサーバンシーと共同で中国の絶滅危惧種と生態系についての調査に取り組む。第一段階では長江上流域の生物多様性を調査して、それに基づき保護のための勧告と戦略を策定し、それを全国的に実施していくのが第二段階になる。SEPA はこのプロジェクトは自然資源保全と経済の持続的発展における政府の意思決定にも、役立つものと考えている。

中国では一般の人々のもつ、種の多様性保全への関心はまだまだ低い。メディアによれば、「ヨウスコウカワイルカの保護をするための最初の研究所である武漢水生生物研究所への寄付をしたのは2005年の1~5月の間にわずか5人であった」しかし、メディア、NGO、教育機関は、生物多様性の保全に向けての協働で、大きな可能性をもっている。



☆テキスト版
更新時間 :2004年05月09日13:04 (北京時間) 文字 +-

上海、「水中パンダ」の揚子江カワイルカ保護基地を建設

長江における揚子江カワイルカの生存環境は如何?大型水利工事は揚子江カワイルカの幼魚群にどのような影響を与えているのか?

先ごろ、揚子江カワイルカの生存環境及びその生物学的特性に関する八つの課題が、中国水産科学院の趙法箴院士がリードする専門家グループによって論証されたが、これによって上海市揚子江カワイルカ保護区を建設する業務が全面的に開始された。聞くところによれば、この揚子江カワイルカ資源に関する課題は1年以内に解答を見る計画である。

揚子江カワイルカは「水中パンダ」とも別称されており、古代棘皮魚類の後裔で、白亜紀―――恐竜時代の遺留物で、約1.4億年の進化史を有している。その一生の殆どを海中で過ごすが、成魚になり繁殖能力を持つと長江の河口に至り、川底を数千キロも遡って産卵繁殖する。幼魚は河流に沿って泳ぎ下り、翌年の5月~9月の間、長江河口の崇明東灘付近の水域で餌を捕って成長を待ち、同時に海に適応するための回遊活動を行う。

専門家は、「長江河口の崇明東灘付近の海域は、揚子江カワイルカの世代交代の中で唯一の魚群が集中し、定住時間がもっとも長く、それに群れが被害を受けやすい場所なので、ここに揚子江カワイルカ自然保護区を建設すれば、大幅に揚子江カワイルカ幼魚の生存率を向上させられる」と認識している。聞くところでは、大型水利工事の建設により、揚子江カワイルカの産卵場所が以前の16ヵ所から1ヵ所だけに減ってしまい、回遊距離も元来の 3000余kmから1800kmに短縮されてしまった。そのほか、漁労、水域汚染などの要素も揚子江カワイルカ資源の脅威となっている。去年7月、上海市は長江河口揚子江カワイルカ保護区設置を認可している。

聞くところによれば、今年の計画投資額は1500万元で、崇明東灘257平方㎞の水域に揚子江カワイルカの保護、繁殖放流、国際的開放型科学研究、市民科学普及教育、リラクゼーション観光の四大機能を一体化する保護基地を建設し、年末或いは来年初頭に国家級自然保護区の申請報告を行う見込みである。

上海は1988年には早くも崇明県裕安郷に「揚子江カワイルカ保護ステーション」を建設しており、1992年には再び崇明に「上海市揚子江カワイルカ緊急救助センター」を建設、去年年末までに、緊急救助、一時養殖、放流された揚子江カワイルカ幼魚数は4386匹に達している。

「チャイナネット」2004/05/09
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