西村まさと 

日本共産党釧路市議会議員

一人一人を大切にし、多様な声を市政に🌈

釧路公立大学事務組合議会 2023(令和5)年3月定例会 議事録

2023-10-31 18:18:17 | 釧路公立大学事務組合議会

釧路公立大学事務組合議会2023年(令和5年)3月定例会の議事録ができました。今議会も一般質問をしたのは私のみでしたので、質問と答弁の部分のみご紹介します。🧑‍🎓

尚この議会は、2023年3月24日に開催されました。釧路公立大学事務組合議会は、ホームページで議事録を公開していません。私の責任で書き起こし、見出し等を入れました。🏫

 

1回目の質問

1、予算案

議案第1号令和5年度釧路公立大学事務組合会計予算に係る質問から入らせてもらいます。

⑴初年度納付金
 今、高すぎる学費で多くの学生が苦しんでいます。そもそも日本の大学の学費は高すぎます。学費が高くて進学をあきらめる高校生もいます。文科省の調査によりますと、日本の大学の学費は、入学金を合わせた初年度で、国立大学では81万7800円、私立大学では117万6800円となっています。この点、議案第5号に基づいて計算すると、釧路公立大学では管外者は83万7800円になりますが、それ以外の経費もあるはずですので改めて初年度納付金についてお尋ねします。あわせていまの我が国の高すぎる学費について管理者はどう感じているのか、認識について答弁を求めます。

 

⑵ 入学金の目的と使途は
 2項目目の質問に移ります。令和5年度予算案歳入第2款使用料及び手数料の中に、入学料531万円が計上されています。私はこの入学金制度を疑問に感じています。我が国では、自分の経験からも、いわゆるすべり止めの大学にも合格発表日や入学手続きの前後の関係で、入学金を支払う必要があることがほとんどです。併願校の入学金は、絶対に浪人できないという場合、無駄になると分かっていても仕方なく支払うもので大きな経済的負担になっています。文科省の調査では入学金令和3年度は国立大学で28万2000円、私立大学では24万6000円と発表されています。この点も議案第5号で、釧路公立大学での入学金は管内24万2000円、管外30万2000円と記されています。この入学金の目的と、その使途は何なのかお示し下さい。

 

⑶ 食料支援ボランティア団体への支援
 3項目目の質問に移ります。コロナでアルバイトが減った学生のために全国で食料支援が行われています。釧路公立大学でも様々なボランティア団体が行っています。このボランティア団体も、企業や個人の善意の寄付だけでは限界があり、これ以上の継続は難しくなっているようです。本来なら行政がボランティア団体に助成金という形で支援をすべきです。この点釧路市議会12月定例会の一般質問で、釧路市が援助できないかただしたところ、総合政策部長は「市としてできる支援策の検討を進めてまいりたい」と答弁しました。否定はされなかったので、何らかの進展があるかと注視していましたが、3か月経過してもボランティア団体に対する支援策は実現していないのが現状です。このままでは埒があかないので、同じ質問をこの議会でさせてもらいます。食料支援をしているボランティア団体に、事務組合ないしは公立大学法人が補助する仕組みを創設していただきたいのですが、答弁を求めます。

 

⑷ 理事長の報酬・執務時間
 次に4項目目の質問に移ります。全国の公立大学法人では、副市長経験者が理事長になるケースが多くみられます。国立大学法人でも文科省の官僚が、大学の経営協議会に委員として再就職している事例がみられます。国民からみれば、法人化によって天下りポストを創っているのではと疑念がもたれています。副市長は市長の最側近の方でもあります。釧路公立大学でも副市長経験者の厚遇ポストにならないか、チェックが必要と考えます。そこで、お尋ねします。4月から新たに理事長というポストができるわけですが、役員報酬と月何日出勤で、1日何時間執務するのか、執務時間をお示し下さい。

 

2、学生支援

⑴令和4年度の退学者
 続いて2つ目のテーマ、学生支援の質問に移ります。今学生はコロナに加え、物価高騰で大変な生活を送っています。経済的理由による休学や、お金が底をついてまともに食事ができず体調を壊し、学生生活に支障が出かねない状況に追い込まれていますが、これは大学教育の低下につながるのではないでしょうか。私はこれまで釧路市議会で、釧路市が公立大学の学生を経済的に救う施策を求めてきました。当時の岡本総合政策部長は「釧路公立大学におきましては、今後も新型コロナウイルス感染拡大による学生への影響の把握に努めながら、学生への支援に適切に対応されるものと考えております」と答弁し、大学が学生支援を行うはずだという認識を示しているのです。経済的理由で学びをあきらめさせることはあってはならないと思います。そこでおうかがいします。令和4年度退学した学生は何人で、そのうち経済的理由によるものは何人だったのか、また授業料未納で除籍になった学生もいれば人数も含めお示し下さい。

 

⑵新たな学生支援策
 続いて2つ目の項目に移ります。頂いた3月定例会報告の11頁には、令和4年度に行った学生支援策が掲載されています。最近はコロナは落ち着てきたものの、物価高騰に学生は苦しめられています。釧路市も、「公立大学が学生支援に適切に対応されるもの」と議会答弁しているのです。そこでおうかがいしますが、令和5年度に経済的に困窮する学生に対する新たな支援策はどのようなものを考えているのかお示し下さい。

 

⑶ 100円学食を通年でできないか
 次に3つ目の項目に移ります。先ほども申し上げた3月定例会報告の11頁には、学生応援事業として、100円学食について記載されています。令和4年度は10月から12月の13日間、提供したとあります。予算が少ない中、同窓会の協力も得て、このような事業を行ったことは、大変評価します。しかし大学予算が18万程度では少なすぎます。この事業をわずか13日間で終わりにせず、もう少し長い期間、可能であれば通年で行っていただきたいと思います。大学予算を増やす必要があると思いますが、答弁をお願いします。

 

⑷ 給付型奨学金
 4つ目の項目に移ります。学費を捻出するために多くの学生が借金をし、ローンを抱えている実態があります。国は令和2年4月から就学支援制度を創設しました。給付型奨学金の支給対象になれば、入学料・授業料とも免除になりますが、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生が対象という厳しい条件のため、令和3年度の授業料全額免除の学生は、全学生の1割にも満たない状況とのことです。そこでお尋ねします。釧路公立大学の学生で、日本学生支援機構の給付型奨学金を受けている人は何人で、率にして何%でしょうか。答弁をお願いします。

 

⑸ 被災地出身学生への減免措置
 5つ目の項目に移ります。釧路市総合政策部都市経営課に令和5年度当初予算事業概要を資料請求しましたら、「被災地出身学生就学援助」という事業があることが分かりました。この事業は、東日本大震災により経済的に就学困難な状況に陥ることのないよう、公立大学が学生に対して行う授業料・入学料減免に関わる経費について、釧路市を通して国から交付税措置されるものです。しかし、釧路市都市経営課からは、令和4年度までは交付税措置が決定しているが、令和5年度以降の対応は未定と聞きました。令和5年度も被災学生に対して、授業料・入学金の減免は確実に行っていただけるのでしょうか。またその場合財源をどのように確保する予定なのかお示し下さい。

 

3、釧路市職員の処遇

⑴ 釧路市役所への復帰
 3つ目のテーマは釧路市職員の処遇に関するものです。現在公立大学事務局には釧路市職員が勤務しています。今後は法人に出向し、いずれは釧路市職員はいなくなるものと推察されます。そこでお尋ねします。現在釧路市の職員として働いている人は何人で、どのような形で市に戻っていくのでしょうか。完全に釧路市職員がいなくなってしまうのはいつなのかも含め、お示し下さい。

  

⑵ 会計年度任用職員の処遇
 最後の項目に移ります。会計年度任用職員制度が始まって3年が経ちました。いわゆる3年目公募問題が全国で起きています。つまり今働いている会計年度任用職員の方が今月でいったん雇い止めになり、継続を希望する人は再度の公募に応じなければならないため、大量の雇い止めが行われる見込みです。必要とされる職種に就いて、継続的に問題なく働いている人を一律に公募にかけることは大きな問題があると思っています。そこでお尋ねします。現在会計年度任用職員の人は何人いて、雇い止めになる人は何人いるのか、また今後継続して働く人はどのような身分として働くことになるのか、お示し下さい。

 1回目の質問は以上です。全部で小さい項目でいうと11項目あります。答弁よろしくお願いします。

 

○管理者蝦名大也君  西村員のご質問に ご答弁いたします。 私からは学費についてご答弁さ せていただきます。
 日本の大学の学費が高すぎるというご指摘であり ますが、どういった比較対象での中で高いというご 認識なのか、例えば国内において私立と国公立を比 較する、あるいはイギリスやアメリカなど海外にお いて比較することは当然必要であろうとは思います が、比較の基準を明確にしていただけるとありがた いと考えてございます。
 しかしながら、授業料や学費が支払えなくて大学 に行けないということは良くないと考えており、国 においても様々な制度 奨学金の仕組みや授業料の減免等の検討をしているということであります。

その上で、金額については、令和5年度の初年度 学生納付金は入学金、授業料、諸経費を合わせて総 額882,460円、 釧路管内からの入学生は総額 822,460円になっております。

 

○事務局長太田泰晶君  西村議員のご質問にお答 えいたします。 入学金の目的と使途でございます。

 入学金は学生が大学に入学し得る地位を取得する ための対価としての性質を有するものであり、大学 が合格した者を学生として受け入れるための事務手 続等に要する費用にも充てられるものであり、 他大 学とも同様の取り扱いとしております。

 続きまして、 食糧支援を行っているボランティア 団体に財政的支援はできないかというご質問でござ います。

 今年度、 本学学生に対し各種団体より11件の食 糧支援等を頂いており大変感謝をしているところで す。 食糧支援は各種団体のご厚意で実施されている と認識しており、 各種団体がご協力いただける可能 な範囲で実施して頂きたいと考えております。

 続きまして、 公立大学法人の役員報酬等につきま しては、 地方独立行政法人法第48条第2項の規定 により、 大学法人がその基準を定め、 設立団体に届 け出るとともに、公表しなければならないこととな っております。そのため、令和5年4月1日に大学法人が設立さ れ、 理事会において正式に決定された後、 届け出さ れるものと承知をしております。 また、 理事長は常 勤として勤務し、 大学法人の役員であるため勤務時 間の定めは無く、市町村の特別職と同様に、 24時 間 365日を通じてその職責を担って頂くことに なります。

 続きまして、令和4年度退学した学生数とそのう 経済的理由によるものは何人か、 また授業料未納 で除籍になった学生は何人だったかというご質問で ございます。令和4年度2月末現在で退学した学生は12人で、 経済的に厳しいとして申請があったものが1人とな っております。 また、 授業料未納で除籍になった学 生は1人となっております。

令和5年度経済的に困窮する新たな学生支援策は 何かあるのかというご質問でございます。これまで学生に対しては給付型奨学金制度を含めて、 制度の周知・相談などを行っております。 全般 的な学生支援策は法人において検討がなされると考 えております。

 100円学食の通年化でございます。令和4年度は、 後援会主体の100円学食を実施 したほか、コロナ禍における「食に対する支援」 と して、 日本学生支援機構の新型コロナウイルス感染 症対策助成金を活用し、例年より1回多く、2回の 100円学食を実施しております。 令和5年度にお きましても、法人化後、 後援会が主体となり、 5月 に100円学食を実施する予定と聞いております。

 日本学生支援機構の給付型受給学生の人数と率に ついてでございます。令和4年度末で給付型奨学金を受けている学生は 231人で、 学生に対する率では 17.3%となっ ております。

続きまして、 東日本大震災の被災地出身学生への 授業料 入学料減免措置は継続していくのかという ご質問でございます。令和5年度も、文部科学省より特別交付税措置の 継続の情報提供があったことから、 授業料 入学料 減免措置は、継続されるものと考えております。 大 学の地震対策連絡会議において、 国による震災減免 にかかる特別交付税措置が継続されるうちは、 実施 する方針が決定されております。

 続きまして、 釧路市職員の処遇というご質問でご ざいます。現在、釧路市から事務組合に派遣されている職員 定数は26名となっております。 令和5年度、 法人 化後に釧路市から事務組合及び大学法人への派遣人 数は、計26名と変更ありません。 そのうち、 事務 組合へは2名、 大学法人へは事務局長1名を含む職 員24名が派遣となる予定です。 なお、 事務組合へ その派遣については、継続して予定されております。 また、法人への派遣については、 法人職員採用が進 んだ後も、一定人数継続されるものと考えておりま すが、最終的には釧路市と大学法人との協議により 決定されるものと認識しております。

 現在の会計年度任用職員の処遇でございます。令和4年度現在、 常勤の会計年度任用職員は、保 健室、キャリアセンター、図書館などで計11名が 在職しております。 法人において決定することでは ありますが、 大学の機能確保の観点から、希望する 職員は雇用が継続されるものと考えております。

 

2回目の質問

 1-⑵ 入学金

 それでは1-⑵入学金、2-⑴退学者について、再質問します。

 議案第5号にもあるように入学金として24万2000ないしは30万2000円徴収しています。公立大学も含め我が国の大学で徴収される入学金は、合格者が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価として支払われるとされています。しかしこのような受益者負担の考え方は世界では通用しません。世界で入学金制度があるのは日本くらいです。この制度を速やかに廃止すべきでしょう。この度提案された中期目標には「地域と国際性を重視する建学の理念を尊重した教育を充実させる」とあります。国際性を重視する大学になるのであれば、学ぶ環境も国際的にしてほしいものです。例えばフランスの学費は年3万4000円、ドイツは7万8000円、スウェーデンは無料の上生活費は別途支給されています。高い学費を解消するためにも、まずは入学金は速やかに廃止をして、世界基準に近づけるべきと考えます。管理者は政治家でもありますので、わが国の入学金制度についてどのような認識でいられるのか答弁を求めます。

 

2-⑴退学者

 経済的理由で退学した学生がいたことを非常に残念に思います。中期目標の中には「学生一人ひとりの学力や学修段階に応じた支援体制を構築し、小規模大学のメリットを生かした、きめ細やかな学修支援を行う」とあります。日常的にきめ細やかな支援をしていれば、学費も払えないほど追い詰められていることは把握できるはずです。経済的理由による退学者がいたことは、はいそうですか、とはいかない問題です。釧路市教育委員会だって、誰一人取り残さないをキーワードにしています。授業料を払えなくて退学においこまれるのも自己責任というのでしょうか。水道料金がどうしても払えない人に給水停止はやってはならないのと同じで、授業料滞納による除籍処分はあってはならないですし、自主退学だって慎重な対応が必要です。学生を切り捨てることになりますし、出世払いにしてあげて学生を信じて快く社会に送ってあげることも公的な大学の役割と考えます。経済的な理由で退学者がでることは仕方がないというお考えなのか、管理者の認識をお尋ねします。

最後にこの場をお借りして、議案第2号公立大学法人釧路公立大学の設立に伴う条例の整備等に関する条例については反対しますので、態度表明をさせてもらいます。尚これは質問ではありませんので、答弁は不要です。

 議案第2号態度表明。本案は、先の釧路市議会で可決された「個人情報の保護に関する法律施行条例」を本事務組合の条例として準用するものである。釧路市のこの条例は、個人情報を本人から直接収集する規定はなく、また本人の同意なく利用提供できることから、現行の個人情報保護条例よりも後退する危険がある。個人情報を保護から活用する中身の条例である以上、準用は相応しくない。よって反対する。 

 尚、この後仮に議案第7号「釧路市条例を釧路公立大学事務組合条例として準用する条例の一部を改正する条例」が供されるのであれば、同じ趣旨の態度表明で反対とさせてもらうことを申し添えます。

以上で2回目の質問を終わります。2点について、ご答弁下さい。

 

〇管理者蝦名大也君  西村議員のご質問でござい ます。

学費についてご答弁させていただきます。
大学はどのような目的で行くのか、 例えば研究の レベルが高いから選ぶ、もしくは就職も踏まえてな ど、どこの大学に日本の子どもたちが行っているの かが大きなポイントと考えています。 学費が安いか らという話ではなく目的に合わせて選択していると 考えています。併せて、物価もヨーロッパは日本よ り高い訳でありまして、そうしたことも踏まえて、 日本の学費 特に国公立の学費が高いという比較は いかがなものかという答弁をさせていただいている ところでございます。

その上で、 学費の問題で大学進学をあきらめると いうことがないようにしなくてはいけないと思って いるところであります。 奨学金や授業料の減免等に より、 学生をしっかりと支えていくことが重要と考 えておりますし、国においてもさらに充実していく 動きはニュースで把握しており、しっかりと注目し てまいりたいと思っております。 私どもも学生課を 始めとして、 キャリアセンター、 教員も含め学生の 様々な状況を可能なかぎり支援、 制度に結び付けて いくことが重要と考えています。


○事務局長太田泰晶君  西村議員のご質問にお答 えいたします。

我が国の入学金についてどのような認識かという ご質問でございます。 国際的な入学金の状況として イギリス、アメリカでは制度はなく、 大韓民国では 制度を有していると認識してございます。

繰り返しの答弁となりますが、日本の入学金は、 学生が大学に入学し得る地位を取得するための対価 としての性質を有するものであり、 大学が合格した 者を学生として受け入れるための事務手続等に要す る費用としていただいているものであります。

入学金制度を含む高等教育全般の方向性について は、国においてしっかりと協議がされていくものと 考えております。

以上



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