2024年第2回釧路公立大学事務組合議会10月定例会が本日、開催されました。🏫
議案は次の3本出されました。
1、令和5年度決算認定の件
2、令和6年度補正予算
3、公平委員に梁瀬之弘氏(福司酒造㈱社長)を選任する件
いづれも賛成しました。
一般質問は私だけ行いました。
1回目の質問は次の通りです。
答弁と再質問は正式な議事録ができたら、掲載します。
1、釧路市議会との意見交換会で出された要望
釧路市議会は今年9月17日、釧路公立大学の学生さんと意見交換会を行いました。これは釧路市議会議会広報特別委員会が中心になって開催したもので、当日はこの議会の議員である板谷まさのり委員長ら市議13人、学生からは1年生38人が参加しました。市議会に関係する件だけではなく、学生生活に関することなど様々な意見がでたそうです。今日はその中から、学生からでた要望を中心に質問したいと思います。
(Q1 高い家賃)
まず家賃に関する要望があったそうです。文苑・芦野周辺の学生向けマンションは、比較的新しくまた1部屋の面積が都会に比べて広い造りになっていることから、地方の割には家賃が高いという意見がでたそうです。この点釧路公立大学のホームページのキャンパスライフの所には「大学周辺のアパートは比較的新しいところで一ヶ月40,000円前後ですが、これを中心として、設備や建築年数などの条件で、30,000円から45,000円前後程度の幅があります」と書いてあります。不動産会社のホームページで調べてみると、相場は概ねその通りでした。公立大の学生にとってはこれを高いと感じている人もいるようです。学生寮を持たない釧路公立大学にとっては、学生の家賃負担の軽減も考える必要があるのではないでしょうか。そこで、公立大周辺の賃貸住宅の家賃について、学生から高いという感想がでるような状態になっているのか、事務組合の認識をお尋ねします。
(Q2 不便な公共交通)
更に、この日の意見交換会については、釧路新聞でもとりあげられ、学生から「公共交通の便が悪い」という意見が出たと報じられました。1学年300人の定員で、釧路管内出身者は令和5年度45人でしたから、45人全員が釧路市の自宅から通学していると仮定しても圧倒的に大学周辺で暮らしている学生が多いはずです。多くは徒歩または自転車なので、公共交通で通う学生は少ないのではないかと思われます。公共交通を使うとすれば、授業がない日や授業終了後にアルバイトに行くときではないかと思われます。そこでお伺いしますが、通学でバスを利用している学生はどれくらいいると把握しているのでしょうか。また、公共交通を改善してほしいという意見が学生から出る背景にはどのような事情があると把握しているのか、事務組合の認識をお示し下さい。
2、学生支援
(Q1 釧路管内出身に対する入学料の無料化)
次に2つ目テーマである学生支援についての質問に移ります。まず、釧路管内出身者に対する入学料の無料化についてお尋ねします。現在釧路公立大学は、入学料として30万2000円徴収し、そのうち釧路管内出身者は6万円安くなっています。現在の日本の大学の授業料は高すぎますし、その上入学料はほとんどの国ではありません。先の釧路市議会予算決算常任委員会の市長総括質疑で、私は釧路市の運営費負担金を増やして市内出身者の入学料の無料化ができないか質問しました。釧路市長としてのお立場では「公立大学の運営に関することは、法人内の経営審議会において検討すべきこと」という答弁にとどまりました。では経営審議会では入学料についてはどのように議論されているのでしょうか。以前もこの内容の質問をこの議会で質問したことがありますが、入学料は大学運営において必要な支出にあてているので、なくすことはできないという趣旨の答弁でした。つまり、入学料無料化するとその分法人の収入が減る仕組みになっているのではないかと思われます。各自治体とりわけ釧路市の運営費負担金を増やして、法人の減収にはならない仕組みが必要と考えます。釧路市総合政策部都市経営課は、公立大学が過去の実績などを基に積算した金額に応じて釧路市負担金を支出していると先の議会で示しました。公立大学法人の方から、管内出身者に対する入学料の無料化制度を実施したいので、各自治体の負担金を増やしてもらえないかと交渉すべきと考えますが、経営審議会ではどのような認識と聞いているのか答弁をお願いします。
(Q2 今後の授業料)
次に、今後の授業料についてお聞きします。東京大学では、本年9月24日、授業料を年約11万円引き上げることを決定しました。それを受けて2日後の26日、東大の大学内で、抗議の緊急アクションが行われました。東大の学生、教職員をはじめ、全国の大学生も参加し「全大学生にかかわる問題」だとして、学生の自治を取り戻すために話し合いもしたそうです。私は今回の東大の学費値上げが全国の大学に普及することを危惧しています。東大の学費値上げの背景には、法人化後、国が運営費交付金を削減したことがあります。釧路公立大学においても国と自治体の負担金は、令和3年度は約4億円あったものが、令和5年度は3億8000万円に減っています。現在の授業料53万5800円という金額は国立大学と同額にしているものです。しかし大学の判断によって、その金額を引き上げた前例ができたことにより、全国の国公立大学の学生が不安を覚えるのは当然だと思います。そこでお尋ねしますが、釧路公立大学において、大学独自で授業料の引き上げは今後も行うべきではないと考えますが、法人から聞き取った見解をお示し下さい。
(Q3 法人独自の給付型奨学金制度)
次に法人独自の給付型奨学金制度についてお尋ねします。現在釧路公立大学独自の給付型奨学金として、「釧路しんきん地域人材育成奨学金」があります。しかしこれは釧路信金さんの厚意によるものであるため、3年次に3名、10万円ずつ支給するもので、対象者は限られています。国にも給付型奨学金制度がありますが、これも所得要件などが厳しくてわずか数パーセントの学生しか受給していません。日本学生支援機構の給付型奨学金制度の対象とならない学生に対する支援が必要ではないでしょうか。奨学金制度が充実していることも、学生から選ばれる大学につながるのではないでしょうか。具体的には世帯収入約460万円を超えると給付型奨学金が受給できなくなるので、その階層を中心とした制度設計を求めます。ちなみに決算資料を拝見すると、教育振興基金に約11億円、財政調整基金は約9億円、令和5年度の法人の当期総利益は12億円もあります。これらを活用すればできないことはないはずです。そこで法人独自の給付型奨学金制度の創設についてはどのように考えているのか法人の認識をお示し下さい。
(Q4 釧路管内に就職した場合の祝い金制度)
続いて釧路管内に就職した場合の祝い金制度について質問します。公立大卒業時に、就職先として釧路管内の企業に就職を促す仕組みも大切だと思います。釧路市には、協力企業に新規採用された場合に、奨学金返済支援制度があり、最大120万円補助する制度があります。これも重要な制度だと思いますが、奨学金を借りていなければメリットがありません。釧路公立大生が釧路管内の会社に就職した場合、就職祝い金を支給する制度があると、学生支援にもなりますし、人口減対策にも寄与するものと考えます。公立大生を卒業後も釧路管内につなぎとめる施策が必要ではないでしょうか。そこで、管内企業に就職を決めた学生に法人または事務組合が就職祝い金を支給することを提案しますが、お考えをお聞かせください。
(Q5 「多子世帯の大学等無償化制度」の対象拡大制度
最後に「多子世帯の大学等の無償化制度」の対象拡大について質問します。国は令和7年度から新たな大学授業料・入学料の無償化を始めようとしています。これは所得制限なしで授業料は70万円、入学料は26万円を上限に無償化するもので、現行よりは前進です。しかし既にこの制度に対する不備も指摘されています。それは多子世帯、つまり子どもが3人以上いる世帯に限定されている点です。「子どもを3人以上産まないと支援しないというのは少子化対策にもならない」と国会でも議論されています。3人兄弟というのは今では少なくなっていますし、例え子どもが3人いても上の子が社会人になって扶養から外れると無償化の対象外になってしまいます。兄弟の年の差が離れると長い期間に渡って教育費がかかりますが、そのような世帯に支援が薄くなってしまいます。社会人になったばかりでは給料も安くてとても弟妹を支援する余裕はありません。
そこでお尋ねしますが、来年度から国が始めようとしている「多子世帯の大学等無償化制度」の対象から漏れる世帯に対して、大学独自の対象拡大制度を創設するよう求めますが、見解をお示し下さい。
1回目の質問は以上です。
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