釧路市議会2023年12月定例会2日目の今日(12月7日)、私は一般質問を行いました。
一回目の質問は以下の通りです。
答弁と再質問は正式な議事録ができ次第、このブログに掲載します。
傍聴にお越しいただいた皆さん、ありがとうございました。🙇♂️
釧路市役所本庁舎正面玄関
(Q1) 暖房費助成制度
最初のテーマは「暖房費助成制度」についてです。今、食料品、電気、ガスそれに原油価格などの異常な高騰が市民の暮らしを直撃しています。特に、年金生活の高齢者や障がい者、ひとり親世帯などの所得の低い世帯にとっては、深刻な打撃となっています。とりわけ寒冷地では、暖房に灯油を使っている人が多く、1リッター120円以上する灯油代に苦しんでいます。灯油代が1か月4万円以上するお宅も珍しくはありません。
そのような中、北海道民医連、民主医療機関連合会は、「冬季高齢者生活実態調査」を行っています。今年1月の調査では、灯油高騰により「暖房費を節約している」と答えた人が86%にのぼったそうです。高齢者の方々から「灯油等の料金が上がり生活が苦しくなってきている。物価高を何とかしてほしい」「厚着をしてなるべくストーブは使わないようにしている」「議員や市に現状を伝えても中々動いてくれない」といった切実な声が寄せられたそうです。このような悲鳴のような声に耳を傾けるのが行政の役割ではないでしょうか。
この調査では、室温18度以下で生活している人が25%を占めたそうです。18度以下の室温では健康状態に悪影響を与えることが、WHOなどでも指摘されています。高齢者の方が心疾患などにかからないよう、健康に過ごせる環境づくりも行政の仕事ではないでしょうか。
おととしは、釧路市でも「原油価格高騰対策助成金」が支給され、市民から歓迎されました。しかし昨年は国の給付金があったものの、市独自の助成はありませんでした。もっと前までは釧路市にもぬくもり助成金という補助制度がありましたが、行革の影響で廃止された状態になっています。しかし道内では、自治体の施策として、福祉灯油などの暖房費助成をしているところが少なくはありません。「灯油が高くて大変だ。灯油購入に補助金を出してほしい」という市民の願いはもっともです。昨今のような灯油代や電気代が高騰している状況にあっては、最優先で取り組むべき課題であります。そこでお尋ねしますが、物価高騰で十分な暖房が取れなくて困っている市民がいる中、どのような対策を考えているのか、市のエネルギー助成制度に関する考え方について答弁を求めます。
(Q2 沼尻会館の存続)
続いて、2つ目のテーマ、沼尻会館の存続についての質問に移ります。沼尻会館については、指定管理者が決まらなかったため今年度末をもって休館する方針であることが示されています。この地域の地区会館は沼尻会館しかなく、休館されると少なくない市民の生活に影響を与えます。釧路市も存続に向けて、地元町内会や運営協議会などと調整を続けてきたようですが、結果として休館になってしまうことは、非常に残念に思います。運営協議会がどうして指定管理者に応募しないという苦渋の選択をしたのかよく考えて頂きたかったと思います。休館後は、代替施設として春採生活館を考えているようですが、飲食ができないことからこれまで通りの町内会の懇親会ができるのか心配する声が出てきます。また距離的にも離れ坂道になっていることから、車を持たない高齢者にとっては行くのがおっくうになるのではと心配されます。
そもそも運営協議会が業務を行えなくなくなったら、地区会館を休館するというやり方はいかがなものでしょうか。沼尻会館運営協議会だって、お金と人の問題が解決されれば、運営を続けたかったはずです。地区会館の役割が無くなったから辞めたいというのではなく、辞めざるを得ない状態に陥ってしまったといえます。運営協議会が、高齢化など様々な事情で地区会館の運営が困難になった場合は、市の責任で運営を継続するのが本来の姿ではないでしょうか。指定管理者が撤退すると施設そのものを廃止するというのが今の市政の流れになっていますが、いったん立ち止まって公共サービスの民営化についてはよく考えなければいけない時期に来ているのではないかと思います。少なくても、官から民へ、民から廃止へという流れは、行政サービスを受ける権利を保障するという観点から、問題だと思います。市内には似たような問題を抱える地区会館がいくつかあると思われます。次は自分の使っている地区会館が廃止されるのではと不安に思っている方もいらっしゃいます。運営協議会が地区会館の運営ができなくなった場合、市が直営で運営することも1つの方法だと思います。地元の市民の方からは、この施設を残してほしいという要望も出ています。運営協議会からは次期の応募は断られ、公募をしても応募した企業などは全くないという結果になった以上、市の責任で施設を続けて頂きたいと思います。
そこでお伺いしますが、沼尻会館の今後の存続の見通しについてはどのように考えているのかお示し下さい。今後も運営協議会が高齢化などによって運営できない状態になり、公募をしても応募がない地区会館は休館することの前例になるのかも含め答弁をお願いいたします。
(Q3 インフルエンザ予防接種の助成)
続いて3つ目のテーマ、インフルエンザ予防接種の助成に関する質問に移ります。今年はインフルエンザの感染者が増加傾向にあると言われています。コロナよりもインフルエンザの患者が増える傾向にあるようですので、その対策が求められます。特に子どもがインフルエンザにかかると重症化リスクが高いといわれています。子どもは学校で集団生活をしていますので、換気や手洗いなどは大切ですが、効果的なのは予防接種です。予防接種は任意ですが、希望する人には気軽に打てられる環境を作り、流行をできるだけ防ぐことも行政の役割ではないでしょうか。
釧路市でも、65歳以上の方、60歳から65歳未満で身体障がい者手帳1級程度の方、それに中学3年生と高校3年生相当の方にインフルエンザ予防接種にかかる助成制度があります。助成制度があることで少しでも経済的負担の軽減につながり、気軽に打てる環境作りにつながっているものと思います。しかし重症化リスクが高いといわれている子どもへの助成が不十分ではないでしょうか。
お子さんを複数育てている保護者の方から「小学生はインフルエンザワクチンを2回接種しなければならず、それが複数人になると経済的負担が大きい」という相談を受けたことがあります。インフルエンザの予防接種には1回3000円から5000円程度かかりますので、保護者の方のご指摘はもっともだと思います。中学3年生と高校3年生は受験を控えた大事な時期なので、助成制度を設けたという理由は理解できます。しかし子どもの間での流行を防ぐという観点に立てば、この学年だけ助成するというのでは対象が狭いのではないでしょうか。
例えば東京23区などでは、ほとんど全ての区で子どもの予防接種費用への助成制度があります。北海道でも白糠町、別海町、えりも町、遠軽町、新篠津村などで行っています。更に豊富町では子どもと高齢者のみならず全町民対象に助成制度があります。町村中心ですが、子どもの予防接種費用を助成する自治体はあります。自治体の医療費増加を防いだり、医療崩壊を防ぐうえでも予防接種は重要だと思います。
そこでお伺いしますが、釧路市でも18歳の年度末までの全ての子どもを対象とするインフルエンザ予防接種費用を無料化または助成する制度を検討していただきたいと思いますが、見解をお示し下さい。
(Q4 二酸化炭素削減対策)
最後の質問は二酸化炭素削減対策についてです。国連は2030年までに大気中の温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質0にできないと、世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べて1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにしました。日本やここ釧路市でも気候危機による影響を受けています。自治体は省エネルギーと再生可能エネルギーを推進するあらゆる手立てをとらなければならないことは言うまでもありません。
道内の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合がここの所伸び、2022年11月から2023年10月までの直近1年間では38%と、政府が掲げる2030年までの目標に既に到達したことが明らかになりました。しかしこれは道内の数値であり、全国平均にすると21.7%でデンマークやドイツなどと比べると依然として低い状態です。道内は国の目標に到達したからと安心せず、超過達成することは決して悪いことではありませんので、更に再エネを押し進めるべきと考えます。
寒冷地では特に、冬の暖房によって二酸化炭素が出ますが、暖房を使わない訳にはいきませんので、高効率の暖房機器を普及させることが、対策の1つとして考えられます。この点札幌市では、家庭の暖房や給湯器を灯油から寒冷地仕様のエアコンなどの省エネ機器に切り替える費用を補助する制度を始めました。正式名称は「省エネ機器エネルギー源転換補助金」という制度です。中身は切り替え費用の2分の1を補助、上限は35万から45万円、予算総額は2250万円とのことです。灯油を使った暖房や給湯を減らして、電気やガスに切り替えることを促すことによって、二酸化炭素排出量の削減を目指すもので、参考になる取り組みと思います。釧路市においても省エネ暖房に対する補助制度が必要と考えます。
もう1つ札幌市では、主に企業やマンション管理組合などが太陽光発電を導入しやすくなるよう、補助金制度を始めました。正式名称は「自家消費型太陽光発電設備導入補助金」という制度です。中身は、発電量の50%以上を自家消費する太陽光発電設備の設置時に出力1キロワット当たり5万円を補助し、上限は245万円、予算総額は3230万円とのことです。
このように札幌市では、家庭用には省エネ暖房を、企業用には太陽光発電を補助金を支給する形で促しているのです。札幌市のような人口規模でこのような施策を行ったことは大変重要と考えます。釧路市でもecoライフ促進支援補助金制度があり、個人家庭に太陽光発電の設置を促進していますが、札幌市が始めたこの2つの事例を参考にする必要があるのではないでしょうか。
そこでお尋ねしますが、札幌市の省エネ機器エネルギー源転換補助金と自家消費型太陽光発電設備導入補助金を参考にして、二酸化炭素を削減するために、新たな補助金制度を研究していただきたいのですが、見解をお示し下さい。1回目の質問は以上です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます