釧路公立大学は事務組合議会を有していて、一種の自治体となっています。
私は2021年度より、この議会の議員を務めています。
定例会は毎年10月と翌3月に1日の会期で開催されています。
しかし議事録はインターネット上では公開されていません。
そこで、議事録を入手して私の質問と答弁を順次このブログで公開することにしました。🆙
公立大学法人化前後の議会ですので、同様の問題をかかえている他都市の参考になれば幸いです。
まず今回は2021(令和3)年10月29日の私の質問と答弁です。
テーマ 釧路公立大学の法人化
Q1 教員の意思確認
今議会の報告事項として「釧路公立大学の法人化について」がありましたので、それについて、お尋ねします。この件に関しましては、令和3年3月議会でも、工藤正志議員が質問し、蝦名管理者からは「令和2年9月30日に教員37名中35名が出席し説明会を行ったこと、また令和2年11月4日にも37名中23名が出席し説明会を行い、法人化の方向性については理解されたもの」という認識を示されました。
教員38名という小さな大学だけに、法人化反対という目に見える形での運動が起きていないことも承知しています。しかし、法人化は公務員という身分が失われること、非正規教職員が増える恐れがあること、大学経営に寄与しない研究がしづらくなる可能性があること、理系と違い文系では企業と連携した研究がそもそも少ないこと、学生にとっては授業料の増加につながりかねないこと、など不安に思う方がいても不思議ではありません。
ちなみに釧路市では行財政改革の一環として定員管理計画が発表され、職員数が削減され続けています。釧路公立大学の職員は釧路市から派遣されている方々で、法人化後は釧路市職員の方は段階的にいなくなります。ですから行財政改革の一環として法人化が検討されているのではと心配されます。
そこでお聞きしますが、丁寧な説明会は今後も続けていただき、最終的には教員全員の投票で賛否を諮るなど、民主的に決めていただきたいと思います。憲法の定める学問の自由の中には、大学の自治権が含まれています。前議会の蝦名管理者の答弁だけでは、説明会で意見は言わなかったけれども内心は反対だと思っている教員がいたのかどうかまではわからず、法人化は果たして教員の総意なのかは疑問です。教員による投票とかアンケートを行うなどして、当事者である大学教員の意思をはっきりと確認していただきたいと思います。管理者側が大学の自治権を侵害しないよう十分慎重に行うべき課題と思いますが、事務組合はどう考えますか。1回目の質問は以上です。
答弁
〇管理者 蝦名大也
この、独立行政法人化に向けてのことであります。まさしく今、ご質問の中にもございました、民主的に決めてでございますが、まさに民主主義というのはしっかりとした手順に従って行っていくことと、このように認識しているところでございまして、こういった意味で行きますと、ご質問にもございました、私ども、昨年度に二度ですね、今年度も一度でございますけど、教員の皆さまへ説明をし、出席できない先生方にはその資料をしっかりお渡ししていきながら、進めているところでございまして、こういったしっかりとした手順、丁寧な説明を行っているものでございまして、そういった中でご理解を頂いたものとこのように考えているところでございます。
そして今後も、法人化の具体的な内容、これを検討する会議体にですね、学長、学部長などの複数の教員にご参加頂きながらですね、ご意見を頂きながらしっかり進めて参りたいというふうに考えております。
再質問
Q2 経営力の強化
先ほどの報告事項では、法人化によって期待される効果の1つに「経営力の強化」を強調されていらっしゃいました。また本年3月議会の工藤議員の質問に、当時の中山事務局長も「今後も本学を発展させていくためには、法人化によって経営力を強化していくことこそが大切であると考えております」と答弁されています。そこで法人化と経営力強化の関係について質問させてもらいます。
令和2年度決算書によりますと、釧路公立大学の収入は授業料で5.6億円、入学金等で1.2億円合わせて6.8億円となっており、これに対して釧路市のからの負担金は3億円です。このバランスが、法人化後も維持できるのかが、更に発展させて入学金という制度はなくす方向に持っていけるかが焦点になると思います。ちなみに令和2年度の事業収入はわずか145万円に過ぎませんので、企業・団体と共同研究して稼げといわれても、実績からすると無理な話です。そうなると経営力を強化するということは、何の収入を増やそうとしているのか疑問に残ります。担当課に事前に聞いたところ、法人化しても独立採算制は取らない、釧路市の負担金3億円は今後とも維持してもらえると説明を受けました。しかし法人化により学生にとっては授業料が上がるとか、教職員にとっては人件費の削減につながるのではないかという危惧は抱いてしまいます。稼げる大学にはそう簡単にはなれないはずです。事務局長が説明された経営力の強化とは具体的は何を指しているのか、そしてそれは実現できると断言できるものなのかお示しいただきたいと思います。以上で質問を終わります。
〇管理者 蝦名大也
ま、あの、経営力という部分の中で、個別にこれとこれとこれというかそういった経営力という意味合いでのご質問になる訳でございますけれども、若干私どもの説明の方が足りないのか、財務という観点の中の経営力ということもございます。
しかしその経営力を高めていくということは、私どもは経営力や組織力、こういった組織体を高めていくということは、釧路公立大学として、魅力ある大学になる、多くの学生がここに入学してここで学んでいこう、受けていこう、こういったところを目標として、そこに向けて経営力と組織力、つまりそういった意味の中のですね、財務という力とこういったものを高めていくということでございまして、その中の何か一つがここのところという、このような形での言葉遣いはさせて頂いたものでございませんもので、この点ぜひご理解を頂きたいと思うところであります。
その中で、先ほどご説明をさせて頂きました、この法人後、理事長、学長を中心としたですね、大学経営の自主性が高まってくる、法人内に経営と教育に責任を持つですね、2つの審議機関、こういったものが設置される、ということでこのトータルマネジメント体制、こういったものを整うということで、経営力の中に繋がってくるものとこのように考えているものでございます。
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