西村まさと 

日本共産党釧路市議会議員

一人一人を大切にし、多様な声を市政に🌈

釧路公立大学事務組合議会 2023年10月定例会 開催

2023-10-11 15:32:27 | 市政

釧路公立大学事務組合議会の2023年10月定例会が、本日(10月11日)開催されました。

2023年4月1日に公立大学法人に組織変更して初めての定例会。一般質問質問したのは、私だけでした。😃

以下質問を掲載します。

管理者、事務長の答弁は正式な議事録ができてから、このブログに載せます。

 

質問内容

(Q1 議案第9号 令和4年度釧路公立大学事務組合会計決算認定の件)

 まず初めに、議案第9号令和4年度釧路公立大学事務組合会計決算認定の件についてお尋ねします。令和4年度の事業で最も特徴的だったことは、令和5年4月1日に公立大学法人を設立させることでした。決算書を拝見しても、歳出第2款教育費の中に、公立大学法人化事業費として6300万円も支出されています。事前に伺ったところ、このうちのおよそ4000万円をパステムソルーションズ株式会社にシステム導入費として支払ったものであります。

 私は公立大学法人に移行することは、公的責任が弱められる恐れがあるとして令和4年度予算審議の時は反対しました。具体的に言いますと、法人化になると中期目標を策定しなければならず、その中期目標には何を書かなければならないか法律で決められ、文科省も大綱を示して、見本例のようにこのような内容にすべきと押しつけています。例えば中期目標「第4財務内容の改善に関する目標」の中には「受験料、入学料及び授業料等の安定財源の確保に努める」とあります。これでは、大学の入学料や授業料を無料化にという運動に水をさすことになるのではないでしょうか。それだけではなく「資産を効果的・効率的に運用するため、健全かつ適切な資産運用管理を行うための体制を整備する」とあり、法人のお金を積極的に資産運用するという内容まであります。決算資料を拝見すると基金は、現金で11億、有価証券で13億とありますが、この有価証券といっても株とかファンドではなく国債や北海道債など極めてリスクのないものです。これらを今後運用するというのは、大学経営にはなじまないものと思います。現状の基金の預け方とはかけ離れ、文科省の間接的な介入の一例のように思われます。更に中期目標「第2教育研究等の質の向上に関する目標」の中には「質の高い研究成果を得るため、研究支援体制の充実・強化を行い、外部資金の獲得も積極的に進める」とあり、よそから一生懸命稼ぐことまで掲げています。さらに中期目標「第3業務改善及び効率化に関する目標」の中には「事務組織、事務手続き等を見直し、事務の適切な配分を検討し可能な限り効率化・合理化に努め」とあります。大学運営に関わる事務費は、固定的な費用が大半で法人化してもほとんど変わりません。大きく変えることができるのは人件費しかありません。正規を非正規に置き換えるのではないか、あるいは今後法人に採用される職員は釧路市役所の給料体系と比べて大きく引き下げられる危険性があります。このような事例から、今後大学がまるで企業体のように変わってしまうことが大変危惧されます。

 そこで管理者にお伺いしますが、法人化によって、学生にとって入学金・授業料の負担軽減に役立つのか、先生方にとってお金にならない研究をすることで肩身の狭い思いをさせることはないのか、事務職員にとって公務員のような安定した労働条件で働けるのか、改めて不安を払拭できる答弁を求めます。

 

(Q2 入学料・授業料の減免)

 次に入学金・授業料の減免についての質問に移ります。コロナが第5類に移り、学生のアルバイトも元の状態に戻ってきたかと思われましたが、次は物価高騰で、相変わらず学生の生活は大変です。そのような中、釧路公立大学では入学料およそ30万円、別途授業料その他で初年度は58万円程度かかります。本来であれば国の責任で入学料は無料に、授業料についてはせめて半額程度に引き下げるべきと思います。 
 釧路公立大学でも入学料・授業料減免制度がありますが、これは日本学生支援機構の基準を援用しているだけで、法人独自の基準とはいえないものです。つまり住民税非課税世帯が中心で、年収が高くなるにつれ減免額が減り、460万円を超えると全く受けられなくなります。これでは大学生の子を持つ親の立場からすると、厳しい要件なのではないでしょうか。国税庁が発表した令和3年度の正社員男性の平均年収は567万円といわれていますから、それから比べても低い収入で線引きされていると思います。
 ちなみに、令和4年度決算ではおよそ8000万円黒字で、財政調整基金も増加して10億円に達しています。法人独自の施策として、国・学生支援機構の基準よりも対象者の広い入学料・授業料の減免制度の創設をするよう、事務組合から法人に要請をしていただきたいと思いますが見解をお伺いします。

 

(Q3 奨学金)

 次に奨学金に関する質問に移ります。今、奨学金を借りると平均的なケースで卒業後に300万円程度の借金を背負う形になります。多額の借金を恐れて借りたくても我慢をしている学生も多くいます。

日本学生支援機構には給付型の奨学金制度があります。これは対象を絞り込んでいて、生活がかなり厳しい家庭の学生しか受けられません。もっと所得基準を緩やかにして、返済不要の奨学金の枠を広げる必要があると思います。 
 給付型奨学金制度の拡充は、本来国がやるべきことだと思います。しかしなかなか進んでいないのが実情です。そこを補うのが公的な大学の役割ではないでしょうか。大学独自の返済不要の奨学金制度があることも、学生に選ばれる魅力ある大学につながるのではないでしょうか。例えば北見工業大学では、年間およそ53万円、月にするとおよそ4万4000円の給付型奨学金を10人に支給する制度を行っています。
 釧路公立大学においても、大学独自の給付型奨学金制度を創設するよう、事務組合からも働きかけてほしいと要望しますが、見解をお答えください。

 

(Q4 会計年度任用職制度)

 続いて、会計年度任用職員について質問します。令和4年度における会計年度任用職員は、13人でそのうち9人が年収250万円未満で働いていることを事前にお伺いしました。またフルタイムで働いている方が1人いて、最も給料が高い階層は年収300万円以上350万円未満だったそうなので、フルタイムで働いている人であっても、年収300万円台前半と推測されます。
 また具体的な給料水準をお聞きしたところ、月給14万5048円で、これをそれぞれの労働時間で割り返してパートタイムの時給を算出しているそうです。しかしこの金額は一般的な地方公務員の初任給かそれにも満たないもので、果たして妥当な金額か疑問に思います。
 今、全労連・全国労働組合総連合などは全国一律で時給1500円を要求しています。現行の労働時間である1日7.45時間、月21日働くとすれば23万4000円程度となり、税金控除前の金額としては、妥当な数字だと思います。
 そこでお伺いしますが、釧路公立大学の会計年度任用職員の方々は、時給で換算するといくらで働いているのかお答え下さい。それから今後はフルタイム・パートタイムとも時給換算すると1500円以上になる給料体系に変更していただきたいと思います。法人に対して事務組合から是正を求めていただきたいのですが、見解をお聞きします。

 1回目の質問は以上です。

 

再質問

 2番入学料・授業料と4番会計年度任用職員制度については再質問させてもらいます。

(Q2 入学料・授業料の減免)

 入学料・授業料の減免制度について再質問します。法人化した大きな理由の1つは、学生に選ばれる魅力ある大学になることです。しかし、少子化が進行してる中、今のままでは地方の単科大学は先細りしていくことが心配されます。入学料・授業料が他より安いというだけでは、魅力ある大学にならないということなのでしょうか。管理者が必要な施策と判断し、学生や親の負担を軽減することで、釧路公立大学の魅力をアップしそれを発信すれば、入学希望者を増やすきっかけになるはずです 
 令和4年決算を拝見すると、入学料の内訳の中で、釧路管内出身者が47人入学し、計970万円の入学料を徴収していることになっています。釧路管内出身者の入学料は、24万2000円で、6万円安くはしていますが、それだけではなく、管内出身者の入学料はせめて無料にできないものでしょうか。管理者は釧路市長でもありますので、釧路市負担金を増やしてでも、管内出身者の入学料を免除するという政治決断はできる立場であると思われます。
 そこでお伺いしますが、授業料、とりわけ入学料の減免制度をより一層手厚くし、経済的負担を少なくして魅力ある大学にするという考えについてはどのような見解をお持ちなのかお伺いします。

 

(Q4 会計年度任用職制度)

 次に、会計年度任用職員制度の再質問に移ります。法人になっても、会計年度任用職員の給料は釧路市役所の基準を下回らないことは当然のことだと思います。今北海道の最低賃金は960円です。これではまともに暮らせないというのが働く人の実感です。公立大学の会計年度任用職員は時給1164円とのことですが、それでも暮らしは楽ではありません。決算では8000万円の黒字、また職員給与費は1億4000万円が不用額となっているなど、会計年度任用職員の給料を引き上げための財源は十分あります。法人が独立採算を強調するあまり、人件費を抑制するようなことがないのか、チェックするのが事務組合の役割と考えます。
 そこでお伺いしますが、会計年度任用職員の処遇改善のために事務組合はどのようなことをするのでしょうか。今後法人の正規職員になるには、必ずしも公務員試験に合格することは要件ではないと思われます。希望する会計年度任用職員は、積極的に法人の正規職員に移行すべきと考えますが、見解をお尋ねします。以上2点について再答弁を求めます。

 尚、先ほど議案第9号令和4年度釧路公立大学事務組合会計決算認定の件でご答弁いただきました。残念ながら答弁を聞いても、法人化事業費に関しては納得できない点があり、この議案については不認定とさせてもらいます。この場をお借りして態度表明をさせてもらいます。この件の再答弁は不要です。

 歳出第2款教育費の中に公立大学法人化事業費としておよそ6300万円支出しているが、法人化すると経営面での独立性が強調され、公立大学としての公的責任が後退する恐れがある。結果として学生の経済的負担の軽減が遠のき、教職員の賃金・労働条件が後退することにつながりかねない。よって不認定とする。

 以上で質問を終わります。

 



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