西山よしおからのメッセージ

愛知県津島市、市議会議員としてこの地域の将来を考え、皆さんの意見を取り入れ、還元できる方法を提言できる場にいたします。 

視察報告、市立宇和島病院

2011-01-18 10:57:03 | Weblog
昨年末、視察いたしました「市立宇和島病院」の報告を紹介します。
詳しくは、当方に問い合わせください。

市立宇和島病院、行政視察
視察項目
自治体病院の使命と役割
<新宇和島市、人口9万2千人。地域の医療機関の中核として医療水準の向上に資する総合病院。一般病床数426床、結核・感染症9床。一般開業医が満たすことのできない質的水準の医療、より高度な機器・設備を整えうる病院>を目指して

院内体制の確立、医療環境整備
Ⅰ、病院経営の健全化について
平成20年10月15日、新病院本館開院(地下1階、地上8階、一部10階)
病床数一般426床、結核5床、感染4床の計435床、診療科目28科、
21年11月1日、創立100周年
四国西南地域唯一の総合病院、災害拠点病院として、地域の医療に取り組む。
ハード・ソフトの両面で新たな経営形態を確立、(昨今の公立病院を取り巻く医療行政で経営を厳しく、財政基盤の弱い地方都市で公立病院を運営することは容易ではない。)
地域で完結する医療を目指して病病連携・病診連携を進める。

Ⅱ、経営目標・課題
*経営分析は別紙参照(津島市民病院との比較ほか)、以下共通する課題について学ぶ。
*収入の確保
収入増加策の推進
診療報酬の確実な取得
*医師と看護師の充足度・定着化
勤務体制(当直等)、医師・看護師の事務処理はじめ協働・負担軽減、研修医指導医の充実、人材の確保、魅力ある職場の実現
*行政の効率と市民サービスの充実・質の向上
経営体制の強化、職員の経営参画・意識の醸成
ワーキンググループによる積極的な取り組み
*地域連携の強化
*病院PRの充実
*薬品費・材料費・委託費・その他の経費等、支出の削減
*特色ある医療の提供
平成17年8月1日、1市3町の合併に伴う新市の病院の在り方
この5年間の流れについて、「広域的な医療の取り組み」については以下の通り、合併効果は非常に大きいものがある。

(1)、宇和島医療圏域における地域医療連携の取り組み
平成20年10月の新病院開院に当たり病診連携室を「地域連携室」改正。
地域医療機関からの患者紹介、検査依頼や診療情報が適正・迅速に報告されているか
等の点検、他、圏域の行政機関や医療機関との連絡を行う事によって、各病院の現状や空き病床数等を把握している。平成15年の紹介患者数は516人であったのが、平成21年の実績は5倍近く、2515人。
平成20年度より、3カ年計画で愛媛県保健所が主体となり「ひとりの患者を地域で支える」ことを目標として、宇和島地域医療・保健・福祉連携推進事業(医師連携推進班・看護連携推進班・地域連携推進班)を実施、市内にとどまらない広域連携を推進。
医療機関ごとにバラバラであった転院に係る情報提供書を、転院患者情報提供書として連携医療機関に提案し、統一様式を作成、病院間を縦横に結ぶツールとして稼働中。

(2)、脳卒中患者における地域連携クリティカルパスの整備
愛媛県保健所の主導によって、脳卒中患者における地域連携クリティカルパスの基盤整備が行われている。連携パスにのっとり、回復期(リハビリを目的とした)病院までスムーズに移れるよう基盤を整備するもの。もとより、個々の患者の病態に即した転院や在宅退院における後方連携は以前よりおこなっているが、地域で統一したパスを利用して、どの医療機関でも同等の医療を受けられるよう整備を進める。

(3)、がん診療地域連携パスの取り組み
平成22年度の診療報酬改定で「がん治療連携計画策定料」・「がん治療連携指導料」が新設、今後は連携医療機関と協議しながらクリティカルパスを作成することが必要。
南予地区病院間のがん診療の連携協力体制及び相談支援の提供体制、その他のがん医療に関する情報交換を行う事を目的に、4月に「がん診療連携協議会」を発足。




今回の市立宇和島病院視察に関しまして対応いただきました、医療行政管理部長兼病院事務局長、岡崎恵一様はじめ経営企画課長、橋本克彦様及び主任、清家敦様、他関係者には厚く御礼申し上げます。