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MARISA MONTE

2006-05-17 08:41:39 | 音楽
久々に良いMPB(ブラジルポピュラーミュージック)のCDに巡り
会いました。マリーザ・モンチというひとですが、これが思っていた
以上の出来映えで、最近のブラジル女性シンガーとしては非常に
質の高い作品じゃないでしょうか。実に良いCDです!

音楽家としての活動は大変長いのですが、これまであまりアルバ
ムを出して来なかったようです。ほとんどがステージ活動だった
らしく(過去15年間で5枚のアルバムは少ない!)その辺はご
本人も認めていて、今回新規に2枚のアルバムをまとめてリリー
スということになったのだとか。

もともとポルテーラの長老とも縁があったらしく古き良きサンバ
の味を保ちつつも、サンバの演奏につきもののパンデイロを取り
入れてなかったり、スルドの低音を必要最低限にしたり、また彼
女自身でウクレレを弾いていたりと、独自の作風を主張しつつも
気品さを失わず、大変気持ちの良い仕上がりになっています。
女性の方にも受ける感性の高い内容です。

聞きこんでいくほど彼女の世界に引っ張られて行く、そういった
完成度の高い作品で、最近のブラジル女性歌手でここまで良質
なものはあまりないのでは。かつて中野サンプラザでクララ・
ヌネスを見た時も一種の感銘を受けましたが、マリーザ・モンチ
のCDからも似たような感情が持ちあがってくるのを感じます。


MARISA MONTE/UNIVERSO AO MEU REDOR

女性のキメの細かい感性で、きれいに歌い上げたサウダージたっ
ぷりのサンバを聞きたいかたにはぴったりかもしれません。

なかでも UNIVERSO AO MEU REDOR と O BONDE DE DOM が
秀逸です! ポルトガル語の歌詞が洗練されていてコンポーザー
としてのセンスも光っています。MEU CANARIO もノリの良い曲
で実際のミュージシャンの演奏を見てみたい。

バックミュージシャン同様、注意深くもエレガントに選び抜かれた
歌詞の心地良さ。気持ちの良い空間を醸し出します。

絶品ですわ!

因みに、若きMPB”ディーバ”として、マリーザ・モンチの名を
国際的に高めた1991年の彼女の2作目のアルバム、MAISに
は大御所ナナバスコンセーロの名前も見られ、何とゲストとして
あの坂本龍一も名前を連ねています。ちょっと意外ですね。

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