My favorite things 2024

不定期でジャンルもバラバラです。 お気軽に寄って見て下さい、 

「ハルとナツ 届かなかった手紙」

2006-05-13 16:26:28 | PAPERBACKS
ちょいと前にNHKで「ハルとナツ 届かなかった手紙」という番組が
放映されました。戦前に日本からブラジルへ移民した家族をテーマにした
もので五夜連続で放送された番組です。

NHKの放送80周年記念と2008年のブラジル移民100周年を
記念して製作された番組のようです。

写真は橋田壽賀子の原作をもとに、そのままポルトガル語に訳された本で
割と平易なポルトガルで書かれています。で、この本を入手いたしました。



そもそもこの原作はテレビ用に脚本されたらしくいくつかの内容には納
得できないようなところもありますが、まあこれははじめから映像を意
識して書いたものじゃないでしょうか。

たとえば、ブラジルへ向かって神戸からまさに出帆する時に、トラコーマで
乗船できず日本へ置いていかれる妹が船に乗ろうとして、タラップで無理
やり別れ別れにさせられてしまうシーンがあります。これはちょっとあり得
ないでしょう。このへんなどいかにも効果的な映像を考えて作られたシーン
としか思えないのです。現にブラジルで公開された際、現地に移住したひと
たちからは、船が出帆しようとするのに、あのタラップまで来るシーンは
ちょっとありえない、などという声もありました。NOSSA!

その他にもいくつか似たような意見が現地から出ていたのは興味深いところ
です。まあ現実に移民を体験したひとから見るとテレビのドラマの内容には
いろいろな意見があっても不思議はないです。

ケチをつける気はサラサラありませんが、この本を読んでいて思うことは
やはり作者はテレビドラマの脚本家であって根っからの小説家ではないな、
という印象が強いのです。書き手として上手い下手ではなくて本質的なところ
の問題でしょう。やはり脚本家としてのストーリーの進めかたをしている
感じを受けました。

ともあれ少々ブラジルに係わってきた私メとしては興味ある作品ではありま
すので、このポルトガル語版の本は非常に面白いものとして受け止めている
のであります。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 噂のIKEA船橋に行って来... | トップ | MARISA MONTE »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿