THE CONCRETE BLONDE

ペーパーバックで出たばかりの新作ＥＣＨＯ　ＰＡＲＫを一気呵成に
読んでしまいました。しかも２回も読み返してしまい面白かったです。

今回は上司の裏切りがあったり、同僚のKIZ RIDERが撃たれてしまうという、
ちょっとショックな出来事もありハラハラさせられます。以前には同僚の
刑事をあっさりと死なせてしまうような、思い切ったことをやる作者ですから、
うっかりしていると、お馴染みの登場人物をもどこかで死なせてしまうのも
有り得ることです。今回のHARRY は相当腹を立てて煮えくり返る設定になって
おります。もう、頭に来た、てな具合で猪突猛進、犯人目指してまっしぐら、
です。

ここまでシリーズが長いと、HARRY を取り巻くお馴染みの人物達に何か
あっても不思議ではないですね。殺人事件がメーンですから周りの人間が
巻き込まれるのはかえって自然かも知れません。

作者自身も、この人気キャラクターである　HARRY BOSCH　のシリーズは
もうぼちぼち終わりにしたいのでしょうけど、多分世界中のファンは黙って
それを許さないのでは。あともう少しは書いてくれるのではと、ひそかに
期待はしているんですが。もうここまで書き続けたんだからねえ。

しかし、この　HARRY BOSCH という主人公は、刑事としては何と言うか、無茶
とか、無鉄砲とか、ぴったりした言葉が無いのですが、本の中では相棒のRACHEL
WALLING に　''I DON'T WANT TO HAVE TO WORRY ABOUT SOMEONE WHO
IS　RECKLESS.'' とか嫌味を言われたり、”A WOMAN HAS TO BE SAFE WITH A
MAN AND THAT INCLUDES WHEN THEY ARE NOT TOGETHER.''とまで扱き下ろ
されますが、決してめげたりしません。''LET'S TALK ABOUT　IT LATER.''とか言い
つつ結局二人で犯人を追い詰めてしまい、やることはやってしまうのです。

しかしRACHELにはどうしても　気に入らない、譲れないところがあり、HARRY との
仲直りは次回作に持ち越され、THE OVERLOOK　と言う新作で二人はまた登場
してくるようであります。また言い争いをしながらも二人は仲良くしたりするのでしょうか。
次回作でも、全くもう、ひとの言う事なんか聞かないんだから、もう。とか言う　RACHEL　
の嘆きが聞こえそうです。

しかし何だかんだ言ってもHARRYはもてるのであります。しかも向こうから女が
やって来てしまうのです。別居しているとは言え、嫁さんも子供もいるのだけど、
来る者は拒まないのが　HARRY 流なのです。まあ人間性に惹かれるのだろうけ
どね、ごく自然な成り行きでそうなっちゃうのであります。

でまあ、この　ECHO PARK　をさっさと読んでしまい手持ち無沙汰になったので　
HARRY BOSCH の過去のシリーズでまだ読んでいないのを買ってきました。

１９９４年あたりの作品でHARRY BOSCH シリーズとしては初期のものです。
連続殺人犯を射殺した　HARRY　はその未亡人から、間違えた人間を撃ったと
訴えられるところからストーリーは展開、珍しく法廷場面が長く意外な面白さ
が楽しめそうです。

またあっと言う間に読んじゃいそう。