HONOKAA

メーン・ストリート

ヒロから１９号線を北上し２４０号線に入ってちょっと走ると
ホノカワの町に着きます。町というよりは大きめの集落といった
感じで小さな商店街が続き、そののんびりとした空気からは
今から１００年くらい前に本当にヒロに次ぐほどの人口で
賑わっていたのかと思うほど静かな佇まいです。

日本の時代でいえば大正の終わりから昭和の初めでしょうか、
砂糖キビやマカダミアナッツ産業が盛んで多くの日系人が住んで
いたのですが、津浪の被害やら砂糖キビ産業の撤退とかで
だんだんと人が減りかつての活気は今やもうどこにもありません。

しかし当時の面影はピープルズ・シアターやバンク・オブ・ハワイ
などのクラシックな建築様式に見ることが出来ます。まるで古い
建物の映画セットのようです。１９３０年創業の映画館なんて
そうあるものじゃありません。谷本さんというひとが造った
映画館でホノムにある映画館もそうです。11号線のテシマの先に
あるアロハシアターも確か谷本さんの設計のはず。

素朴な町ホノカアはワイピオに行く時に通りかかる町でもあります。
当時はワイメアより栄えていたんですからね、いかに日系人の
コロニーが多かったのか解ります。

ここからホノムやヒロにかけての海岸線、ハマクア・コースト
にはかつて砂糖キビを運ぶ鉄道が走っていました。近くの港から
運ばれた砂糖キビはヒロ港へと目指して船で運ばれたのです。
日系人の多くが砂糖キビの過酷な労働を担っていました。しかし
あまり日系人の移民の歴史について語られることがないのは
ちょっと悲しいことです。現在のハワイ、特にハワイ島が現在
あるのは日系人によってもたらされていると言っても良いからです。

つわものどもの夢のあと、という日系移民の悲しい物語が
眠っているところでもあります。もうひとつの顔のハワイ。
時間が止ったままの日本を発見したときは、何かもの悲しさを
感じてしまいます。涙・・・

ホノカアはゆっくりと滞在したい町のひとつです。


甘かったけど美味しかった。ここのファッジ。