午前6時半に目覚める
今朝は何を作って喰おうか?と考え
昨夜喰うつもりだったチキンカレーがあったのを思い出し炊飯器に米を七勺研ぎ
スウィッチを入れてまた布団に潜り込み五代目柳家小せんの「王子の狐」を聴く
午前7時半に起床
菜花を塩茹でして流水で晒しお浸しにする
炊きたての飯を皿に丸く装い温め直したチキンカレーをかけて天辺を窪ませ
穴の中に生卵をポトリと落として自由軒のインディアンカレーに似せてみる
卵を潰してカレーとご飯を良く混ぜて喰いながら小学校2年生の頃のことを思い出す
季節は夏だったように憶えているが何かの用事で母が実家に戻っていた時の夕食に
父がルーとご飯を混ぜてドーナツ型に盛りつけたところに卵を落としたのを作り
「大阪にある自由軒のカレーはこういう風な盛りつけで出てくる」と言いながら
「ウスターソースをかけて食べるものなんだ」と教えてくれたのを思い出したが
初めて食べた生卵とウスターソースを混ぜたカレーの味よりも
その時の父の弾けるような笑顔のほうが鮮明によみがえってきて泣けてきた
涙が出て来たのは私がファザコンだからというだけではなくて
幼い頃に大阪の養父母のもとでのびのびと育てられた父が多感な中学生の頃に
他人から「あんたは養子なんだよ」と教えられた事を父の葬儀の時に聞かされ
その後の父の青春がどういうものだったかを考えて泣いたのを思い出したからだが
電力会社に就職し広島で原爆の光線を見て終戦を迎え戦後には電電公社勤めを変え
松山で母と出会い兄と私を産み育ててくれた父からはそんな影は感じられなかったし
他人に優しく友人や家族を大切にし仲間のために骨身を惜しまなかった父の生き方を
今の自分と比べれば到底及ばないことも良く判ってほろ苦い菜花を頬張ったらまた泣けた
今日こそは制作するぞとコーヒーを飲みながら膠を炊く朝
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます