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ZenFone MAX M1(ZB555KL)レビュー 後編

2018年11月04日 21時00分00秒 | ZenFone情報
このレビューはASUSオフィシャルコミュニテーサイト A部 For ASUS Mobile Products の新製品レビュワープログラムのレビューとなります。

レビュー後編ではカメラ周り、1週間使った感想などを取り上げます。

カメラ
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 ZenFone MAX M1のカメラのスペックは1,300万画素 (メインカメラ)、800万画素超広角 (約120度、35mm換算12mm相当)、800万画素(インカメラ)、背面2全面1のトリプルカメラ仕様です。両面ともLEDフラッシュがついていますので、メインカメラだけでなくインカメラで自撮りをする際などにもフラッシュが利用できます。公式サイトのスペックシートでもセンサー名やF値が振れられていないなどを考えると、あくまでも写るというレベルのカメラである事が容易に想像できます。

撮影例(画像はブログ掲載用にリサイズしています)
撮影は基本的にAUTOモードで行いました。HDR機能利用時は記載してあります。また、画角は4:3で撮影しています。ZenFoneの仕様では4:3画角が一番広く撮影できます(他の画角は4:3をトリミングしたものになります)。

日中

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標準

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広角

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標準

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広角

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標準

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広角

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標準

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広角

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標準

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広角

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標準

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広角

 まずは標準カメラと広角カメラの違いを同じ場所から撮影した画像で比較します。まず言えることは両カメラともダイナミックレンジが狭いです。風景に明るさをあわせると空は白飛び、空を青くしようとすると暗い感じの写真が量産されました。
 室内などの暗い環境では広角側カメラの利用は厳しい印象です。また両カメラとも光学手ぶれ補正はありませんので、明るい日中屋外以外では手ぶれに注意しながらの撮影となります。
 広角側の歪曲に関してはそれが広角カメラで撮影する際の味にもなりますから悪くないのではないでしょうか。超広角での撮影はひと味違う写真になり楽しいです。個体差だと思いますが、この個体は広角カメラの左側に片ボケが見られました。


夜間

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標準

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広角

全体的に塗り絵のような画像になったのは手ぶれを電子補正でごまかしたからかもしれません。それくらい夜間の撮影は細心の注意を払う必要があるとも言えそうです。なお、広角側は夜間や暗所での利用は厳しいかなという印象を受けました。

食べ物
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 スマホのカメラですとやはり食事を撮影する機会も多いのではないかと思います。撮影例ではHDRをオンにしています。HDRオフ時に比べ若干暖かみが出て美味しそうに写りました。最後の画像は”温かい”に設定しましたがわざとらしい感じで微妙でした。設定をいじればもう少し美味しそうに写るかもしれませんが、設定項目がほとんどないのでカメラ側で色合いを調整するより、画像アップ時にいじった方が無難かもしれません。

HDR

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何も意識せず撮影

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店頭にあわせて撮影

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HDR

 ZenFone上位機種のようなリアルタイムHDR機能はありませんが、HDRモードでの撮影は可能です。明暗差の激しい場面ではHDRを使うことでそれなりに写ります。日中撮影のコメントでも触れましたが、このカメラはダイナミックレンジが狭めですので、明るい場所では常時HDRをオンにして撮影した方が、ぱっと見では良い写真が撮れると思います。


カメラアプリ
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撮影インターフェイスはZenFone共通のものです。

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 画面を右スワイプで表示される撮影モードは、AUTO・パノラマ・美人エフェクト・低速度撮影の4種類のみとシンプルです。基本的にはAUTOモードで撮影する形になると思います。QRコード読み取り機能はありません。

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 画面を左にスワイプするとカラーエフェクトが表示されます。グレースケール・温かい・ヒップスター・レトロ・フェード・ノスタルジック・鮮やか・ブラシの8種類から選択できます。選択時にはエフェクト無しもあわせて9種類のエフェクト後画像が表示される中からモードを選ぶことが出来るので、言葉でピンとこなくてもどんな感じに写るかの想像はしやすいです。

動画サンプル
 手ぶれ補正はEIS(電子手ぶれ補正)のみです。暗所では試していませんが写真の結果を考えると・・・

カメラについて
 価格や端末の特性を考えれば、デジカメにも勝るような綺麗な写真を期待するような端末ではありません。スマホの画面で見せ合ったり、ブログやSNS等で共有するなら悪くない写真は撮影できると思います。パソコンや大画面テレビで見る場合は、日中や明るい環境で撮影した写真なら問題ないでしょうが、室内や暗所で撮影した写真については微妙かなと思います。
 カメラアプリは上位モデルに比べシンプルです。AUTOであれこれ考えずに撮影するというのがこのクラスの端末ですと良いと思いますし、機械の操作が苦手な人でもシンプルなのはとっつきやすいのではないでしょうか。


1週間使用してみた感想
 2~2.5万円という価格を考えると、コンパクトサイズで比較的大画面、優秀なバッテリー持続時間、一応デュアルカメラなど悪くはない端末だと思います。いわゆるエントリークラスに属するモデルですから、基本性能や使い勝手に直接影響する部分をおろそかにせず、かつ今時の流行も取り入れた端末思想は良いと思います。
 大容量バッテリーは電池残量を気にせず運用できますし、日常利用では1日はもちろん2日間充電しなくてもいけそうだと感じました。スペック的にゲームなどをバリバリやって電池を消耗させるような端末ではないですので、この端末の電池持ちのメリットは多くの方が実感できると思います。


良かった点・イマイチな点
○コンパクトなサイズ感
○大容量バッテリーによる電池持ち
○画面占有率の高い19:9ディスプレイなので古くささを感じない
○国内3キャリアVoLTEに対応
○SIM+SIM+SDカードのトリプルスロット

×SnapDragon430はもう古い
×メインメモリ3GBは将来的にキツい
×microUSBはいまさら感が漂う
×DSDSとVoLTEの制限が微妙
×ZenFone下位モデルはOSアップデートされるか不明

持論:このコンパクトなサイズの筐体でハイスペックな端末が欲しい

 良かった点としては、このコンパクトサイズに大容量バッテリー、昨今の流行である縦長ディスプレイを搭載したデザイン、3キャリアVoLTE対応などの汎用性ですね。どのMVNO(かつ上流回線がどのキャリアに関係なく)でも利用できるのは良いことだと思います。それでいて価格も2万円少々から売られていますから初期費用も抑えられてよいのではないでしょうか。

 イマイチな点は、やはりカタログスペックに若干の古くささを感じてしまう点。現時点ではまだ許容できるかもしれませんが、エントリーモデルは比較的買い替えサイクルが長い傾向がありますので、長く使うにあたっては厳しいのではないかなと思います。この手のデジタル機器で数年後を予想するのは馬鹿げていますが、SoC・メモリ容量・microUSBなどは2018年モデルとしてはいささか古い基準の下で設計されている感が否めません。この価格では無理なのだと思いますが、SnapDragon450・4GB・USB Type-C端子なら、長く使うにあたって不満の出にくいスペックに仕上げられたのではないかと思います。VoLTEに関してはDSDVではないのでこのような仕様も仕方がないかもしれませんが、VoLTE音声SIM+データ通信用SIMでの運用が事実上出来ない(キャリアによりVoLTEではなく3G回線での通話なら両立可)のはVoLTE対応のメリットを打ち消してしまっているのではないかと思います。SoC的にDSDVに対応していないのでしょうけど、折角VoLTE対応したのにちょっと残念な仕様だと思いました。

 良くもイマイチでもないかもしれませんが、この端末のOSメジャーアップデートが行われるのか個人的に注目しています。ZenFoneでもメインラインのミドル以上ハイロー位までの端末は比較的アップデートが行われる印象を受けますが、それ以外のラインはアップデートがあまり行われない印象も同時に受けます。スマホも同一機種を長期間使われる製品になっていますから、2年くらいはアップデートやセキュリティ更新をきちんとしていただけると、ASUSの印象も良くなると思います。


どういう人にオススメできる?
 スマホであれやこれやいろいろとやりたいという方には、このモデルではなく上位モデルをオススメします。しかし、通話やLINEなどのSNSが不自由なく使えて、たまに写真を撮りたいという感じの方なら問題なくオススメできる端末だと思いました。ガラケーに比べれば大きめのサイズとはなりますが、昨今のスマホの中では比較的コンパクトな端末ですし、大容量バッテリーのおかげで電池も持つので、スマホ入門機種としてもオススメ出来ると思います。

 この端末の一番の特徴はコンパクトかつ大容量バッテリーを搭載していることであり、そのことに魅力を感じなかったりピンと来ない方は他の端末を選んだ方がよりよいかもしれません。また、スマホでゲームをバリバリやりたい、綺麗な写真を撮りたい、おサイフケータイなどを使いたいという方は選択肢には入らないでしょう。


ZenFone MAXシリーズについて
 ZenFone MAXシリーズは大容量バッテリーを搭載した、ZenFoneのエントリーからミドルローに属する端末です。ZenFone第5世代のMAXシリーズはZenFone MAX M1、ZenFone MAX PLUS M1、ZenFone MAX Pro M1(日本未発売)の3機種あります。第5世代では縦長ディスプレイを採用し画面占有率を上げているのがポイントで、基本的な性能は第4世代MAXシリーズとあまり変わらないとも言えますので、両世代の端末が選べるのなら好みに応じて選択しても良いと思います。
 MAX PLUS M1はSoCが他の端末と違いMediaTek製になります。スペックや価格的にはバランスが良く見えますが、各種レビューでは電池持ちが悪いという、MAXシリーズである事に対して疑問符が生じる端末ですので、その問題が解決しない限りオススメは出来ないと思います。
 日本未発売のMAX Pro M1はSoCがSnapdragon636、フルHD+液晶、ピュアAndroid(ZenUI非搭載)、デュアルカメラがメイン+被写体深度計測など他とは毛色の異なる端末です。新興国などで戦略的な価格付けで販売されており、日本への導入に関しては未知数な面もあります。


まとめ
 A部レビュワープログラムで提供されたZenFone MAX M1について3回に分けて取り上げましたがいかがでしたでしょうか。コンパクト・大容量バッテリー・2万円程度の価格を考慮すると、スペック的に十分であると考える人にはオススメできる端末に仕上がっていると思います。気になった方はASUS STOREや全国の取扱店でお手にとってみてください。




*不具合
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ロングスクリーンショット撮影時に最後の部分が2重に撮影され保存される現象が発生する事がありました。今のところこの不具合以外に不具合は見当たりませんでした。



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