姫コブシの最後の一輪の花の向こうに
ツツジの鮮やかな薄紫色が見える。
この山庭を拓く前からの先住民
自生のコバナミツバツツジだ。
近づいて見るとこんな可愛い花が
びっしりとひしめき合って咲いている。
年に一度、この時期だけ強烈な色彩を放ち
「どうだ!」と言わんばかりに自己主張をして見せる
その圧倒的な存在感!…恐れ入りました。(笑)
一方こちらは移住者のツツジ。
夫が近くの山に生えていた幼木を採ってきて
この山庭に移植したものだ。
「住めば都」と本人が感じているかどうか定かじゃないが(笑)
4~5年経った今ではすっかり環境に適応し
毎年きれいな花を咲かせている。
ツツジの魅力は何と言ってもワイルドな野性味。
種々雑多な雑木林の中にあって
ある日突然、鮮やかな花を一気に咲かせた!と喜びも束の間
気がつくと瞬く間に花が色褪せ終わりを迎える。
桜の散り際には儚げな余韻を感じるが
ツツジは本当にあっけない終わり方なのだ。
パッと咲いてパッと散る。
その引き際の見事なまでの潔さはまさに野性の証明。
地位や名誉に拘る人間にありがちな
晩節を汚すような未練ったらしさは微塵もない。
老いを受け入れ自然体で生きる
そんな清々しい覚悟を感じて好感が持てる。
あくまでも個人の感想ですけど…(笑)