エゴノキに可愛らしい花がいっぱい咲いている。
どの花も恥ずかしそうに下を向いているので
下から写真を撮るにはもってこいだ。
五月晴れの空にピンク色の可憐な花がよく映える。
ひとつ一つの花は誠に小さいけれど
みんなで寄り集まって咲くと見ごたえがある。
この花の蜜を求めて群がるくま蜂がたくさんいて
エゴノキの周りはぶ~んぶ~んと賑やかだ。
こうやって上を向いて写真を撮っていると
秋に咲く皇帝ダリアを思い出す。
大きさはずいぶん違うけれど
青空に映えるピンク色の花の雰囲気が似ている。
同じエゴノキでもこちらは白い花。
ピンク色とはまた違った清楚な美しさがある。
この花にもいろんな虫が群がっているところを見ると
虫仲間で美味しいと評判の
行列のできる人気の蜜なのだろう。(笑)
青空の下で咲いているピンク花のエゴノキもいいが
木洩れ日が差し込む中にひっそりと咲く
この白花のエゴノキもいいよねえ~。
どちらかと言うと私はこっちの方が好きかも知れない。
楚々とした奥ゆかしさが感じられ
それでいて凛として清潔さに溢れている。
まさに令和の時代の幕開けにふさわしいように思う。
ちなみにエゴノキという和名は
花後に成る果実を口に入れると喉や舌を刺激して
えぐい(えごい)ことに由来しているらしい。
実際、果皮には毒があるようだが…。
ところが英国では、釣鐘状の白い花をつけることから
「スノーベル(雪の鐘)」と名付けられ
「森のシャンデリア」とも称されているという。
同じ木なのにもかかわらず
国によってずいぶんイメージが違うのが面白い。
私は長い間、エゴノキのエゴはego(自我)
もしくは、egoist(利己主義者)に由来するとばかり
自分勝手に思い込んでいたのだが…
それこそ私のegoそのもの…とんだ的外れだったようだ。(笑)
ちゃんと調べもせずに…よくあることだ。
そこでegoを捨て、心を入れ替えて調べてみた。(笑)
このエゴノキ、原種は白花だが
ピンク花の木は「ピンクチャイム」と呼ばれていて
近年シンボルツリーとして人気なんだとか。
へえ~、そうなんだぁ~。
また、若い実が石鹸の代用になるため
セッケンノキとして古くから実用されていたらしい。
え~、知らなかった…。
さらに、果皮は有毒だが、種子は脂肪分が多く
山野鳥のヤマガラの大好物だという。
あっ、そうなの?
ヤマガラは山庭にちょくちょく姿を見せるので
実が成ったらよく観察してみよう。
こんなことやあんなことも知らず
何も考えずにただただボーっと植えていたので
そんな素晴らしい落葉樹だと知って
何だか得したような気分だ。
これからはエゴノキを見る眼が少しは変わるかもね。