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noriba-ba's garden

ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅(その5)

ターシャの庭を訪ねる旅はさらに続く…。

 

しばしポーチに佇み

在りし日のターシャに思いを馳せた私たちは

さらに家の前の庭を散策するために

小径に沿って歩を進める。

 

(ポーチの前庭)

この前庭は急斜面に平たい石を積んで土留めにし

そこに土を入れた2段のテラス花壇となっている。

ターシャがこの地で最初につくった庭で

小径の両側には彼女が特に好きな植物を植えている。

 

一つひとつの名前の説明はなかったので

全ての植物について伝えられないのが残念だが

私の知っている限りでは

ワスレナグサ、シャクヤク、アイリス、ハナダイコンなどが

彩りも背丈もバランスよく植えられていた。

  

小径の先は温室へ続く道と

下のテラス花壇に下りる石の階段へと分かれている。

私たちは下の庭へと向かう。

 

その手前でウィンズローが小さな花をつけたバラを指さし

「このバラはターシャがいちばん好きなバラ…」

「とてもいい香りがする」と教えてくれた。

鼻を近づけて匂いを嗅ぐと、微かに甘い香りがした。

派手なハイブリットや大輪のバラではなく

可憐な小輪がターシャらしい。

 

石積みの階段を下り、下のテラス花壇に行く。

ターシャが庭を造るときに、特にこだわったという

2m以上もの高さの石垣を間近に見る。

平たい石をこれだけ高く積み上げるのは大変だったろう。

さすがにこの仕事はターシャにもセスにも無理で

プロの石工に頼んだようだが…

(石垣とテラス花壇)

石垣のすぐ近くには背の高い植物を植え

パーゴラにつる性のバラを這わせたり

手前に行くに従って背の低い植物を植えたりして

ここでもバランスを考えていた。

 

足元にはブルーのワスレナグサが広がり

中段にはピンク色のハナダイコン、シャクヤク

ところどころにカノコソウやルピナス、カンパニュラ等々…。

これら花々の色と葉の緑の分量がいい塩梅に

自然な感じを醸し出していた。

 

花壇と言えば、とかく花ばかりが目に付くものだが

ターシャの庭は緑の美しさが心に沁みる。

植物それぞれに葉色が微妙に違い

葉っぱの形も変化に富んでいて見ていて飽きない。

こうした名脇役の緑の葉の存在が

主役の花の美しさを引き立てるのかもしれない。

 

ターシャはそのことを承知の上で

あえて 開花時期の違う植物を混ぜて植えたようだ。

今、満開を迎えている花の周りには

これから咲く準備をしている植物の葉があり

すでに咲き終えてしまった葉もある。

そんなふうに常に緑が豊かにあることで

四季を通じて楽しめる庭づくりを目指したのだ。 

 

ターシャの庭を順に見て回りながら

ただその美しさだけでなく

しっかりとした計画と強い意志のもとで

自分の思い描く庭を創り上げたターシャの凄さを

改めて思い知ったのだ。

 

今日はここまで。続きはまた後日。


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