何十年か前、友達が言っていた。
「自分を褒めてやりたいよ」
その君、奥さんのことで苦しんでいた・・・
同じ言葉、有森裕子さんが言っていた。
(おんなじや、おんなじや、僕の友達とおんなじや!)
さて、この自分で自分を誉めるという行為
ナルシズム的な発想と受け取ってしまう。
非難しようとして言っているのじゃない。誰も誉めてくれそうにないから、
自分で言うという、一種の諦念がこの言葉 . . . 本文を読む
一昨日、「老親ろうしん」という映画を見た。親の介護を主題にしておる。
初めはお袋と一緒に見るのを、少し躊躇した。しかし、見てよかった。お袋は、
「お仲間、発見!」という感じで、のりのりの様子だった。
この映画のヒロインは、子供の頃、親に虐待された体験を持っているという設定だ
った。
回想シーンがあった。
親の態度が気分次第で変わる・・・という、現実をさらりと紹介していた。
(虐待 . . . 本文を読む
僕がまだ紅顔の美少年だった頃、え? 誤字があるって・・・、「紅」でなく
「厚」だろうって? 分かります? しゃぁないな、正直に言います。
眉目秀麗な洟垂れ小僧だった時分、これならいいでしょう? 異論は、却下いたし
ます。
さて、僕がそのようなお子様であったとき、人に謝るのが苦手でした。ガキ用語で
謝罪の意志を伝えるためには「すまん」で充分なんです。しかし、大人が許さな
い。
「『すま . . . 本文を読む
「めぐりあいて 見しや
それとも わかぬまに
雲がくれにし 夜半の月かな」
これは、紫式部の小倉百人一首入選作だ。
54帖で構成される源氏物語の中で、光源氏の死を書いた「雲隠」の帖は、表題だ
けあって、本文がない。後代の追加とされる所以だ。
僕は、本人の作と思う・・・・
「雲がくれ」って、紫式部の愛した言葉だから。
紫式部、いや源氏物語の作中人物の「紫の上」と呼んでおこうか。この人 . . . 本文を読む
昨日、見たテレビ番組のこと書くの、はしたないかな?
いかにも教養がありませんって感じだけど、思い切って書いちゃう。
ヨダレカケというのは、魚の名前。隠岐島の近くの島に生息しているらしい。
NHKの「ダーウィンが来た」という番組で紹介していた。母親と一緒の生活をし
ていると、チャンネル権がどちらにあるかが当然、問題となる。僕は、PCをいじ
っくたりして楽しみがある。お袋のほうは何もないから . . . 本文を読む
知ってる者は、知ってる。知らない人には見当もつかない・・日本語だ。Kは
「空気」、Yは「読めない」の略だ。
斉藤環という精神科医が、新聞のコラムでこの語句に関して、山本七平の「『空
気』の研究」という本を紹介している。それによると、「空気」の用語は、明治以
前にさかのぼるという。
空気に逆らえば「抗空気罪」で「村八分」に処せられる。
僕が驚いたのは、「空気」の本体をアニミズムに見る . . . 本文を読む
4年に一度開催のオリンピックという行事とうるう年って、一致していたんだ~!
昨日、「うるう年」をPCで検索してそれが分かった
PCって、本当に便利だよ。人類の工夫に対し、簡単に突き当たれるんだものね。
驚きだよ。
うるう年を考えるきっかけになったのは、NHKの「週刊こどもニュース」。8月
をアウガストと言い、それがカエサル(ジュリアス・シーザー)の後継者、アウグ
ストゥス・オクタビアヌ . . . 本文を読む
「腹を立てる前に、顔を立てること」
今の僕の心に起こっている密かなブームです。
上のフレーズ、実は、借用。福井県若狭町の保健センターで、認知症サポーター養
成講座の講師を務める高島久美子さんの言葉です。
理解が深まれば、介護負担が軽減します。理解が深まるよう、上手に接してあげた
い。 . . . 本文を読む
この名前を知ったのは、野平ゆかりさん(15歳)という人の新聞の投書から。
ケビンさんは、スーダンの内戦の取材中に撮影した写真によって、ピューリッツアー賞を取った。「ハゲワシと少女」と題されたその写真は、大変衝撃的だ。
ハゲワシが少女を餌として、眺めている・・・
ショックなのは、このケビンさんが受賞後、自殺したことだ。彼は、写真発表によって、栄光とともに非難をも取得した。
つねづね彼は、衝撃 . . . 本文を読む
ここ2,3日、お袋の食欲がほとんどない。
睡眠不足が影響しているのかもしれない・・・
反省するところ、大だった。おやつをあげたとき、全然興味を示さなかった。それ
で気づいたのだ。
ずっと一緒に生活してると、お袋がだらしなく見えたりする。そんなことはないの
だけど、”甘えられる”という親子関係の逆転を素直に認められないからだ。
そんな考えではいけない・・・と、十分承知しているはずなのに。 . . . 本文を読む
雑用があって外出した。遠出だった。
帰り、知らない人から声をかけられた。
「こんにちは」
知らない振りをするのも失礼だから
「はじめまして。どうもご丁寧に・・・」
と応えたら、嬉しそうな顔をされた。年のころは70歳前後の方だった。
その方には、僕は幾つぐらいに見えていたことだろう。同年輩に見えていたとした
らショックだな。でも、まぁ素直に喜んでおこう。
不穏な事件が最近多いし、
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笑われるのは、義務?
だったら、笑わすのは権利や
人にされる忠告で、一番グサッととくるのが
「笑われてるよ」というもの・・・
忠告する人の好意を感じるだけに余計に堪える
しかし、どうしようもないわ
僕は、人を笑わせるのが好きなんや
笑われるのは、突出したことをしてるからや
目の前で転ばれたらおもろいわな
でも、その笑われ方は、不本意や
そこを笑って済ませてしまうのは、義務っ . . . 本文を読む
「紗羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」
誰もが知ってそうな、この平家物語の一節、
衰者必盛と言わないところが味噌だな。
「人の命は、電池のようなもの」
という清新な表現をした11歳の女の子が
数ヵ月後に逝った・・・
その物語が感動を呼びのは、衰者必滅だからだ。
盛者にしろ衰者にしろ、どうせ滅ぶのならば、
愉快に生きたい、と感じるのが人の心の自然というものかもしれない。
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地獄という考え方は、悪をなすなという教えを実効化するためになされた虚構だろ
うか。虚構だとして、しかし、この世もどれだけ、現実性がある?
仏教で、この世を生きることは、刀の上を歩くようなものだと譬えている。下には
燃え盛るマグマの海が広がっている・・・と。
その比喩が大げさでないほど、この世は過酷だ。生きてゆくことが意味に満ちてい
るとも思えない。何より納得がいかないのは、歩いていく先に . . . 本文を読む