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「ルー=ガルー 忌避すべき狼(上)(下)」
著者 京極夏彦
めらめら度★★★★☆
20151015THU-20151230WED
2ヶ月半かけて、ようやく上下巻を読了。ホントは、年内に続編まで一気に読み切るつもりだったのに…。物語の前フリが回りくどくて、上巻だけで2ヶ月半の大部分を費やしてしまった。スマホの復刻ゲームに逃避しちゃったよ。物語が一気に加速する下巻は、サクサクと4日で読んだんだけどねェ。京極さんの小説は、前フリの回りくどさが魅力なのだが、ちょっと今作の回りくどさは辛かったかも。
2035年(ぐらい?)を描いた近未来SFなのだが、絶対的に有り得ない設定なんだよなァ。20年で、そこまで劇的に変わるとは思えない未来なのだ。百鬼夜行シリーズは、過去の資料や知識に則った回りくどさなので、ある程度、受け入れられたけど、今作の場合は、空想に則った回りくどさが多いので、なーんか頭に入ってこなかった。この世界観に慣れるのに、随分と時間が鰍ゥってしまった。
しかし、世界観に慣れると、一気に面白さが爆発する。これって、百鬼夜行シリーズの未来版、いや、ガールズ版てな感じじゃん。過去が未来になり、オッサンたちが少女たちになり、妖怪が悪魔になったようだ。気弱な少女は関口っぽいし、ミステリアス少女は京極堂っぽいし、無軌道な天才少女は塩リ津っぽいし、カンフー少女は木場っぽい。流石は、京極夏彦、喰わせモノな近未来SFである。
ウィキペディアによると、今作は、百鬼夜行シリーズの「魍魎の匣」とリンクしているらしい。でも、どの辺がリンクしているのかサッパリ解らなかった。京極さんの世界は、あまりに伏線が複雑すぎて、ちょっと俺の処理能力では付いていけなくて…。凄く面白いけど、凄く疲れるので、あまり深く考えないで読む方が良いらしい。続けて続編を読んでいるが、これまた前フリの回りくどさに苦戦中である。
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講談社「ルー=ガルー 忌避すべき狼(上) 分冊文庫版」720円
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