ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

読書覚書2022 #2

2022年01月28日 14時07分00秒 | 読書めらめら


「ヒトでなし 金剛界の章」
著者 京極夏彦
めらめら度★★★★★
20220117月→20220128金

読書歴30年、982冊目の読破である。これまた凄い本だった。ホントに、京極夏彦は、唯一無二だ。よくもまァ、こんな小説が描けるものだ。小難しいんだけど、どこかフザけていて、フザけているんだけど、とてつもなく深くて、深いんだけど、実は、当たり前で…。なんとも言えない、独特な面白さだ。笑っちゃうし、呆れるし、ムカつくし、悲しい。でも、最後は、納得してしまうのだ。

こんなタイトルなので、サイコな鬼畜が主役なのかと思ったが、まさかまさかの展開だった。鬼畜っぽいのも出てくるんだけど、そっちは、飽くまでも脇役。生きること、死ぬこと、知ること、意味を求めること、無意味に気づくこと、諦めること、赦すこと、捨てること…? グダグダと、お説教っぽい展開の連発である。本来なら、お説教なんて退屈なんだけど、これが、どーいうワケか面白い。

とにかく凄い小説だった。横溝正史、司馬遼太郎、子母澤寛、東野圭吾、スティーヴン・キングと、この30年で一押し作家がコロコロ変わったが、今は、断トツで京極夏彦だ。この人の本は、とにかく分厚くて、グダグダとした冗長会話に満ちている。読む前は、その分厚さに呆れてしまうが、読み始めると夢中になり、読み終えると、もっと読みたくなる。げに恐ろしきは、京極夏彦…。


京極夏彦「ヒトでなし 金剛界の章」1089円

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