精神科ナースマン

精神科で働く看護師さんのブログ

東北地方太平洋沖地震ドキュメント。。。1

2011年03月13日 | 安全管理

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こんにちわ。
nursmanです。

東北地方太平洋沖地震で被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。

さて、nursmanも今回の地震で今までに体験したことのない大きな揺れを感じました。
3月11日(金)14:00頃
この頃は、大きな地震がくることなんて全く知る由もなかった。
新入職者研修の打ち合わせで下の階の副師長がうちの病棟に来ていた。
「CVPPPの研修をどうやって進めていこうかなぁ~」なんてことを考えていた。
14:30頃
スタッフナース達とブレイクアウエイと称して「ちょっと胸ぐらつかんでみて」とか言って、離脱しながら「どーだ」なんて言ってふざけていた。
そんなときに、14:46を迎えた。

誰かが「地震じゃない?」と言った。
nursmanも地震の揺れを感じた。
そのときは、「いつもの地震だろぅ」という感じで揺れを感じていたけど、次第に揺れは強くなり、女性看護師の悲鳴が聞こえ始め、下の階の副師長が「大丈夫だから落ち着いて」と言っている声を聞いて、初めて、「これは、まずい」と感じた。
そして、その揺れは、もっと強くなり、何かに捕まっていないと立っていることが出来ない状態になった。
nursmanのいる病棟は一番古い病棟だけど、一番頑丈に出来ているとは聞いていたが、2階部分が1階に落ちるのではないかと感じるほどの揺れ方だった。
その頃から、次第に一人ひとりが目的を持って行動を始めた。
「保護室開けてきます」(地震で隔離室のドアが歪みドアが開けられなくなるのを防ぐため)と言って数名の看護助手と共に看護師が保護室へ走っていった。
「患者さん、食堂に集めますか」
「避難はどうしますか」
次々に看護師、看護助手達は行動を始め、nursmanは、患者さんに向けて放送を入れた。
「患者様にお知らせ致します。大変強い揺れを感じています。ガラスから離れて下さい。」
「患者様の皆様は、食堂へ移動して下さい。」
そんな中、内線で「サンダルを履いている患者さんがいたら、靴に履き替えてもらって、頭部を保護するものを準備するように」という連絡が来た。
正直、こんな状況でそんなことを内線で連絡するな!
全館の非常放送で連絡しろ!
とやや憤りも感じたけど、そんなことを言っている場合じゃないことは、分かっていた。
その電話を切ると病棟の放送で「サンダルを履いている患者さんは靴に履き替えて下さい。頭部を保護するような洗面器や枕を用意して下さい。」と放送した。

その後、全館の非常放送で「ただいま、大きな揺れを感じました。患者様は、職員の指示に従って落ち着いて避難をして下さい」という放送が入った。
それを聞いて、nursmanは、男性看護師へ「女性病棟の非常口から避難をするから、頭
(避難誘導の先頭)を頼む。俺は、病棟を全部見て最後に出る」女性看護師へ「避難が完了したら、人員確認をして」と指示た。
どちらの看護師も優秀で看護師としての経験もあるいつも信頼している看護師だった。
いつもは、ふざけてばかりの彼らだけれども、そのときの彼らの目は、いつもと違う目だった。
だから、彼らに避難誘導の指揮を頼むのに何も心配はなかった。

数回、
病棟の放送で女性病棟の非常口から避難を開始することを告げ、避難完了の確認を保護室から始めた。
このとき、「何人か避難しないって言っている患者さんがいます」と職員から声を掛けられ、「わかった。病棟、回りながら俺が連れて行く」と言いながら、保護室につながる通路に面した師長室に置いたリュックを背負って保護室に向かった。
保護室のエリアに着くと一度開け放ったはずの保護室のドアは
大きな揺れのためか、べて閉まっていた。

一室一室のドアを開けて避難を完了していない患者がいなか確認して回った。
誰もいない音のしない保護室は、どこか不気味な感じがした。
続いて浴室、配膳室を確認して、男性病棟へ足を進めた。
男性病棟には、数名の患者さんが残っていて「強制ですか?」「俺、行かないよ」などと言い事態をよく飲み込めていない患者さんもいた。
「念のため避難します」「ほら、一緒に行くよ」なんて言うと彼らは、容易に避難をしてくれた。
すべての男性の病室を確認した後、食堂へ行くともう一人、避難を拒否していた患者さんが居た。
手を引いてもnursmanの手を振りほどき、何としても避難はしないと言う。
避難しない理由は、よくわからなかったが、理由を考える余裕は、そこにはなかった。
女性病棟を覗くと、避難はまだ完了していなく、非常口付近に何名かの患者さんと職員が目に入った。
一人の職員を呼んでその職員が来るとすんなり、その患者さんは、避難をした。
何で、いきなり避難を開始し始めたのかもよくわからなかったけど、ひとまず、避難を開始してくれて一安心に思った。
この患者さんで最後の避難誘導になった。
続いて、女性の病室を一つひとつ確認し、女性病室の確認をし終えると、その先に非常口がある。
すべての患者さんの避難完了を確認したときにハドソン川に不時着した飛行機の機長の話を思い出した。
その機長は、客室を2往復確認して一番最後に脱出したそうだ。
これを思い出すと、もう一度、ナースセンターを通って保護室から病棟に避難を完了していない患者さんが居ないか確認を始めた。
この間、何度も余震が続いていた。
余震の続く病棟に自分しか居ないと思うとやっぱり、不気味な感じがした。
このとき記録のために師長室に置いてあるデジカメを持って出た。
保護室のエリアに行くと開け放ったはずのドアがまた閉まっていて一室一室またドアを開けて確認した。
再び、浴室、配膳室、男性病棟、食堂を通って女性病棟の非常口が見えてきた頃に大きな地震が来た。
まっすぐ歩くことなんか出来なかった。
病棟は、ガタガタと大きな音を立てて揺れた。
床は上下左右に揺れた。
数秒の間に色んなことが頭の中を巡った。
このまま建物に押しつぶされるのか?
患者は避難できたよな。etc...

つづく。


 

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