洋モノ

2006年05月08日 | 読んでみました
例によってアレっす

本メモね

今回は洋モノっす

「ブラッド・ミュージック」グレッグ・ベア
読み始めた理由は単純にエウレカセブンに出てきた
グレッグ・イーガンことドクターベアが
グレッグ・イーガンへのリスペクトなのか
グレッグ・ベアへのリスペクトなのかを
知りたかったから。

グレッグ・ベアの作品は企画モノの
新銀河帝国興亡史「ファウンデーションと混沌」
しか読んだ事無かったし、
企画モノでは作者本人の雰囲気が判りかねるので
しっかり読んでおかないとね。

で、「ブラッド・ミュージック」読みました。
イーガンさんと同じくバイオ関係と情報関係が
入り混じった作品になっています。
たまたま、直前に読んだ作品が「幼年期の終わり」だったので
世紀末的な雰囲気が似てるかな、と。

というかね、ベアさんには悪いんだけど
あんまり目新しくなかった。

いや、確実に面白かったんだけど
読む順番が悪かっただけなんだと思うんだけど
「宇宙消失」「幼年期の終わり」の2作品に
似ているというか同系というか…うぅむ…
いや、「宇宙消失」の方が出たのは後なので
イーガンがベアのリスペクトなんだけど
より良い作品を先に読んじゃっている事には変わりが無く…
「万物理論」まで読んじゃってると、一番のキモである
情報量のクダリも新鮮味に欠けたし…

やぱしサイバーパンク的にはウィリアム ギブスンの世界感で
ガツンとやられてるので、それがサイバーではなくバイオであっても
受け手としては亜流サイバーパンクに見えてしまうという
非常にイヤなカンジの呪縛に縛られているのが原因な気もするけど。

そんなワケで、作られた年代を考えると十二分に楽しめる作品です。
20年前に読んでいたら絶賛してました。
逆に言うと年代を考えてあげないと、若干アレです。
ごめんね>ベアっち

あ、エウレカの惑星上における知的生物数の上限的なアレコレは
まんまこの作品からでした。ちょっとスッキリ。

なんにせよ、ぜひ落ち着いて再読したい一冊です。

「人形使い」ロバート・A・ハインライン
実はハインラインさんは「夏への扉」「宇宙の戦士」しか
読んだ事がありません。
「夏への扉」は絶賛する人が多いのですが
15歳くらいで読んでいるので、いまいちノスタルジックな部分の
共感に欠けたせいか、ご都合主義色のみなイメージで固定されています。
いいかげんオヤジになったので読み直してみたいと思うのですが。

あ、で「人形つかい」ですよ。
ナメクジ型の宇宙人に人間が乗っ取られるんだけど
外見上は人間と変らないという
「ボディ・スナッチャー」とか「ヒドゥン」とかの
寄生生物モノですよ。
ちなみに「ボディ・スナッチャー」の原作者は
「ゲイルズバーグの春を愛す」とか「夢の10セント銀貨」の
ジャック・フィニイですよ。同姓同名じゃなければ。
ちなみに上記2作も割と名作と評する人が多いのですが
フルパワーで男子の妄想世界が繰り広げられれているだけにしか
見えないので、イマイチ…。つか女性が読んでも平気なのか?

あ、ほんでね、本題の「人形つかい」ですが、1951年の作品なので
21世紀の未来都市的な書き方があるのは、
ちょっとご愛嬌ってカンジなのですが全般的に良いです。
主人公の思考形態が割と自分に近かったのが一番の評価理由な気もします

最後まで読んだ後に解説を読んだのですが、当時は
「人間と区別の付かない異種」という存在を
「共産主義者」や「ゲイ」に重ね合わせていた
という解釈だったとか。
アメリカ人の異種生物嫌いは筋金入りだな…
ボクの心の中では「終わりなき戦い」の方が
あまりにもベトナム戦争色が強かった「宇宙の戦士」よりも
上位に来てしまうのと同じ感覚で、
ベトナム戦争を原体験とした小説の読み方が
普通である事に違和感を感じてしまうんですよね…
映画の「スターシップ・トルーパー」はかなりアレなので
見る人を選ぶ気がします。
スタジオぬえ謹製のパワードスースをヤツらに
与えてあげてくれ…

あ、あと「銀河市民」が再版されてたので保護しました。

「フェアリイ・ランド」ポール・J. マコーリイ
つかジャケ買いの一要素というか、ジャケ買いの「ジャケ」は
ウラ表紙のアラスジとかアオリだけじゃなくて
オモテ表示っつーか、イラストも雰囲気作りに
当然一役買っているのですよ。
あ、普通は絵の方がインパクト強いのかもしれないんだけど
やぱじ、帯とアラスジでジャケ買い決定するので。

あ、ほんでね、この作品の表紙絵はモチーフとしては合ってるんだけど
雰囲気が間違ってる気がしてならないのです…

つかね、やぱしイギリス人の作品はクドいね。
それでもゴチック・ホラー、ゴチック・ファンタジーは
物々しい言い回しもアリというか
それが醍醐味だったりするんだけど
ゴチック・SFとなると単純にうっとおしい。

はいはい、イギリス的な表現は判ったから
あっさりと行ってくれよ、というのが正直な感想。
同じ作者の「4000億の星の群れ」も評判らしいけど
個人的な購入欲は激減中
つか「トムキンス」はイギリスにおいては一般的に通じるのか?
というのが最大の疑問かも。
再版されてる事だし読んでみるけど。

物語も佳境に入ると、自分が慣れたのか
作者がめんどくさくなって描写をやめたのか知らんけど
イギリス的表現も気にならなくなってきましたが…

最後まで頑張れば、スバラシイ世界が待っているかと期待して
頑張って最後まで読みましたが、げうぅ…
という結果に落ち着きました…

全体のモチーフはいいんだけど、単体の表現がイマイチ
(訳者の能力の可能性も高いけど)だったのと
モチーフを生かしきれていないというか、
で?ってカンジで終っちゃったのが…

ザンネン。

「順列都市」グレッグ・イーガン
まだ、上巻しか読み終わって無いんだけどツボりました。
ていうか下巻の最初の「6次元のチューリングマシン」の
振る舞いの正当性を理解するのにかなり時間がかかりました。
つか「6次元のチューリングマシン」て…

オハナシは「コピー」と呼ばれる人間の人格を模したものが
コンピュータの中で演算される事で
死を乗り越えた(と思っている)人達がいて
自前のコンピュータを持っている人は
計算力を占有できていいけど、自前のコンピュータを持たずに
量り売りされているスパコンの計算量を
購入する事でしか、演算されない存在もいるワケで。
で、「6次元チューリングマシン」の出番ですよ。
ってカンジ
あ、コレだけ読むと、全然違う話だな。
間違ってはいないんだけどなぁ…

以上の説明は物語の核ではあるけど、話の面白さには
全然触れていません。何が面白いのかは判らないけど
かなりドキドキしながら読んでます。

例によって、何に似ているかという表現を使わせていただくと
「ソフトウェア」「万物理論」「仮想空間計画」ってカンジ
なんだけど、語り口はコンピュータ・カウボーイっつーか
サイバーパンクっつーか…うぅむ…表現出来ない…
下巻の第2部になると「内なる宇宙」風味も出てきたり。
ていうか読も

次は「自由軌道」「戦士志願」あたりを読もうかと
そんなカンジで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする