入浴中に脳出血を起こして溺れかけた80代の女性が
入院治療を経て、ウチに入居することになった。
状態は予想よりはるかにいい。
麻痺も脳障害もなく、自立歩行もじきに可能となる見通しだ。
ただ、この女性は視野狭窄で狭い範囲の正面しか見えず
左耳はまったく聴こえない。
それが援助の要点となるだろう。
しかし援助する上で問題になることが、他にあった。
息子である。
56歳になる息子は独身で、全盲。
ずっと母に支えられてきたのだろう。
母子の絆は、私たちの常識を超えていた。
母親が入居した日から、毎日彼女の居室に寝泊りしている息子。
夜間の排泄援助に行くと
彼が介護ベッドで母親と添い寝している。
母親がトイレ誘導で排尿すると
「お母さん、おしっこが出てよかったねえ」と
彼女の胸に頭をぐりぐり押し付けて喜んでいる。
入浴援助に行くと
「お母さん、僕も一緒に入ろうか?」なんて言ったりする。
食堂でも、白い杖をつきながら
時に利用者であるオジイチャンに杖をぶつけたりしながら
ようやく母親の右隣に座ると
ず~っと母親の手をすりすりと撫で回している。
常人には理解できない母息子関係。
できた上司は「全盲の方だからこその親子関係を理解して…」と言うが
そういうものなのだろうか。
まだまだ修行の足りない私は頭を傾げ
もっと修行の足りない20代のA君は「究極のマザコン」とののしるのであるが…。
ちなみに、この母親の夫であり、この息子の父親は
ブログに度々登場する、徘徊癖のある“オトボケM三郎”である。
彼は夫として父として
妻息子の関係をどう受け止めているのだろう。
今日も日中、ずっと車椅子で寝ているM三郎であったが。
入院治療を経て、ウチに入居することになった。
状態は予想よりはるかにいい。
麻痺も脳障害もなく、自立歩行もじきに可能となる見通しだ。
ただ、この女性は視野狭窄で狭い範囲の正面しか見えず
左耳はまったく聴こえない。
それが援助の要点となるだろう。
しかし援助する上で問題になることが、他にあった。
息子である。
56歳になる息子は独身で、全盲。
ずっと母に支えられてきたのだろう。
母子の絆は、私たちの常識を超えていた。
母親が入居した日から、毎日彼女の居室に寝泊りしている息子。
夜間の排泄援助に行くと
彼が介護ベッドで母親と添い寝している。
母親がトイレ誘導で排尿すると
「お母さん、おしっこが出てよかったねえ」と
彼女の胸に頭をぐりぐり押し付けて喜んでいる。
入浴援助に行くと
「お母さん、僕も一緒に入ろうか?」なんて言ったりする。
食堂でも、白い杖をつきながら
時に利用者であるオジイチャンに杖をぶつけたりしながら
ようやく母親の右隣に座ると
ず~っと母親の手をすりすりと撫で回している。
常人には理解できない母息子関係。
できた上司は「全盲の方だからこその親子関係を理解して…」と言うが
そういうものなのだろうか。
まだまだ修行の足りない私は頭を傾げ
もっと修行の足りない20代のA君は「究極のマザコン」とののしるのであるが…。
ちなみに、この母親の夫であり、この息子の父親は
ブログに度々登場する、徘徊癖のある“オトボケM三郎”である。
彼は夫として父として
妻息子の関係をどう受け止めているのだろう。
今日も日中、ずっと車椅子で寝ているM三郎であったが。