サナエには愛する一人娘がいる。
しかしサナエが入居して2年も経ったというのに
その娘がやってきたのは3度くらいのもので
3年間勤務している私でさえ
彼女の顔は1度しか見たことがない。
50は過ぎているはずだが
金髪のロングヘアを頭のてっぺんで結い
そこにピンク色のリボンを飾ったド派手な娘だった。
今日、服薬介助のためにサナエの部屋に行くと、彼女が言った。
「私の娘、全然来てくれないのよ。
でさあ、この間こんなものを送ってきたのよ」
何を送ってきたのか。
見れば、キティちゃんのトースターである。
サナエは3食とも食堂を利用しているのだから
部屋にトースターなんか必要ない。
なのに、なんでこんなものを!?
私がその疑問を口にする前に、サナエは言った。
「こんなもん送ってくれたって、私にはパンを買うお金すらないのに…」
そこよ、そこ。
ウチで暮らしている以上
サナエは食を含めた最低限の生活はできる。
けれども娘がめったに会いに来てくれないから
サナエはトイレットペーパーや洗剤、ゴミ袋といった日用品
そして小腹が空いたときに食べたいおやつを買うお金がないのである。
そんな母親にポン!とトースターを送ってくる娘
しかも、恐らく自分の趣味であろう
おもちゃみたいなキティちゃんのトースターを送ってくる娘。
頭、弱いのか?
うん。頭、弱いんだろう。
しかしサナエが入居して2年も経ったというのに
その娘がやってきたのは3度くらいのもので
3年間勤務している私でさえ
彼女の顔は1度しか見たことがない。
50は過ぎているはずだが
金髪のロングヘアを頭のてっぺんで結い
そこにピンク色のリボンを飾ったド派手な娘だった。
今日、服薬介助のためにサナエの部屋に行くと、彼女が言った。
「私の娘、全然来てくれないのよ。
でさあ、この間こんなものを送ってきたのよ」
何を送ってきたのか。
見れば、キティちゃんのトースターである。
サナエは3食とも食堂を利用しているのだから
部屋にトースターなんか必要ない。
なのに、なんでこんなものを!?
私がその疑問を口にする前に、サナエは言った。
「こんなもん送ってくれたって、私にはパンを買うお金すらないのに…」
そこよ、そこ。
ウチで暮らしている以上
サナエは食を含めた最低限の生活はできる。
けれども娘がめったに会いに来てくれないから
サナエはトイレットペーパーや洗剤、ゴミ袋といった日用品
そして小腹が空いたときに食べたいおやつを買うお金がないのである。
そんな母親にポン!とトースターを送ってくる娘
しかも、恐らく自分の趣味であろう
おもちゃみたいなキティちゃんのトースターを送ってくる娘。
頭、弱いのか?
うん。頭、弱いんだろう。