寒さが和らぎ暖かくなると内にこもっていたエネルギーが外に向けて発散しだします。冬に蓄積した脂肪が一気に血液中に溶け出し、身体の衣替えが行われる時期でもあります。
この急な変化にホルモンバランスが対応できないと春先特有の血液の汚れとのダブルパンチで「血の道症」と呼ばれる婦人科系のトラブルに悩まされることになります。それが生理痛や頭痛、腰痛、乳房の張り、むくみ、イライラなどの月経前症候群と呼ばれる症状として現れます。
20代後半から40代前半の女性を対象とした月経前の症状が重い人と軽い人の間で食習慣等を比べた調査によると、不規則な食事で外食や嗜好品が多く睡眠不足、運動不足でストレスがある人に月経前症状が有意にみられること、また入浴習慣(湯船につかる)がある群は月経前の乳房の張り症状が有意に少ないことが示されたとの報告もあります。※
春先はとくにこれらの症状が悪化する方も多いのでは。症状を医薬品に頼って抑えつけようとしても根本の治療にはなりません。日頃の食事、生活習慣から見直していきましょう。
「体を冷やさないように心がける」
体が冷えると痛みが増します。春先は気温の寒暖差も激しいので体を冷やしやすい季節でもあります。とくに足腰などの下半身の冷えが症状を悪化させます。体を締め付ける下着をつけない、靴下を重ね履きする、脚や足の保温にも気をつけましょう。腰湯や足浴をするのも効果的です。
「甘いもの、刺激物を控える」
甘いものは全般に体を冷やす食べものです。なかでも砂糖は炎症を長引かせます。お菓子や清涼飲料水など砂糖がたくさん含まれるものは要注意です。また紅茶やコーヒーに含まれるカフェインは一時的には頭をすっきりさせてくれますが、長期的にはマイナスに働きます。塩分の摂りすぎはむくみの原因になるので気をつけましょう。
「血液を浄化する」
肝臓の働きが悪いと血液浄化が追いつかずこの季節に不調が起こりやすくなります。血液の汚れが婦人科におよぶと生理痛や生理不順などの症状につながります。
春の野菜や野草には苦みをもつものが多く出回ります。この苦みが肝機能を高めて血液を浄化し、老廃物を外に出してくれます。よもぎ、ふきのとう、菜の花、たんぽぽ、クレソンなどはおすすめです。春の恵みを食卓に生かしていきましょう。肝臓は新しい細胞を作る新陳代謝をコントロールする役割も担っています。その力を弱めるのが砂糖や脂肪、アルコールなどの刺激物です。ケーキやお酒は控えめにして肝臓をいたわってあげましょう。
食生活は主食を中心に副食とのバランスを上手くとることが基本であり大事なことです。月経トラブルをはじめ妊娠する力を高めるためにもぜひ食事、生活習慣を見直してみてください。
※「成熟期女性のライフスタイルとPMSとの関連についての検討」2004年 日本女性心身医学会雑誌
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