カイロプラクティックと院日記 in 島根 ~ 関節ケアルーム ~

開業して二十数年。試行錯誤しながら今も松江で施術の日々。人体は奥が深い‥まだまだ勉強。 KCA会員/JCR登録者

無限の組み合わせ

2010年03月21日 23時12分18秒 | カイロプラクティック
障害を起こす原因であったり、障害を起こさない予防であったり、
それらを研究するために多くのデータが出されています。

科学的なデータは損傷・障害メカニズムを解明する上で重要で
施術家にも一般の人々にも多くの恩恵を与えてくれます。

しかし一つ一つのデータを見て一喜一憂することもできません。
そこが臨床の難しさと感じています。

例えば肩関節。
肩峰のタイプⅠ、Ⅱ、Ⅲによって障害の発生率が変わります。
なら、肩峰の種類が分かれば肩の予防になるのでは?と思いますよね。

じゃあ、そこに違うデータを出してみましょう。
・上腕二頭筋の関節唇への付着の違い。
これにも4タイプがありますので、どの運動への負荷に強いのか各々違いがあります。

すると今度はまた違うデータが出てきます。
・上腕骨大結節の隆起と結節間溝の深さの違い
・関節靭帯の強さの違い
・臼蓋の角度の違い
・組織の疎性の違い など

人の身体は一つの構造だけで機能し運動しているわけではありません。
”全身がリンク”して運動しています。
そのため、一つのデータで「インピンジメント(障害)の発生率が高い」と出ていたとしても、他の要素がそれを代償し、相殺し、インピンジメント(障害)の発生を抑えている可能性もあります。

しかもそのデータを組み合わせれば、無限と言っていいほどのパターンがあるのです。

だから「このタイプは障害がでます」なんて判断できないし、ましてや「ケガをしやすいです」なんて予測を立てるのも思ったより困難な作業なんです。

ちなみに、そのパターンは勉強は繰り返し繰り返し行い、なんとなく分かったような気になります。
そして臨床をしながら葛藤することで”おっ!”という発見がある。
そんな感じです。
でもまだまだ分かっていないことの方が断然多いのです。

あとは感覚とか経験とかいった不確定要素。
”嗅覚”と言った方が分かりやすいのかな。不思議と的中することがあるんですよね。
昔、夢は何故見るのか?という話を聞いた覚えがあって、
「記憶を統合するために人は夢を見る」と言っていたと思います。
もしかすると、そんな無意識にも似た感覚が、嗅覚を助けているのかもしれません。

もちろん「当たればラッキー!」のあてずっぽの世界とは違いますよ。


なんて、酔いながら真面目な記事を書いてみました。
書きながら、ちょっと眠たくなってきた‥。 

では今から”嗅覚”を鍛えてきます。
(↑冗談です。笑っといてね。^^;)
早いけど、おやすみなさ~い。

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