俺、隠岐に立つ

11年間の島暮らしを終え、ワイン農家を目指して岡山へ。
グッドライフを探す旅と美味しいものを綴ります。

旅立ちの朝

2022-04-04 | 島暮らし術

2022年3月27日。

11年間半暮らした海士町を離れ、お世話になった方々にお別れを告げる瞬間。

本当に多くの方に見送っていただきながら新しい暮らしに向けて第一歩を踏み出しました。

 

仕事を振り返ると言っておきながら引越し作業に忙殺されて1回しか書けてない中ですが、

この日のことだけは真っ先に書いておきたい、そんな一日でした。

仕事のことはまた後程振り返らせていただくとして、、、

引越しの6日前には自転車3台と草刈機やキャンプ用の椅子、畑のブドウ苗などとにかく

かさばるものを載せて愛車の軽トラック(19万キロ!)で岡山へ。

高速道路を走ったらバラバラになると脅かされたので、下道でオーバーヒートに怯えながらなんとか到着。

寝袋で一夜を過ごし、翌日はバスと特急やくもを乗り継いで再び海士町へ。

引越し作業は連日深夜にまで及び、そこから残っているワインを飲みながら作業漏れが無いかチェック。

毎日寝不足でした。

どうにかこうにか部屋も片付き、合間を見てお世話になった方々に最後まで挨拶。

最終日には次男の卒園式と謝恩会を控え、部屋の引き渡しもあり最後まで気が抜けない。

ひょっとしたら海士町にいた11年半で一番忙しい一週間だったかも。

すべてが無事に終わり、最後にお世話になったのは初めて海士町に来た時にお世話になったお宿。

当時はまだ子供もおらず、二人で食事しながら何度も酒のおかわりをするもんだからおかみさんがめんどくさくなって

一升瓶を持ってきて好きなだけ飲みなさいと言われたのもいい思い出。

久しぶりにゆっくりと朝食をいただく。

出発直前、海の中を覗き込んで何を考えていたのかな。

と思ったら、「魚いるっ!」でした。

 

 

車をフェリーに積み込む関係で港に早めの到着。

あれ、誰も居ない^^

 

と思ってたら、あれよあれよという間にあの人もこの人も。

気がつけば家族もバラバラ、それぞれに友達や大切な人たちとのお別れを。

そして、あっという間にフェリーが港に到着。

家族は歩いて乗船口から、私は車を運転して車両甲板へ。

はやる気持ちを抑えて階段を駆け上がり、デッキに出た瞬間に目に飛び込んできたのがこの光景でした。

上から見ていると、ひとりひとりと目が合っているのがわかるのが驚きでした。

あの人この人こぞってみんな

見つめ合ってはうなずき合って

中には下にいた時に出会えてなかった人もいっぱい来てくれていて。

感謝で胸がいっぱいになりました。

重たかった紙テープ。

沢山のご縁をいただきました。

そして、さらにサプライズ。

いつも遊んでもらっていたご家族が船で見送りに来てくれて、しばし並走。

 

本当に、今までありがとうございました。

 

そして、これからもよろしくお願いいたします。

 

 

 

というわけで、次回よりもう少しふり返りにお付き合いくださいませ。

 

 


仕事の振り返り① そもそもなんで漁協で働いてたの?

2022-03-17 | 漁業

前回の続き。

これから島の漁業や「魚のある暮らし」に携わってみようという人が出てきてくれることを願って、

少しの間自分なりに感じたことや考えてきたことをまとめてみようと思います。

前回の終わりに最初の仕事として「ネットショップ」の立ち上げについて書くと言ってましたが、

その前にそもそもなんで漁協で働いていたのかについて触れたいと思います。

 

私の最初のキャリアは出版社で、本や雑誌を通じて幸せな価値観を発信したいと考えていました。

仕事で出会う「作家」や「著者」という人たちは「テーマ」を持っていて、その熱量に触れるにつれ、

より自分自身が世の中に貢献したいテーマは何だろうと考えるようになりました。

 

出張で訪れる日本各地の多様で特徴的な魚食文化に惹かれていた私は、

「魚のいない海」という1冊の本を読んでその魚が食べられなくなる時代が来るかもしれないという現状を知り、

その問題に対してアクションをしたいと思うようになったのでした。

8年半携わった出版の仕事ではベストセラーに関わることができ、著者の想いを伝えきれた達成感を感じていたことで、

「伝える」ことが漁業にも必要なんじゃないかと思ったのです。

 

一口に漁業と言っても、魚との関わり方は様々です。

漁師さんのように魚を獲る人もいれば、市場や魚屋さんのように流通を担う人もいる。

どんな仕事をしようかと考えていた時に「海士町」に出会ったのでした。

 

人口わずか2,400人ほど(当時)の離島でありながら、いわがき「春香」のブランド化や

CASという特殊な冷凍技術をいち早く導入して注目を集める島。

聞いたこともなかった島だからこそ、そこで取り組んでいる人たちに会ってみたくなったのでした。

そして初めて訪れたのが2010年の5月のこと。

数日間の滞在を経て、島の人たちと自然の魅力に取りつかれた私たち夫婦は、

5年以内くらいに海士町で暮らしたいと思うようになりました。

 

東京の日常に戻り、仕事をしながらもどこかに海士町のことが頭から離れません。

そんなとき、海士町漁協の求人情報を知ってその日に応募し、面接のため再び島へ。

帰り道の途中に採用の知らせを受けて、翌日会社には辞表を提出。

初めて島を訪れてから4か月後に、移住してしまったのでした。

 

 

そんなわけで、いつか魚が食べられなくなるかもしれないと知ったことで

「そうじゃない未来」のために働きたいと思ったことがすべてのきっかけでした。

 

次回、最初の仕事「ネットショップの立ち上げ」について、今度こそ書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最終出社日をむかえて

2022-03-16 | 魚食

2010年の10月から約11年半お世話になっていた職場「海士町漁業協同組合」での勤務を終え、

有給休暇2日目にこの記事を書いています。

 

とても温かい職場で、先日開いていただいた送別会では思い出しただけで涙腺が緩む忘れられない思い出をいただきました。

仕事に関しては一段落したものの、まだまだやらなきゃいけないこと、やりたいことはあったというのが本音のところ。

これから島の漁業や「魚のある暮らし」に携わってみようという人が出てきてくれることを願って、

少しの間自分なりに感じたことや考えてきたことをまとめてみようと思います。

 

それに先立って、「海士町複業協同組合」という漁協と一文字違いの組織から

半年に渡って仕事を助けてくれていた方がステキな記事を書いてくださったのでご紹介させていただきます。

 

次回は最初の仕事、ネット通販事業の立ち上げについて書きたいと思います。

 


第11回まるどマーケットが開催されました

2022-03-14 | 海士の食

少し遅くなってしまいましたが、2022年3月5日(土)に第11回まるどマーケットが開催されました。

この日は雨こそなかったものの春の嵐とも呼ぶべき強風で、急遽テント無しで「青空市」となりました。

今回から受付ブースに看板がお目見え。

受付を運営してくれたのは企業研修で海士町を訪れていたトヨタ自動車の技術者の方々。

技能五輪という世界を舞台に日々研鑽を積んでらっしゃる人たちに「まるど」らしい受付って

どんなものだろうかと議論をさせていただき、結果生み出された笑顔認証受付システムが登場しました。

 

来場者にカメラの前に立っていただき、笑顔を見せてもらうと自動的に検温と

写真を記録してくれるというすごいシステム。

アイデアだしから2日後に目の前にそれが現れるという驚異のスピード。

 

何より、受付が楽しいものになって来場者たちの笑顔が集まるということが一番うれしかったです。

漁協ブースではいわがきの解禁を祝って特別セールを開催しました。

ここにも笑顔が^^

今回も小学生出店チームがデコピンチロル。

前回楽しそうな参加者の様子を見ていたので合間を見てチャレンジするも、記録は16個。

40個には遠く及ばず・・・

今回一番早かった完売ブースはフキ味噌チーズホットドック。

ストーブの上で温め可能な点も良かったですね。

この日も美味しいコーヒーいただきました。

自家焙煎コーヒーが飲める日が楽しみです。

REICUREIさんではサバカレーをルーのみ購入して晩ご飯にいただきました。

サバのゴロっと感も良く、美味しかった~。

こちらは前回に引き続いてのイカ焼き。

結構食べ応えあって美味しかった。次はキムチ・チーズにも挑戦してみたい。

アヅマ堂さんではレモンカードを購入。

知らなかったんだけど、スコーンにつけて食べたりするということ。

ちょっと味見させてもらったらとても美味しかったので♪

つなかけさんではサンドイッチセットが!

暖かくなってきて隠岐神社の外苑でピクニックなど楽しめる季節になりましたね。

海士物産では新商品、こじょチーズライスボールを購入。

これはなかなか楽しい。

海士町の港にある「島じゃ常識商店」のホットスナックコーナーでも食べられるようになるといいのに。

そして今回は体験アクティビティが充実しておりました。

技能五輪ブースでは訓練メニューと海士町ならではのものを掛け合わせたトレーニングが受けれます。

落とした小石を何個サザエの殻に入れることができるかを競うメニューは、とってもシュールな見た目でたまらず

動画をとってしまった。

そして竹を使ったMY箸づくりのワークショップも開催されました。

 

食べ物以外も充実してくると滞在時間が伸びて皆さん楽しそうでした。

 

私は運営メンバーとしては一旦今回が最後となりましたが、

今度は出来上がったワインを持参して参加したいと思います。

来月(4月2日)のまるどマーケットもよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 


第11回まるどマーケットが開催されます

2022-02-28 | 海士の食

ここ最近、島で取り組んできたことを取材してもらう機会に恵まれている。

記事を読んでとても嬉しい気持ちになったので、ご紹介。

blogに書くという行為は、自分にとっては頭の整理に大いに役立つ。

しかし、それ以上に人にじっくりと話を聞いてもらうことは考えがまとまるように思う。

時には別のアイデアと結びついたり、新しい言葉が降ってきたり。 

ようやく1周年を迎えておぼろげながら形ができつつある「まるどマーケット」。

なかなかコンセプトが言葉にできなかったのですが、この記事には上手に表現してもらえたように思います。

そんな「まるどマーケット」が3月5日(土)に開催されます。

漁協ブースでは3月1日に解禁を迎える海士町のいわがきをお届けしたいと思います。

このイベントだけの特別解禁SALE!

ぜひ足をお運びください。

 

概要は下記の通り。

日時:2021年3月5日(土曜) 8:30〜11:00
場所:つなかけ前
駐車場:つなかけ前、隠岐神社向かいの砂利のところ
※雨天・強風中止、小雨決行
※キンニャモニャセンター8:10発→隠岐神社8:24着のバスをご利用ください。
※来場時には、検温ブースにて検温と記名のご協力お願いします。
※エコバッグなど入れ物をご持参ください。
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《出店者一覧》
◉こどもカンパニー(チロルチョコゲーム)
◉REICUREI(インドカレーカレーなど)
◉つなかけ(パン、菓子、ステンシルWSなど)
◉アヅマ堂ベイクショップ(パン、焼き菓子など)
◉カオコイコーヒー(コーヒー)
◉紺屋(イカ焼き)
◉海士町漁協(岩牡蠣)
◉海士物産(サザエコロッケ)
◉あなぐま(ホットドッグ)
◉JICA(竹箸作りWS)
◉(株)風と土と×TOYOTA(coming soon…)

<同時開催>

『ステンシルワークショップ』の第2弾と『桜風舎 蚤の市』