５月３日

　5月３日
　晴、曇り。朝６時の屋外の気温は１７℃であった。早朝の時事放談は御厨貴氏の司会の下に元外務官僚の田中均氏と元法務大臣の増田氏とが先日行なわれた日米首脳会談、米国議会での安倍首相の演説、日米関係、日中韓の関係などについて論評していた。

　今日は憲法記念日なのだが、以前のように大騒ぎをしなくなっているようだ。今の日本国憲法が施行された昭和２２年の５月３日頃における私は親許を離れて、当時通学していた学校があった東北地方の地方都市で下宿生活をしていた

　昭和２０年代の初期のわが国は大東亜戦争で連合国軍に負けた結果、物凄いインフレーションの嵐の中で、食糧は勿論、生活に必要な多くの物資が配給制で、街の商店の多くは休業状態であり、飲食店で食事をするのには市役所で発行した外食券が必要記念であるなど、統制経済下での日常生活の実態は非常に窮屈であったことなどを、ふと思いだした。
　
　あの頃の日本国は国敗れて山河ありという状態であり、日本の代表的な電気会社の工場見学に行った時に、爆撃されて屋上が無くなっている３階建ての工場の１階で天井からの雨洩りのある状態の場所で真空管を作っていたり、爆撃を免れて残っていた立派な工作機械には○○国への賠償機械という立札がつけられていた状態であったりしていたのを見て、日本国の将来はどうなるのだろう？　と空を見上げて暗い気持ちになったのだった。

　あの頃から６０数年を経た現在の日本国の状態は、新憲法が施行された当時には夢にも思い描けなかったような幸せな状態なのだ。今、ＴＶ受像機からは各政党の人達が安全保障法制に関して議論を闘わせている声が聞こえてきているが、その議論の声を聴きながら６０数年前に新憲法が施行された時点に頭の中に描いていた新憲法下での日本の姿とは異なった姿の日本が頭の中に浮かんできた。

　　 憲法の　記念日に想う　国のこと 　　徘（徊）人 okinatchi