野叟解嘲(やそうかいとう)ー町医者の言い訳ー

老医師が、自ら患者となった体験から様々な症状を記録。その他、日頃、感じていることや考えていることを語ります。

闘病のつづき

2023年01月09日 | 日記

前回、右膝(脛骨)の痛みをお話ししましたが、これが改善した後、今度は腓骨頭に痛みが出てきました。鵞足の時と同じように大腿に触れてみると、今度は大腿二頭筋の緊張が強くなっていました。(写真矢印)

前回同様、座った時に背中を丸めて、顎を出す、老人の姿勢をとるように心掛けたところ、これも軽快しました。

一体、何が起きているのだろうと考えました。おそらく次の絵に示すように、背中(腰)を無意識に防御する姿勢をとり続けていたものと想像します。自覚的には手術直後から、一貫して全く腰や傷に痛みは感じていなかったのですが、体は侵害刺激に反応していたのでしょう。通常、赤矢印のように背中や腰の辺りに何かがぶつかった場合、反射的に体が反り返ると思います。所謂、「屁っ放り腰」」の格好です。

この時、次の図に示すように大腿後面の筋群は骨盤の回旋に伴って、下腿を引っ張ります

。ハムストリングスは坐骨結節に起始し、脛骨内側面に一部が終止します。大腿二頭筋は同じく坐骨結節に始まり、一部が腓骨頭に終わります。それほど強い力でなくとも、引っ張り続けることでそれぞれの筋の終わる骨の骨膜には負担がかかったものと想像しています。

いずれにしろ、どうにか解決しましたが、腰の病変で膝(下腿)が痛くなることもあるという1例です。

ここまで術後経過の一部を紹介してきましたが、誤解していただきたくないのは、手術に対する不満を並べているのではないということです。手術直後のところで書いたと思いますが、麻酔が覚めた直後から、ヘルニアによる激痛や、馬尾神経障害によるシビレから完全に解放され、執刀してくださった先生、麻酔を担当してくださった先生、その他のスタッフの皆さんには深く感謝しているものです。

小生が紹介しているのは、「こんな症状も出る」ということを、経験の浅い先生方に知ってもらいたいというのが一番の目的です。それを忘れないでください。

次回以降、まだまだ闘病は続いていきます。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿