山あれば山を観る
雨の日は雨を聴く
春夏秋冬
あしたもよろし ゆふべもよろし
すなほに咲いて白い花なり
種田山頭火
梅雨です。
どこもかしこも湿っぽくて、
お掃除ワイパーの布が思うように滑らない、と
担当の子ども(中2)がぶーぶー言っています。
私もキッチンがなんとなくヌメっとしてて、
すっきりしない季節だよなぁ~と。
あ、すごい雨です。
ざざざ~~~~~って急に音が大きくなりました。
雨を聴きながら書いている土曜日の午後。
庭に目を転じると、
家庭菜園のキュウリの葉っぱが青々と水をはじいて揺れています。
夏になれば、下の方が枯れて、灼熱イメージになるけど、
今はまだ、緑が滴っています。
いいなぁ。
そういえば、俳句の世界では、
山の様子を表す言葉として、
「春笑う、夏滴る、秋装う、冬眠る」
っていうんでしたよね。
素敵な言葉たちです。
まさに、夏が滴っています。
再開したばかりの図書館から
「予約本が用意できました」のお知らせがあったので、
2日前に行ったばかりなのに、もう一度出かけます。
わざわざ歩いて30分。いつもは車です。
1週間前、長靴を新調したからです。
長い間、車通勤だったせいもあり、
なくて済むものは持ちたくないこともあり、
「長靴」というアイテムを持っていませんでした。
でも、散歩が好きになって、梅雨時も歩きたいな~と。
新しい長靴(イマドキは軽いのがあるのね)を履いて、
公園を横切っていくと、大きな水たまり。
迷わずまっすぐ入って行きました。
大人なんだけどウキウキしながら、
じゃぼじゃぼじゃぼじゃぼ(^^)。
水たまりを迂回せずにまっすぐ通ったのなんて、
いつぶりかしら。
長靴って、無敵!! 中は完全に快適です。
やるな~。
ついでに、雨が一か所から落ちて来る軒下を通って、
傘に当たる強い水圧を感じながら
ボゴゴゴゴゴという音を楽しみ、
「長靴ひとつでこんなに楽しめるって、安上り」
と一人クスクス忍び笑い。
そうやって歩いている間、
冒頭の句を思い浮かべていました。
20代の頃に妙に心惹かれた、放浪の詩人。
山あれば山を観る
雨の日は雨を聴く
春夏秋冬
あしたもよろし ゆふべもよろし
すなほに咲いて白い花なり
種田山頭火
捨て身で言葉を下ろしてきた印象ゆえ、でしょうか。
若い頃はひそかに憧れていたけれど、
今はそれすらおこがましくて、
下ろしてもらった言葉の輝きに照らされるばかりです。
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