大人になってから再びピアノを習い出して、
パッヘルベルのカノン、ドビュッシーのアラベスク
ブラームスのラプソディ1番、ベートーベンの月光ソナタ
と、練習してきました。
「月光」が少しずつ形になってきた2週間ほど前から、
先生に「次は何を弾きますか?」と聞かれています。
「やりたい」から始まるのが、オトナピアノの喜び。
「ラプソディ」も「月光」も、めっちゃ早い上に、
ツキ指しそうなくらい激しい所がいっぱいあって、
ウデも指も結構疲れるので、長くは弾けません。
(長く弾くと指が縺れて音を外す…)。
激しい曲も大好きなんだけど、
冬にはもうちょっと切ない
情緒あふれる透明なオトナピアノが弾きたい気分です。
そして、いろんな作曲家とつきあいたいので、
今回はショパン希望。
あんまり曲を知らないので相談してみました。
「短調で、どみそ~みたいな単純な和音じゃなくて、
ワルツかノクターンくらいの小さいサイズで、
大人っぽいオススメの曲ありますか?
ちなみに今度はショパン希望」と、
ピアノの詩人様に臆面もなくラブコール。
「ちょっと考えてみます」とお引き受けくださって2週間後。
「これ、どうですか?」と提案されたのが、
ショパンのノクターンから「遺作」とあと1曲。
って、コレはタイトルじゃないのか?
20番嬰ハ短調。
21番があるのに20番が遺作とはいかに??
まぁ、そーゆーのも、そのうち。
とりあえず、どんな曲かな~♪
おお~~~~~~~~楽譜が色白だ。
音符が少なくて、楽譜の見た目が白い(^^)。
大体、あの曲だなってことはわかったけど、
音の重なり、どんなだっけ(←譜読み苦手)?
きっと複雑で繊細な音に違いない!
そう言って喜んでいる私に、
先生が
「こう見えて意外と難しいんですよね」と予言。
あら、そーなの?
確かに、楽譜をよく見ると、
3連符ならぬ、ナゾの35連符!?
って、35って4で割れませんけど、
コレ、きっちり拍に乗せるんスか??
そして、最後がピアノ3つ。
どれだけ小さな音が鳴るせるか鳴らせないか、
最後の最後の音まで緊張が続きそうです。
じゃぁ~ん!って終われたらラクなんだけど、
最後に音が鳴らずに「カスッ」って終わる可能性が…。
小さい音出すのも音の粒を揃えてキラキラ弾くのも
全然できないからなぁ。
大人にこそ似合いそうな曲だけど、
こんなにいい加減な性格で弾けるんだろうか…。
そんなこんなで楽譜を見て妄想し、
帰って曲を聞いてみました。
わお!!! オトナだ。切ない。美しい。
痛みや苦さを知ってなお、キラキラの小さな星だ!
繊細すぎるほど、すごーーく繊細で、
しかも、強くてしなやかで優しい!
美しいけど、神じゃなくて、明らかに人間。
改めてすごいなぁ。身の程をわきまえずに、
ただ弾きたいだけの生徒の無邪気なリクエストに
きっちり答えてくださる先生、スゴイです。
曲を聞きながら楽譜を見ていた時、
ピッタリのにじみ絵があったはず、と思い出し、
楽譜に表紙をつけてみた。うん、似合う!
下に町並みや木立の影でもつけてみようかしら。
よし。嫁入り準備は整った。
ショパンさん、来年はどうぞよろしくお願いします。
ショパンノクターン 20 遺作
(↑アシュケナージの演奏。最後から2番目)
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