天気はいいけど、そのせいで寒い朝だった。空気がピーンと張りつめているみたいで、しばらく立っていると手が痛かった。
勝負は午後からだと思っても、モモヒキのせいで温かい店内にいるのも落ち着かない。僕はもう一度外に出て、店内を見た。アネキのPOPでいくらかカラフルになったけど、店全体の印象はジミなままだった。
1組めの親子が10時すぎに通った。厚いコートを着た幼稚園くらいの男の子は、マスクをかけて赤い顔をしている。病院帰りだろうと思い、声をかけるのはやめた。
店の前を通りすぎる瞬間、マスクの子がお母さんを立ち止まらせた。「注射痛かったんだよ。でも泣かなかったでしょ」
男の子の目がPOPのイラストを見ている。元気いっぱいの子供たちがうらやましいのかと僕は思った。「ガクちゃん、おダンゴ食べれるよ」。お母さんはすこし困った顔をしたけど、ダンゴより安いこだいふくを見つけてガクちゃんに言った。「こだいふくの男の子、ガクちゃんに似てるね」
アネキのイラストは単純な線だけど、だれかに似ているように見える。さすがだ。
勝負は午後からだと思っても、モモヒキのせいで温かい店内にいるのも落ち着かない。僕はもう一度外に出て、店内を見た。アネキのPOPでいくらかカラフルになったけど、店全体の印象はジミなままだった。
1組めの親子が10時すぎに通った。厚いコートを着た幼稚園くらいの男の子は、マスクをかけて赤い顔をしている。病院帰りだろうと思い、声をかけるのはやめた。
店の前を通りすぎる瞬間、マスクの子がお母さんを立ち止まらせた。「注射痛かったんだよ。でも泣かなかったでしょ」
男の子の目がPOPのイラストを見ている。元気いっぱいの子供たちがうらやましいのかと僕は思った。「ガクちゃん、おダンゴ食べれるよ」。お母さんはすこし困った顔をしたけど、ダンゴより安いこだいふくを見つけてガクちゃんに言った。「こだいふくの男の子、ガクちゃんに似てるね」
アネキのイラストは単純な線だけど、だれかに似ているように見える。さすがだ。