On The Road

小説『On The Road』と、作者と、読者のページです。はじめての方は、「小説の先頭へGO!」からどうぞ。

第7話-2

2011-01-19 20:02:00 | OnTheRoadSSS
 4人の男性キャラが活躍すると、ショートカットのイエローが飛び上がって喜び、髪の長いインディゴブルーはややクールにほほ笑んで男達の健闘を讃えることになっているらしく、読者のAさん(33歳)は「イエローのこの姿が見たくて、毎日台に向かっているんです」と語っている。
 「黄さんが読んだら喜ぶでしょうね」
 青山は休憩室のマガジンラックにパチ・パラを差し込んだ。
 「どうかな?女の振りして相手を困らせるのは好きそうだけど、シャオロン君も男だから」
 村崎はパチ・パラの上に少年ジャンプを重ねた。

 「まあ、パチンコも楽しむ程度にやるならいいけど、ハマっちゃうと地獄みたいだから、この雑誌は仲間にはあんまり見せないほうがいいかもですね」

 青山はコーヒーの紙コップをクシャッとつぶしてゴミ箱に投げ捨てた。「風呂、浴びてきます」
 「俺はメシの前に入るよ。お疲れ」

 村崎は休憩室の明かりを消して、トレーニングルームに向かった。マシンで5キロぐらい走って、筋トレをしてから風呂に入ろう。
 この前の電話で、最近面白いCRの台があると母が言っていた。まさか、ハマってないだろうな?と村崎は考えた。母親が息子をパクッたパチンコ台に大枚を注ぎ込んだりしたら、笑うに笑えない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。