僕がいつもより早く着いたのに、サトウさんは店の掃除をして待っていた。ショーケースの中はきれいに拭きあげられて、春っぽいピンクや薄い緑の和菓子が並んでいる。
「早く行っても銀行はやってないぞ」と言いながら、サトウさんはライトバンのキーを出した。「商店街を一回りしてみようか」
僕は黙ってキーを受け取った。どこかの神社の交通安全のお守りがついていて、サトウさんっぽくないからアキエさんがつけたんだろうと思った。
ライトバンの運転席に座ってブレーキペダルを踏んだ。ハンドルが近すぎて、僕はシートを後ろに移動した。ルームミラーの角度を変えて、キーを差し込んでイグニッションをまわす。
はじめて路上教習に出たときの緊張がおそってきた。サトウさんが店のシャッターを下ろして助手席に座った。
「よろしくお願いします」と僕は言ってゆっくりアクセルを踏んだ。
「早く行っても銀行はやってないぞ」と言いながら、サトウさんはライトバンのキーを出した。「商店街を一回りしてみようか」
僕は黙ってキーを受け取った。どこかの神社の交通安全のお守りがついていて、サトウさんっぽくないからアキエさんがつけたんだろうと思った。
ライトバンの運転席に座ってブレーキペダルを踏んだ。ハンドルが近すぎて、僕はシートを後ろに移動した。ルームミラーの角度を変えて、キーを差し込んでイグニッションをまわす。
はじめて路上教習に出たときの緊張がおそってきた。サトウさんが店のシャッターを下ろして助手席に座った。
「よろしくお願いします」と僕は言ってゆっくりアクセルを踏んだ。