民主党代表選が行われ、ともかく常識的な結果になったと私は思った。おそらく、この代表が日本国の首相に選出されるであろう。党員・サポーター→地方議員→国会議員と段々と国民の意識から離れていく。段々と国民目線から離れていく。議院内閣制の最大の弱点であろう。
しかし、大統領制のような二元代表選挙であっても、その機能が十分に発揮できるとも言えない。それは日本の多くの自治体での馴れ合い的な自治が行われている例がある。首長は自分のやりたいことを列挙する。議員は地元と首長の顔色を覗いながら、発言し行動する。残念ながら、そこには自治体全体も自治体内の住民も存在しない。
現在、選挙が行われるたびに「マニフェスト」が大流行である。「これをする」「あれをする」などと列記されたマニフェストほどどうにもならないものはない。それが総花的であれば尚更である。マニフェストで重要なのは、第一にビジョンがあること。そして、そのビジョンに基づいて、財源の裏付けある政策が列挙されていなければならない。
これもする、あれもするなどと列挙を連ねたマニフェストなどは、選挙対策以外の何ものでもない。そんな列挙型のマニフェストをこなしていくことが選挙公約の実現であるなどとして、行政に携わる首長の下にいる自治体やその自治体の住民ほど迷惑なものはない。
しっかりとしたビジョンを持つ首長なら、将来のために今、こうすべきであり、こうすることにより、こういう恩恵を住民に享受することができると説明できるはずである。今回の選挙は民主党員以外は投票することができなかったが、これからの選挙の投票は、列挙型の候補者に惑わされないようにしたい。