カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

風の強い日

2011年11月08日 | 王様

 

とても風の強い一日でした。

我が家の守り神、巨大な椰子の木もゴーゴーと音を立てて風になびいています。

ヘリコプターみたいに、このまま飛んで行ってしまいそうな程。

この時期、こんな風に風が吹き荒れることがよく有ります。

雲は全部吹き飛ばされて、夏の青空よりもずっとずっと高い真っ青な空。

一見さわやかな景色に見えますが、空気はとってーも乾燥していて、

残念ながら快適とはほど遠いデス。


午後になって少し風も治まったので、玄関を開けて様子を見ると・・・・



プールもこの有様です。

せっかく午前中プール掃除のお兄さんが来てくれてたのに・・・・・


んも~っ!早くドアを閉めて下さいなっ!風が吹き込みますからっ!

 

強い風が嫌いな王様、こういう日の機嫌はよろしくないです。

外では色んなものが風で吹き飛ばされ、聞き慣れない音が聞こえて、

全然お昼寝出来なかったり、

乾燥で毛皮に静電気が起きているらしく、突然しっぽめがけて一回転したり、

変な格好で飛び上がったりして。

見ている私は面白いんですけどね。


今夜から、気温がグッと下がるらしい。


そんな夜には、暖炉。

うん、今夜は暖炉に火を入れさせよう。

前の年にバーテンダーが庭から切り出した木を乾燥させた薪を、週末出して来たばかり。

写真は家の周りを取り囲んでいる百日紅の枝です。

時々オレンジやレモンの枝も混じるのですが、燃やすと柑橘系のとーっても良い香り。

王様ーっ!

なにっ?

機嫌悪いよね?


べつに・・・



ほら、やっぱり機嫌悪いじゃん。

明日になれば、風は止むって、天気予報で言ってたよ。

・・・・・・

今夜は暖炉に火を点けようよ。

だんろ????



え~と、だんろってなんだっけ?



あっ、おもいだした!


 

はやくよるにな~れ

 

こんやはだんろのまえで、ねるんだ。

 

 あ~あ、明日は朝から庭掃除でございますー。

 

では


 

 


犬のポーズ

2011年10月18日 | 王様

ご家族の一員に、人間以外の生き物がおられる方は皆さんそうではないかと思いますが、

彼らの健康管理には神経をすり減らすものでございます。

なぜなら動物は言葉で体調不良を訴えることはしませんし、

元気そうに見えて元気とは限らない嘘つきだからです。

 

こんな人聞きの悪いことを申しますのには理由があります。

私の親族にニワトリの研究をしている男が居りまして、彼が申しますに、

ニワトリが肉食獣から身を守る術は逃げることだけで、

群れなすニワトリの中で狙われるのは、弱って逃げる体力の無いニワトリさん。

弱っているかどうかは見た目で判断するしか有りません。

そこでニワトリは、弱っていることを見抜かれない為に、

何かの病気で命が後数時間しか無い様な状況でも、餌を食べ続けてみせるのだそうです。

弱い動物は多かれ少なかれ同様の行動をとる傾向にあるとな。

何と強い生への執着心でしょうか!

この話しを聞きまして、私は色々な意味で反省すべき点があると思いました。

動物が弱みを見せることは死を意味するのですね。

そんな命懸けの嘘をつく、愛すべき動物達の健康状態を知り、

しかるべき処置が出来るのは、人間だけの様な気が致します。

 

どよ~ん

あれ!どうしたのサ?元気無いじゃない?

ひみつ、教えない。だけど・・・・・

どよ~ん

 

王様の場合、今までの経験上元気が無いのはお腹が空いている時とお腹が痛い時。

今は食後なので、お腹が空いているとは言わせない。ならば腹痛を疑うべし。

王様は、お腹が痛くなるとヨガの「イヌのポーズ」を頻繁に致します。

 


<mongrelsoftheworld.wordpress.com>

こういう上級者向けのでは無いですよ!

 


<http://funkidsyoga.com>

こちらの初心者向けの方です。

 

ある日私は、腹痛に犬のポーズはそんなに効果があるのかと実践してみました。

効果はありますよ。腹痛が和らぎます。よろしければお試しください。

案の定、この後せっせと初級ヨガを始めた王様。


<http://www.dogcentral.info/yoga-dogs/>

まあ、大雑把にはこんな感じ。


残念ながら、今回は効き目が無かったらしく、

この夜私は2時間おきに王様のトイレにお伴致しました。

 

モチロン翌朝一番で病院に行きました。

この、病院に連れて行くタイミングも悩みどころです。

サッサと連れて行くべきという考え方もごもっともですが、

王様のように診察台の上に載せると腰を抜かしてへたり込む様なヘタレデリケートな犬を、

むやみやたらと病院に連れて行くことはどうなのか?返って逆効果?

必要なら私は24時間見張っていられる環境なので、しばらく様子を見ることも有ります。

でも、今回はタイムリミット。

腰を抜かす王様をドクターと一緒に持ち上げながら、入念にチェックして頂きました。

結果はもちろん、全然大した事無い


で、注射をして、こんなものを頂いて来ました。

錠剤の飲み薬の他に、この注射器の様な器具で、

ピンク色のドロッとした液体のお薬を飲ませます。

「これは一回に3cc飲ませてね~」「は~い」・・・どころではございませんでした。

飲ませられない。 王様の口の周りと私の洋服がピンクのドロドロになるだけで、

王様のお腹の中には入って行かないのです。

口の周りをピンクに染めて、うつろな目で私を見上げる王様を、

写真に残しておけばよかったのですが、無理。面白すぎて撮り忘れました。

困って困って困っていたら、You-Tube にて、液体のお薬の飲ませ方発見

本当に、素敵な時代になったものです。

 

さっ!ぶらっしんぐ をおねがいします~


そんなこんなで、お薬を飲むや否や、まるで仮病だったかの様に元気を回復した王様。

王様が行きたがるし、ドクターにも特に止められなかったので、お散歩に。

帰って来ると、プルメリアに縁取られた王様専用のブラッシング台に飛び乗って満面の笑み。

そうですか、良くなりましたか。

色々言いたいことも有るケド、元気になって良かったよ。

私、ゆうべは一睡もしてないんだから、後でお昼寝付き合ってよねっ。


いいよー

だけどその前にゴハン大盛りね

 

何はともあれ、元気が一番ですね。

では



 


王様のお誕生日

2011年10月06日 | 王様

 

ねえ王様。



なに?

お誕生日おめでとう



えへへ



これね、プレゼント。



何それ?食べれる?

外側は食べられないけど・・・サ。

一応、心を込めて作ってみた。寸法もぴったりにしてみた。

ふ~ん

中にイイもの入ってるよ。

これは王様専用のおやつ入れだよ。



王様が大好きなターキージャーキー。


ねえねえ、ウィンちゃん

な~に?

”たんじょうび”って何?

知らな~い。

ウィンちゃんも知らないんだー。

ボクも知らない。

だけど、美味しいモノいっぱい貰ったんだよ。

お昼寝の後で一緒に食べようね

 

王様が家にやって来た日のこと、私は忘れないよ。

王様が二人も乗れる様な大きなふかふかの新しいベッドと、

沢山の御飯と大きな骨のおやつ。

新しい真っ赤な首輪を付けてたよね。

私のところに来る為に、全部買ってもらったんだね。

あの場所から助けられて、この家の準備ができるまでしばらくの間だったけれど、

彼らの家で愛されて愛されて、大切にされていたことがすぐ判ったよ。

やっと大好きな人が出来たのに、安心出来る場所だと思ったのに・・・・

ある夜車に乗せられて、気がつくと見たことのない家の玄関に立っていた。

どんな気持ちだったんだろう。

不安だったね、怖かったね、また捨てられると思ったよね。

置いて行かないで!一緒に連れてって!

閉まったドアに何度も何度もジャンプしているあなたを見て、私は胸が張り裂けそうだった。

あなたにもう二度と辛い思いをさせない決心をしてこの家に連れて来たはずなのに、

そんな私があなたに最初にしたことは、初めて出来た大好きな人から引き離すことだった。

ごめん。本当にごめん。

だけど王様、ちゃんと見ててね。

私はこれからの一生をかけて、私が王様を絶対に裏切らないことを証明するからサ。

私を許してくれて有り難う。信じてくれて有り難う。

王様、7歳のお誕生日おめでとう

 

一週間程お休み致します。

季節の変わり目、どちら様もお風邪など召しませぬ様。

では



王様の夏

2011年08月04日 | 王様

8月になりますと、夏が突然歩みを早める様な気が致します。

見えないところで、そっと秋が準備を始めている気配を感じる事があります。

 

王様が我が家に来てから三度目の夏。

本日も王様におかれましてはご機嫌麗しく・・・・・

涼しいお部屋の大好きな場所で、こんな具合です。

脱力もいい加減にして欲しい感じでございます。

この姿を見ていると、私まで何もする気が失くなります。

話しかけても完全無視です。

しつこく話しかけると、目だけ動かして一応こちらを向きます。

そして再び、うつろな表情で真夏の夢の中に戻ってしまう王様。

たま~にボールなんぞで遊んでみたりもしますが、

暑いのですぐに放り出します。

私に、『もう疲れたから、遊びたければお前一人で遊べ』等と申します。

 

 

4年前の夏。。。。。

飼い主に長い間虐待され続けた挙げ句、見捨てられた王様は一人で彷徨っていました。

暑い日差しの中、水も食べるものも無く。

ある日別の人間が四角い車でやって来て、彼を捕らえ、

シェルターに連れて行き、

狭い檻の中に閉じ込めました。

王様は今でもワンボックスカーに怯えます。


それでもようやく水と食べ物にありつけました。

でもそれから数日後、王様は今日が自分の最後の日だと告げられるのです。

動物にはこれから起こることなど何も解らないなどというのは人間の傲慢です。

間もなく自分の命が終わることを、彼らは必ず知っています。

勿論、殺すために捕まえたわけではありません。

けれども毎日毎日送り込まれて来る同じ境遇の動物達のために、

場所を空けなくてはならないのです。

動物達が安住の地を見つけるのに与えられた時間は、あまりに短いのです。


最期になるはずのあの日、もしも会えなかったら、

王様は今こうして私と夏を過ごしていてはくれませんでした。

私は幸せです。王様に会えたんだから。

だけど、王様はどうなんだろう?

王様から見たら、私も同じ人間なんだよね。

自分を虐めたり、命を終わらせたりしようとした人間のことを今でも思い出すのかな?

辛かったことや怖かったことを、これからもずっと覚えているのかな?

私は戻れるのなら王様が生まれた日に戻って王様を捜し出したい。

しっかり抱きしめて、絶対に腕を離さずに、

あなたは愛されるためだけに生まれて来たのだと伝え続けたい。

 

『私は、あの日死ねるはずの命を無理矢理助けたのだから、その一生に責任がある。』

これは私が大変尊敬する犬のレスキューをライフワークとしている方の言葉です。

私には、命を預かるという一事において、他のどんな言葉よりも心に響きます。


王様、今からでも遅くないかな?

私は一生をかけて、人間は他の動物を愛することの出来る生き物だと証明しようと思うよ。

だから一緒に居てね。

 


親の心子知らずの図

 

 

 


朝日の差し込む部屋で

2011年04月29日 | 王様

 

一年を通して、毎朝起きる時間に変わりはないのですが、

冬の間、目覚めてからしばらくは私の方が太陽が起きるのを待っていましたのに、

いつの間にかベッドルームの窓から差し込む朝日に起こされる季節になりました。

ベッドルームのドアが開くのを待ちかねて、王様は一目散にリビングの特等席に移動。

王様は朝が大の苦手。ここでもう一度寝るのです。

シェード越しに差し込む光が王様をシマシマ模様にしています。

コーヒーを飲みながら、再び寝ている王様を眺めていると、

刻々と光の位置が動いていくのが分かります。

さすがの王様も、スポットライトの眩しさに目を覚ましました。

が、まだぼんやりしています。何を考えているんだろう?

 

長く生きれば生きる程、人生の荷物や大切なものは増えていくのだと思っていました。

でも私の場合は違いました。

アレもコレもと欲張っていた頃も有りましたよ、もちろん。

沢山の出会いや別れを繰り返し、悲喜こもごもの経験を重ねて行くうちに、

自分の力量がどれほどの物かを思い知らされ、

人生の旅に持ち続けられる荷物はとても少ない事が身に沁みて来ました。

どうしても!

そう思うものはどんどん少なくなって行きます。

でもこれは私にとって寂しい事では有りません。

大切なもの達を100%の力ですべてを愛する事が出来る、

ちょうど良い分量になって来たという事です。

人の愛情は全部をトータルして100%というのでは有りません。

それぞれに100%づつの愛情を注ぐことが出来るのが嬉しい所です。

王様、お目覚めはいかが?

また今日も特別な一日が始まりますよ。

”大切なもの達を100%愛する今日”という特別な一日です。


どうかこのGWが貴方にとって、

大切なものを100%愛する為の心の休息となりますように。


Have wonderful, beautiful and loving holidays