カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

バスローブとナイトガウン

2011年10月29日 | Articles

” 私ね、昼間どんなに嫌な事があっても、夜お風呂にゆっくりはいると全部忘れちゃうんです。

悲しいこととか、悔しいこととか、心にこびりついたネガティブな汚れが洗い流されて、

明日も頑張ろう!って思えるんですよね "

 

昔、私のアシスタントとして働いてくれていた女の子が言っていました。

凄く昔のことなのに、その言葉がいつまでも心に残っていて、

バスルームで時々思い出したりします。

格言というほど重々しい言葉でもありませんし、

考えたこともなかった!という程衝撃的な一言でもないのにね。

多分私は、彼女の言葉の中に「一生懸命生きている」を感じたのだと思います。

華やかな世界の裏には、肉体的なハードさとか、女性同士の重々しい心の戦いとか、

夢やあこがれだけで生きて行くには、タフ過ぎる現実も有ったのですが、

それを他人のせいにしないで「ネガティブな心の汚れ」と言い切って、

お風呂の中で洗い流せる強さが好きだったのかな?と今改めて思います。

 

彼女の言葉を思い出した夜は、何だか懐かしくて、

バスローブにくるまったまま、しばらくぼんやりと過ごしたりします。


 

リビングルームに置いてあったラタンの椅子。

長椅子を購入したのでバスルームの入り口にお引っ越し。

私のリラックスタイムはこの場所で。



 

シャワーの後、部屋着やパジャマに着替える間の僅かなトランジッションタイムに、

私はバスローブを愛用しています。

ホテルに備えられている様な、分厚くて重くて、

着ているだけで身長が縮みそうなタオル地のものではなく、

軽くてサラッとした、オーガニックワッフルコットンの短めの丈のものです。

これは長年のお気に入りが有って、産地に出掛けると必ず何枚か買い込んできます。


 

もともとバスローブ愛用者だったのはバーテンダー。

案外いいものだから試してみたら?と贈っていただき、その魅力を知りました。

シャワーの余韻をほんのしばらく楽しむ為だけですが、私には欠かせないものです。

お気に入りのアロマに包まれながら、お肌の手入れをしたり、髪を乾かしたり・・・・・

毎日のローテーションの作業でも、一つ一つ丁寧にしておりますと、

今日も一日が無事に終わって行く幸せを感じます。



その後登場するのがナイトガウン。

こちらも誰もが絶対に必要なアイテムではないかも知れません。

でも何となく、必需品でないからこその魅力が有る様な気が致します。

夏はサテンのひらひらとした真っ白なものを愛用しています。

プールサイドに夕涼みに出たり、バーで冷たい飲み物を飲んだり。

ベッドに入るまでのひと時を少し特別なものにしてくれます。


 

冬は、もっと暖かいモコモコ素材のものに取り替えます。


 

モコモコ素材のナイトガウンは、パステル調の色柄が多いのですが、

私には少しキュート過ぎるので、優しいグレートーンのゼブラ柄を選びました。

暖炉の火を眺めながらのんびりとした時間を過ごすのに、

モコモコと肌触りの良いナイトガウンと王様 は、私の最高のパートナーです。


ぱーとなーデス


リラックスタイムの足元は、柔らかいタオル地のルームシューズ。

 

素足に履くものですから、マメにお洗濯出来るものを選びます。

夏場は同じ素材でもトングタイプで涼しく、

寒い季節は足をすっぽり覆ってくれるローファータイプを愛用しています。

 

リラクゼーションタイムに身につけるものは、こちらの洗剤で洗っています。

 

大手メーカーの洗剤や柔軟剤よりも、奥深い香りで、香りの持続性も高いと思います。

こちらの洗剤は、旅先にも持参します。

下着や小物などを洗っていますと、ホテルのお部屋全体に香りが広がって、

旅気分が上がります。

 

バスローブもナイトガウンも、活動的な衣服とは言えません。

お行儀よくしていなければ、直ぐに前がはだけてだらしないことになってしまいます。

もっとスポーティーなスウェットやパーカーで充分代替えの効くものです。

でも私、家の中にヒラヒラしたものを身にまとった女性が存在していることは、

素敵なことなのではないかと思ったりするのです。

一日の終わりのひと時をエレガントで安らぎの有るものにするのは、

女性ならではの、大切な役割なのかもしれません。



 

ネガティブな心の汚れを洗い流して、素敵な夜を過ごしましょ。

 

Have a beautiful weekend everybody !

 


暖炉の為に長椅子を

2011年10月01日 | Articles

もうすぐ大好きな暖炉の季節がやって来ます。

日暮れると、ひんやりとした空気の中にそれぞれの煙突から立ち上る薪の匂いが立ちこめて、

やがてとても静かな夜がやって来ます。

暖炉で踊る火の粉を眺めながら、おしゃべりをしたり音楽を聴いたり映画を見たり・・・・

そんな夜の為の長椅子を探していました。

フォーマルで洗練された装飾の要素の強いものは、アンティークショップで見かけていました。

インテリアとしてはとても素敵なのですが、美しい姿勢で座ってこそサマになる美人椅子。

私が欲しいのは、もっとカジュアルでお行儀を気にせずにいつまでもそこに居たくなる様な椅子。

先日ひょんなところで、真っ白なコットンのカバーが掛かった、

とてもシンプルでカジュアルなものを見つけました。

小柄な私ですと、寝そべってつま先がはみ出るぐらいの十分な長さです。

バーカウンターから眺めた時に、後ろ姿が少し寂しいとのバーテンダーからの指摘で、

マレーシアで求めたテーブルセンターを、背もたれの中央に垂らしました。

白いコットン地にシルク刺繍の地模様が施されていて、

中央にはシルクでパッチワークがしてあり、先端にタッセルが付いています。

以前テーブルセンターとしてこちらを使ったところ、

汚しそうで落ち着かないとゲストに気を使わせてしまったため仕舞ってあったのですが、

こんな形で日の目を見せてあげることが出来ました。


様々なテクスチャーの白を重ねる、大好きなコーディネートで私らしく。

私、すべすべ、フワフワなものが好きなのです。


我が家はそれはもう、ひたすらに白一色のインテリアですが、

白を美しく保つ為に、ブランケットやクッションなどを上手に使って、

直接肌に触れる部分をカバーするようにしています。

全てを包み込む必要など無く、座る時にフワッと広げるだけです。

ファブリックは布用の防水スプレーでガードしていますし、

全て洗えるものを選んでありますが、あまり頻繁なお洗濯は避けたいもの。

日常のお手入れは掃除機で布目に詰まったホコリを吸い取るのみ。

摩擦の多い、汚れ易い部分をデコレーションも兼ねてカバーしてくれる、

クッションカバーやブランケットを、香りの良い洗剤でこまめに柔らかく洗い上げる方が、

簡単で合理的だと思います。

インテリアを表現する言葉に" inviting"という形容詞が有りますが、

この長椅子は私にとってまさにinviting.

暖炉の季節が益々楽しみになりました。

 

あれ!こんなところに別のすべすべフワフワが

 

新しい椅子をア・リ・ガ・ト

 

・・・・・違います。私のです。

 

どうぞ素敵な週末を



まあるい氷

2011年09月20日 | Articles

これ、何だかお判りですか?

本日のタイトル通り、大きなまあるい氷です。

バーテンダーのオンザロックの為に、ずっとこんな氷を作りたかった!


日本には、今でもアイスピックで氷を削って、

大きな氷をコロンとひとつグラスに入れてくれたりするバーが有りますか?

そんな感じ。

氷の溶け方がね、違うんです。

小さな角氷と比べて、ゆっくりと柔らかく溶けていく・・・・・

このプラスチックの可愛らしい子が、その氷を作ってくれます。

頭のてっぺんの帽子みたいなキャップを外してお水を入れるだけ。

芸術の秋ですので、

時には私の調子の狂ったチェロを聞きながら。。。。。

オン・ザ・ロック


チェロにはオンザロックが似合うのです。





螺鈿のフォーク&水牛の角のスプーン

2011年08月29日 | Articles

申し上げるまでも無いのですが、お食事は味覚だけではなく、五感を使って楽しむものでございます。

その中で触感というものが、結構お料理のお味を左右致します。

食材そのものの食感も大切ですが、それらを口に運ぶ為の道具、

つまりお箸やフォーク、スプーン等といったものが口に触れる感覚で、

味の感じ方が大きく違って来るから不思議です。

あっ!もう一つ、指も食べ物を口に運ぶ道具の仲間に入れなくてはなりません。

昨日ラオスの方が、『手で食べなくては食事をした気がしない』と仰っておられました。

これは、お寿司を手で頂く私にはよく理解出来る言葉です。

 

ともあれ、このような道具を選ぶのは、中々難しいです。

なぜならば、お洋服を試着するようにお店で実際に試してみる事が出来ないからです。

売り物をいきなり口にくわえたら、店員さんはどんな顔をするのかしら?

そんな事を店頭で空想して、密かに笑ってしまう事がある私です。

私の場合は、とりあえず二組だけ購入し、自宅で何度かお食事に使ってみて、

二人の意見が一致したら、ゲスト用に何組かを購入するという煩わしい手順を踏みます。

旅先でのお買い物では、そんな訳にもいかず、見た目に引かれて買ってしまい、

大失敗という事もございましたので、今はあるものを除いて、

旅先でそのような類いのお買い物はしないように心がけております。(出来るだけ

そのあるものとは、デザート用のフォークやスプーンです。

そもそもデザートは、お食事の後の楽しいひとときの為に供されるもので、

いわば贅沢品であり、嗜好品だと私は考えています。

ですので、デザートを頂く時に考える事は美しく楽しい演出。

つまり、見た目重視で選びます。

食べ易さとか、使い易さはこの際忘れてしまう事にしています。

私は旅先で、自分の作品と合わせる為のデザートフォークやスプーンを仕入れて来ます。

これは当初、器のコーディネートの提案としてお使いいただく方にお見せする目的だったのですが、

そういう事を繰り返していましたら、「気に入った!、コレもよこせ!」とご要望を頂くようになり、

今は販売用と銘打って、色々物色出来るようになりました。あはは

その中で、私がペーパーシリーズとのコーディネートをとても気に入っている2点が、

木製のフォークと水牛の角のスプーンです。


ペーパーシリーズの角皿にバームクーヘンを乗せて。

長く伸びたシャープな先端が美しい木製のスプーン。

柄の部分に白い螺鈿が施されています。私は螺鈿細工が大好き

ペーパーシリーズのカップにクレームブリュレ・アイスクリームを盛って。

白い器に盛られた白いアイスクリームを、透明感のある角の黒が引き締めてくれます。

ちなみにアイスクリームに添えた四角い板状のものは、

ウェハースではなく、板飴です。

クレームブリュレの醍醐味は、表面を焦がしたパリパリのカラメルに有り

ですがアイスクリームの場合その食感が出ませんので、

こちらのキャラメル味の板飴を添え、召し上がる時に割って頂こうという趣向です。

 

デザートタイムは優雅に美しく

皆様もお気に入りの美しい器で素敵なデザートタイムをお過ごしください。

この時ばかりはカロリーの事なんかを考えるのは野暮でございますよ。

 

では

 

追伸:写真のバームクーヘンも板飴も日本からの到来ものでございます。

   日本には本当に美味しい物が溢れていますね。うらやましいです。




ガラスのストロー

2011年08月23日 | Articles

私が最近とても気に入っているもの・・・・・

ガラスのストローです。

そもそも、飾り気のない、私の焼き物のカップにもしっくり来るマドラーを探していました。

恐らくマドラーは、その面積が小さいだけに作り手の創作意欲をかき立てるのもなのでしょう。

いざシンプルなものを探そうと致しますと、中々見つけることが出来ずにいました。

その上、どれも長い!

私は気に入ったものがなければいつまででも探し続けるクセがあるもので、

我がバーには、開設当初からマドラーが無く、

バーテンダーは陰に隠れてスプーンでカクテルを撹拌している有様でした。

そんな私の目を釘付けにし、すぐさまお財布を(バーテンダーのね)開かせたのがこちら。


ガラスのストローでした。もちろん、マドラーとしての役割もキッチリ果たしてくれます。

何の飾りも無いガラスの棒です。

10年以上使い続けている、誰もが目にしたことのあるフランス製のぶ厚いガラスのコップに、

キッチンの出窓で伸び放題のミントの葉を、お花を生けるようにアレンジして、

ペリエを注ぎました。

ぽってりとして、使う人に安心感を与えてくれるガラスのコップとストローが、

まるで仲の良い友達同士のように寄り添ってくれました。

こんな風に、主張し合うことも無く、お互いを引き立て合う様な関係が私は好きです。

狙い通り、私のペーパーシリーズのオンザロック・カップにもぴったりでした。

こちらは、ウイスキーのソーダ割り。

やはり、ミントの葉をアクセントにあしらいました。

プラスチックのストローと比べますと、口当たりはとても気持ちがいいです。

今回私は合わせたいコップが決まっていましたので、短いものを選びましたが、

背の高いグラスに使うための長いものもあります。

飲み物にだけ使う道具ですし、汚れの付着し難いガラスですから、

神経質になる必要も無いかと思いますが、

このような、専用のクリーニングブラシが付いていますので、ストローの内側も清潔に保てます。

モノがガラスですから、割れることも有るのかもしれませんが、

実はこちら、Lifetime Guaranteeでして、壊れた場合何度でも交換してくれます。

それでも、安全性を考えますと、どなたにもお勧めしたりプレゼントしたりすることは出来ませんが。

大人の為のストロー。私達は気に入りました。

では