カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

キノコとお豆腐のすり流し

2011年12月13日 | Food

本日は、キノコとお豆腐を使った、山芋のすり流し小鍋仕立てのご紹介。

昆布と鰹で出汁を取り、少し薄めのかけ蕎麦のつゆの様な味付けをします。

煮立った出汁に、絹ごし豆腐を並べて入れます、

これを中火でコトコトと、お豆腐の中まで暖まるまで煮ます。

お豆腐は加熱し過ぎますと、すが入りますので要注意。

しっかり暖まりましたら、火を止め蓋をして休ませます。

ここまでは下ごしらえとして、手の空いた時に済ませてしまいます。

私はランチの洗い物のついでに済ませました。夜まで半日有ります。

この間に、煮込まずともお豆腐に出汁味が染み込みます。

夜~

お鍋を再び火に掛けまして、煮立って参りましたらどっさりとキノコを乗せます。

本日は、しめじ、エリンギ、エノキです。お鍋から溢れるくらいたっぷり用意しました。

このままキノコを抑えるように蓋をして中火でしばらく加熱します。

こう致しますと、キノコは煮えるのではなく、蒸されます。これがポイント。

キノコの嵩が減り、火が通りました。

キノコから沢山の水分が出ますので、あまりにも汁気が多すぎましたら、

写真のようにヒタヒタの分量まで調整して下さい。

ここに、すりおろした山芋を乗せます。

その上から刻んだネギと青のりを振りかけ、蓋をして3分程蒸らして出来上がり。

お好みで、一味や七味、おろしわさび等で頂きます。

 

お豆腐は言わずと知れた良質なタンパク源。

キノコは超低カロリーで、ミネラルと食物繊維が豊富ですので、

沢山召し上がるのは素晴らしいことなのですが、

キノコの食物繊維は消化に時間がかかります。と申しますか、ほとんど消化されません。

そこで、消化を助ける山芋を使うことで、内蔵への負担を抑えます。

 

山菜とろろ蕎麦はお好きですか?私は大好き。

でも、お蕎麦を頂いているうちに山芋がお出汁に溶けてしまい、

お出汁を飲み干さない限り、山芋が最後まで頂けないことがちょっと不満。

この小鍋仕立ては、そんな私の不満を解消する為に考えた一品です。

しっかり味の染み込んだ滑らかな絹ごし豆腐と、食感の良いキノコ。

それらを、お出汁の分量を少なめにすることで、

山芋が溶け出したトロリとしたお出汁とともに、最後まで堪能することが出来ます。

 

では



四川風☆焼きタラのお鍋

2011年12月11日 | Food

台湾にビジネスパートナーが居りますので、時々出掛けます。

その時に頂くことを楽しみにしているのが台湾火鍋。

家の近所にも火鍋を食べさせてくれるレストランが有るので時々出掛けていたのですが、

どうにもこうにも出汁が塩辛すぎて、お腹がいっぱいになる前に降参。

ならば私が我が家の好みに合わせてお作り致しましょう!

但し、私の鍋は改良に改良を重ね、今や台湾の火鍋とは別物になっておりますデス。

 

冬の魚の代表であるタラ。

コレは水炊きなどの具材として人気がありますが、私が頂いておりましたものは、

正直タラの旨味を生かし切れていないと感じておりました。

そのまま茹でたタラというのは旨味が流れ出て、パサパサした食感の割に生臭い。

なので私は水炊きに使用する際は、タラを一旦酒蒸しにすることを思いつきました。

酒蒸しにしたタラを、しゃぶしゃぶのようにサッと鍋にくぐらせて頂くのです。

タラ本来の旨味を堪能出来る下処理でございます。

 

本日はタラを使ったお鍋、四川風タラ鍋。辛みの効いた出汁で頂きます

我が家のものは、もはや激辛と言えましょう。

そしてタラの下処理も水炊きとは別の方法を致します。

昆布を2~3時間水につけて出汁を取っておきます。

青梗菜

周りの大きな葉は、そのまま使い、中心部は株を縦に切って使います。

全てをバラバラにしてしまいますと、芯の部分の歯ごたえや甘みを楽しめません。

椎茸。本日は素晴らしく肉厚の椎茸をゲット致しました。

あとはお豆腐です。

みじん切りにしたニンニク、ショウガ、ネギごま油を廻しかけ火に掛けます。

私は土鍋を直接使いますが、破損が心配な場合、別鍋に作ってから移すことも可能です。

火加減は弱火。香りを出すだけの行程ですから、ジュージュー音を立てる必要は有りません。


土鍋全体が静かに暖まり、香菜の香りが立って来ましたら、

紹興酒と準備しておいた昆布だしを加えます。

今回の昆布は、非常に香り高い利尻昆布ですので、このまま終わりには致しません。

取り出した昆布に再びぬるま湯を注いで置きますと、明日の夕方までに充分な出汁が出ます。

豆板醤、オイスターソース、醤油、豆鼓の刻んだもので味を整えます。

煮立ったら、花椒を加えてしばらく煮込みます。

ペーパーで水切りをして一口大に切ったタラ小麦粉をまぶします。

油を薄くひいたフライパンで、強火でこんがりと焼き目を付けます。

この段階でとても美味しいですが、食べちゃ駄目だよ!

この焼きタラが主役の具材となります。

これは味付けしていないので王様にお裾分け出来ますよ!

タラ以外の具材を入れて、煮込みます。

全ての具材が食べごろになりましたら、テーブルに運びます。

卓上コンロに掛けながら、その都度タラを乗せ、しゃぶしゃぶのようにして頂きます。

既に火が通っていますので、暖める程度で充分。


焼き付けた小麦粉が少し柔らかくなり、香ばしいながらもツルンとした口当たりです。

ひと手間掛けた下処理で、タラ自体がおいしく頂けます。

タラは偉大です。それでも美味しい旨味が充分に四川スープに溶け出します。

本日の鍋後は、迷わずおうどん!と意見が一致いたしました。

溶き卵を廻しかけて火を止め、蓋をして2~3分。


ご覧の通り、言葉にできない程の美味しさでございます。

 

私は鍋料理を食材のごった煮にしないよう心がけております。

一つ一つの食材に相応しい下処理をして、

それぞれの美味しさのハーモニーを楽しみたいと思います。

 

では



小ダコとジャガイモのトマト煮込み

2011年12月09日 | Food

きょうは、いたりあんですよ~!

 

昼下がりのキッチンから、素敵な香りがして来るのが好きです。

美味しい香りに包まれておりますと、ディナーに向けて心がウキウキして参ります。

本日は、我が家の冬の定番料理、小ダコとジャガイモのトマト煮込みのご紹介です。

材料も手順もいたってシンプルなのですが、このお料理には時間がかかります。

で、私はそんなところも好き

まず最初に、ジャガイモをサッと洗って皮付きのまま茹でるべし。

ジャガイモを皮ごと茹でる理由は三つ。

一つ目、本来野菜の旨味は皮に有ります。土の中に全体が埋まっている根菜類は特にそう。

皮ごと茹でることでジャガイモの皮が持つ、土の香りが楽しめます。

二つ目、ジャガイモの持つビタミンは加熱しても比較的残り易くは有りますが、

皮付きのまま茹でることで、更に栄養素が溶け出すことを防ぐことが出来ます。

三つ目、皮付きで茹でると、ジャガイモが水分を吸収し難くなるので、水っぽくなりません。

ポテトサラダや、その他ジャガイモのホクホクとした食感を大切にしたいお料理には、

皮付きのまま茹でるようにしております。

こちらは小ダコ

大きさはこれくらいです。

日本ではこのような大きさのタコは簡単に手に入るでしょうか?

もし難しければ、同じ大きさのイカでお作り頂けます

実は私が最初に食したオリジナルはイカでした。

何度か作ってみて、タコの方が好みに合いましたので、私はタコで作るようになりました。

煮込み鍋にオリーブオイルを入れ、ニンニクと赤唐辛子のみじん切りを加え、

中火でゆっくり香りを立てます。

写真のお鍋はホーローなのですが、私が毎年黒豆を煮るので、

すっかり染まってしまっています。

香りがしっかり立って、お鍋が熱くなりましたらタコを投入。

全体に一混ぜして油を廻します。

アルミホイルでしっかり口を覆います。

更に上から蓋。

タコの風味と、水分を絶対に逃がさない為です。

焦げる気がするでしょ?大丈夫、焦げません。

タコから充分な水分が出て、その水分でタコが蒸し上げられます。

弱めの中火で30分蒸します。

イタリアントマトの水煮を手で潰します。

この缶は特大サイズで800グラム程のものです。

ジャガイモがゆであがりましたら、熱いうちに皮を剥いて、

小さめと大きめ、2種類の大きさの角切りにします。

小さい方の角切りは、煮溶かしてトロミを出し、大きめはじゃがいもを味わう為です。


30分後、蓋を開けると、タコの素晴らしい香りが立ち上ります

タコからヒタヒタぐらいの水分が出ています。

ここにトマトを投入。

水分のバランスはコレくらいです。

更にジャガイモを加えます。

ここまで、私は一切塩分を加えていませんが、大丈夫です。

トマトの水煮にも若干の塩分が含まれておりますのと、タコからも塩気が出ます。

先ほどと同じく、鍋の口をアルミホイルと蓋でだぶるカバーして、

更に40分、時間が有ればもっと煮込みます。

出来た~

この段階で、タコは木べらで切れる程柔らかく煮上がっております。

ジャガイモは皮付きで茹でたので、ホクホク感を保ったまま旨味が沁みています。

でも、まだ食べちゃ駄目。

火を止めてから2~3時間は、休ませて下さい。

温度が下がるに連れて全体の味が馴染み、待った甲斐が有ったと思って頂けます。

サイドディッシュにはブロッコリーの暖かいサラダ

茹でたてのブロッコリーを、少量のおろしニンニク、オリーブオイル、

レモンの絞り汁で和えただけのシンプルサラダがよく合います。

お皿に盛りつけて、パセリをたっぷりふりかけてサーブします。


The Next Day!

翌日のランチ。

ジャガイモが更に溶け出して、スープにとろみが付いています。

リングイネ・パスタをバターと黒こしょうで和えたものを添えて。

うまし。

その他、ジャスミンライスを少量のバターと塩で炊いたものも、とても良く合います。

 

私は自分の好きなものを押し付けることは控えたいと思っておりますが、

もしもコレをご覧になって、少しでも食指が動いた皆様、

是非に、是非に、一度お作りください。

イタリア人シェフの友人に、「貴女は天才!」と言わしめた一品です。

 

では



キャラメルコーヒー・スコーン

2011年12月08日 | Food

焼き菓子をデザートとして用意することは、あまり有りません。

酒飲みのゲストが多い我が家故、デザートよりも食後のお酒に神経を払います。

食後酒とともに出すチーズに合わせて、フルーツをお出しする程度。

そんな私が朝食用によく焼くスコーンのご紹介。

先日作ったキャラメルクリームも賞味期限が近いので、使い切りの一品。

キャラメルコーヒー・スコーンです。

薄力粉、強力粉を同比率、粉100グラムに対して小さじ一杯のベーキングパウダー

牛乳プレーンヨーグルトが半々で粉の全量の半分。

バターは粉の1/4が分量の比率です。

バターはさいころ状に切って、使うまで冷凍庫に入れておきます。

キャラメルクリームは残っているだけ。トータルでバターとほぼ同量の甘みを加えます。

フードプロセッサーで粉とバター、顆粒のインスタントコーヒーを混ぜます。

バターは小さくなっていますが、原型を留めています。

フードプロセッサーが無くても大丈夫です、

パイカッターやフォークでバターを切りながら混ぜて下さい。

ここで、キャラメルクリームと牛乳、ヨーグルトの半量を加えて混ぜます。

こんな感じになったら、

残りのキャラメルクリームと牛乳、ヨーグルトを加えて再度混ぜます。

混ぜます混ぜますと繰り返し申し上げておりますが、一回30秒程度で充分です。

ラップに取り出しますが、この段階ではぽろぽろと申しますか、ボロボロというか・・・

粉っぽさが残っているのが上手く行った証しです。

手でまとめることは不可能ですが、気にしないで下さい。

ラップに包みながら、四角くまとめて、冷蔵庫で20分程休ませます。

私も休みたいぐらいですが、この間に洗い物などすませた方がよろしそう。

お時間が来ましたら、まな板にラップを広げて打ち粉をします。

この時点で生地は大分まとまっていますが、くっつきますので全体に粉をまぶします。

それを伸ばす、

三等分にたたむ、

合わせ目を下にして再度伸ばす、たたむ・・・・・三回程コレを繰り返します。

この行程が終わっても、バターが原型を留めているのがご覧頂けるかと思います。

これが、サクッとした食感に仕上げる秘訣です。

慣れていれば、あっという間の作業ですが、最初はそうはいかないかもしれません。

バターがダレて来ていると感じたら、途中で仕事を中断して、

ラップに包み直し、冷凍庫に入れてしばらく冷やすことをお勧めします。

最終的にきれいな四角に整えて、パイカッターで切ります。

オーブンシートを敷いた天板に並べて、ラップをふわりと掛け、

冷蔵庫で20分程休ませます。休んでばかりですねー

ちなみに小さな切り落としは味見用です~

休憩が終わった生地に、顆粒のメイプルシュガーをまぶし軽く手で押さえつけます。

このメープルシュガーは粒の大きなタイプで、

時々仕事でカナダに出掛ける友人に頼んで、必ず買って来てもらうのですが、

焼き菓子に使うとカリッとした食感が楽しい、優しい甘さのお砂糖です。

そのまま直ぐにオーブンにGO高温で17分ほど焼きます。

しばらく致しますと、スゴークいい匂いがして来ます。



焼き上がりました。

コーヒーとキャラメルクリームが入っていますので焼き上がりはブラウンカラー。

横から見ますと、バターの力で何層もに別れていますね。

大成功です。

 

こちらのスコーン、焼きたてより時間が経ってからの方が私は好きです。

これは明日の朝、バーテンダーの入れてくれるコーヒーと一緒に頂くことにします。

 

では


海鮮醤油焼きそば

2011年12月07日 | Food

バーテンダーにとりまして、焼きそばは殺し文句のようでございます。

「今日のランチは焼きそばで~す」などと発表しますと、スキップで仕事を開始致します。

厄介な仕事に取り組んでいる時を見計らって、

色々なバラエティーで焼きそば何ぞを提供しますと、元気はつらつでございます。

今日は、数ある焼きそばのレパートリーから、海鮮醤油焼きそばのご紹介。


私の使うのは、香港スタイルの極細麺です。

日本では手に入らないかもしれませんが、焼きそば用蒸し麺でも構いません。

まずは海鮮スープを作ります。

イカ、エビ、ホタテがミックスされた冷凍のシーフードミックスを使用。

ヒタヒタの水と紹興酒で、サッと火を通してしまいます。

火が通りましたら、手早くザルで水気を切ります。

いつまでもお湯の中に浸けておきますと、旨味が全部出てしまいます。

そして勿論スープは取って置き、焼きそばスープのベースとして使います。

お使いになるシーフードによっては、塩分が含まれるものも有りますので、

味見をしてから、紹興酒、醤油、砂糖を加えて、

そのまま飲んだら塩辛過ぎるくらいに調整します。

250ccと結構たっぷりですが、コレくらいは必要です。

本日使用するお野菜はネギと細切りのタケノコのみ。

私は日常、野菜を沢山頂くことを心がけては居りますが、

野菜を入れない方が美味しくし上がるのであれば、野菜などどうでも良いです。

野菜を食べたければ、別の形で補います。

この焼きそばは海鮮スープの染み込んだ麺を堪能する為の一品ですので、

お野菜はタケノコを食感を楽しむ為に、香りの為にネギを使うのみと致します。

私の使う麺は、一旦20秒程茹でる必要がありますが、通常の蒸し麺ならそのまま、

上から紹興酒と醤油を少々ふりかけて手で抑えておきます。

この時当然麺はほぐれませんから、まんべんなくまぶす必要は有りません。

袋から出したままの四角い姿で結構です。

フライパンに多めの油を引き、麺を焼き付けます。

ほぐすことは一切考えず、まるでお好み焼きのように、

両面をこのくらいの焦げ目が付くまでしっかり焼いて下さい。

ここで先ほど作った海鮮スープを加えます。かなりの量ですが、心配しないで下さい。

麺が次第にスープを吸収し、自然にほぐれて参ります。

フライパンの端を少し空けて、ネギとタケノコを乗せ暖めます。

ここで初めて麺を菜箸でほぐしながら野菜を混ぜていきます。

あんなにしっかり固まって焼けていたのが嘘のように、麺はほぐれていきます。

最後の最後でシーフードを乗せます。

鍋肌から香り付けの醤油を廻し入れ、全体を一混ぜして出来上がりです。

スープをしっかり吸った焼きそばは、全体的にはしっとりとしていますが、

最初に焼き付けておいた部分は、パリッとしています。

別茹でして最後に合わせただけのシーフードは、食材本来の味わいをしっかり楽しめますし、

そのゆで汁は、お醤油と紹興酒を加えただけで素晴らしい焼きそばソースになります。

この焼きそばのキモである、しっとり&パリッの麺の食感を出す為には、

コツを掴むまでに何度か練習が必要かもしれません。私はそうでした。

それでも、上手に出来た暁には、今までの焼きそば感が変わるかもしれませんゾ。

 

では