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もんく [とある南端港街の住人になった人]

築60年のモダン建築物がボグワーツより不思議で魔法である理由

LXA-OT3用にケースを作成。






たまには建築のことを書こう。

下の建物を評価してみていただきたい。(特に正解があるわけではないけれど、まずこの建物がどう面白いかを数分考えて)


ここ、たまたま今日訪問することになった建物で、今は個人宅兼、ギャラリーカフェとして使われている。以前は起業の保養所だったこともあるそう。


この建物の何が面白いかって、なかなかわかってもらえないかもしれないので超初心者向けスーパー簡単解説。

何が面白いか?と問われて・・・
たぶん「積木を重ねたようにゴツゴツしていて形が変わっている」という人が多いと思う。外見的にはその通り。だけど、「建築」なのでもうちょっとだけ考えてみるとさらに面白さが増す。


というわけででこういうのはいかが?
1) この家の柱ってどことどこにある?
一部柱が見えるけれど、一般の家とちがって建物の四隅にあるのか、無いのかがわからない。あるかもしれないし、無いところもあるかもしれない。これだけでちょっと興味深い。


2) 5階建てなので上下に人が移動するはずだけれど、どうやって移動しているのか外から見て全くわからない。なんとなくここに階段があるのかなと思うところもあるけれど、途中で切れている。手品のようだ。まさか奥側に見える外階段使えってのはないよな?安藤忠雄じゃあるまいし。


3) 左前にも正面にも扉が見えるし、外階段上がったところも建物に面しているから扉がありそうだし、地形が崖っぽいから裏にも扉がありそうだし・・・玄関はどこ? そして正面はどっちで裏はどっち?


4) 一般の家と違って各階の床の大きさと形が全部違う。つまり、下の階の造りにその上の階がほとんど拘束されていない。ってことは、どこかにある居間は居間として誰(他の部屋という要素)にも邪魔されずに快適な居間の形と大きさになっているとか、キッチンはキッチンが最も良いようにデザインされているとか、風呂は風呂だし、寝室は寝室で最適化できているって可能性がある。これは凄いことじゃない?各階からの眺めを最適にしているとか光の入り方をそれぞれ最適にしているという可能性もある。単に四角い建物ではそんなのは不可能。


つまり総じて言うと、モダニズムが求めていた、そして現代建築も求め続けている「自由」の一つがここに実現されているというわけ。これが60年前にできているって、脅威だよね。今はもっといろいろ技術が使えるからさらにもっと自由なはずだけれど、なかなか人間の思考がついていかない・・・どころか、けっこう後退してしまっていたりする。


これをちゃんと見たらボグワーツなんて古くておどろどろしいだけでちっとも不思議で魔法な建物じゃないと思わない?


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