もんく [マレーシアで働いて13年→2022猫を連れて日本]

映画「AVATAR」 - もののけ姫から出ていない

宮崎駿(はやお)の「もののけ姫」によく似た映画だ。

原作が同じじゃないかと思えるほどよく似た構成になっている。途中までその事で驚いて見ていたが、きっと最後は違うのだろうなと期待していたら最後まで似ていてさらにびっくりさせられた。もちろんアメリカ映画らしく主人公の個人的な感情の動きのような部分はちゃんと表現されているのだけれど、それで十分かと言うとあまりそうも感じないのは「もののけ姫」に似すぎている事に気を取られすぎたからだろうか。

結局、見終わってとても残念に感じさせられた作品だったと思う。このテーマや社会性に関しては確かに悪いとは思わないから、これを映像表現の良さ以外で評価するのはわからないではない。

ただ、物事の解決手段は戦うしか無いのか、人間は未だそんなやり方でしかこうした問題に対処できないのか、その程度のアイデアしか未だに持ち合わせていなかったのかと言う点に対してとても残念でならないのだ。だから最後に勝利が訪れたとしても舌の上に苦味が残る。21世紀にもなって、しかも先進的な技術を駆使してまで、未だに人間の進歩の無さを見せられるのは後味が良いはずが無い。


また、ナヴィ(パンドラに住む人?たち)の生活の描き方の中にも権力闘争や支配や上下関係のようなものが普通に表現されているし、大昔の映画にあったバリのケチャダンスの様子にも似た事をさせている。身に着けているものはアフリカであるし、男女の関係すらあまりに普通で、どちらかと言うとどこかで見た何かを全てミックスして新しい映像の中に取り込んでいるように思われる。わかり易さの為の参照と感情移入のし易さ重視の表現なのだろうが、これで良かったのかどうかはかなり疑問だ。

評判の良い映画に文句を付けるのは申し訳ないが、一度頭の中の在庫をきちんと整理してから作り直してみてはどうかと思う。映画は技術だけで成立するほど簡単じゃないだろうから。「もののけ姫」を1歩でも半歩でも脱して欲しい。


英語の勉強には悪くない。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「映画って !」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事