出展数はそれほど多くなかったのですがインドネシア特産の布製品などを使ったファッションショーをやっていたりしてなかなかです。ファッションショーと言ってもあちらもムスリムの国なのでヨーロッパで行われているそれのように派手ではないのです。ハンディクラフトもよくあるお土産物のようなものが多かったのですがちゃんとした手描きのBatikも一部出ていたのは見物でした。チャンティンが上手いものもありましたし。
そのハンディクラフト展に入って不思議に思うのは、ハンディクラフトを置いて販売しているブースを借りているのがインドネシアの電力会社、テレコム、電車の車両を製造している会社などでちゃんと看板もそうなっています。電車の車両販売の会社に至ってはその電車のパンフレットまでくれます。パンフレットをくれても誰がインドネシアから電車を買うのかわかりませんが、なぜかくれます。もちろん玩具の電車でなくて本物の電車です。
それなのに売っているのは布製品だったりアタと呼ばれるツタでできたバッグだったりしていてチグハグなのです。テレコムだって携帯電話など1つも置いておらず民芸品を売っているのです。
それで、いったい何なのかと聞いてみると、そうした大きな会社が地場産業振興のためにスポンサーになっているのだそうです。出資して輸出できるものを地元の人や企業に作らせているそうです。
そうした大手はインドネシアでは国営かそれに近い企業なので社会的責任を負わされているのかと思います。インドネシアのことですからそれが社会的責任であるのか、それとも他人に言えない意味でやっているのかよくわかりませんが、とりあえず都会で集めたお金が地方に大手企業を通じて還元されるようです。
やりようによってはなかなか良い試みになるかもしれません。日本だとお金を儲けた企業は球団を買ったり芸術品を買いあさったりする以外は広告にお金をかけるだけのような感じがしますが、こうやって寄付のようなつもりで他人の事業に投資することができたら良いのではないでしょうか。
難しいのでしょうけれど。